格差の固定が男性を追いつめる? | 廣田信子のブログ

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こんにちは! 廣田信子です。

 

社会学が専門の友人と

「ひきこもり」問題を話していて、

「追いつめられる男性」の存在が話題になりました。

 

2018年、人口10万人中の自殺者は

男性が23.2人、女性が10.1人。

男性が女性の2倍以上です。

 

また、「ひきこもり」の人も、

男性が女性の4倍といわれます。

 

この数字を見ると、今の社会は、

男性にとって生きにくい社会のように見えます。

 

この傾向は決して日本だけのものでなく、

欧米先進国でも同じ傾向がみられます。

 

まだまだ、男性優位社会だと言われる中で、

なぜ優位な立場にいるはずの男性が

自殺したり、

「ひきこもり」になったりするのでしょうか?

 

男性には、

当たり前のように、一家を背負う経済力が求められ、

その重圧から、うつやひきこもりになり、

過労死や過労自殺に追い込まれる。

 

安定した職に就けずに、低収入のため、

女性に相手にされず、結婚もできない男性も多い。

 

それなのに、

メディアや知識人が注目するのは

LGBT (レズビアン・ゲイ・

バイセクシュアル・トランスジェンダー)

などのマイノリティ差別や女性差別ばかりで、

 

もっと深刻な男性の状況を見ぬふりをしている。

それこそが差別だ…と。

 

その思いから、ネットに、

フェミニズムやマイノリティへのヘイトや

ミソジニー(misogyny:女性嫌悪、女性蔑視)の

罵詈雑言が溢れているというのです。

 

なぜこんなことになるのか…です。

 

男性優位社会の中で

まだ、女性が様々な差別にあっていることには

違いありませんが、

 

それと同様に、

男性社会のヒエラルキーの最下層に追いやられ、

 

女性にも相手にされず、

存在そのものを否定されるような

過酷な状況に追いやられている男性たちが

いるからだというのです。

 

男女の50歳時の未婚率(生涯未婚率)を

年収別にみると、

 

男性の未婚率は、

明らかに年収が低いほど高く

年収が上がるについて低くなります。

 

生涯未婚の男性は、

年収300万円以下では3割、

200万円以下では4割がですが、

 

年収600万円以上では1割、

1千万を超えると5%まで低下します。

 

男性が結婚できるどうかは、

経済力と切り離せないのです。

 

経済的な理由で結婚を考えられない男性にとって、

なぜ結婚しないのかと言う

世間の圧力はとてつもなく残酷で、

 

生涯未婚のレッテルを貼られそうな男性たちは、

心理的に追い込まれていくといいます。

 

 

アメリカでは、恋愛と縁のない若い男性が

自分を相手にしない「女性」への復讐が目的の事件を

度々起こしています。

 

これは、女性に相手にされない男性による

テロリズムだとも言われます。

 

「女性」と縁を持てない(モテない)「男性」が

多数存在してしまう社会の構造は、

非常に大きな問題をはらんでいる…と。

 

一夫一婦制のもと、数字の上では、

ほぼ全員の男性が女性とカップルになれるはずです。

(あくまで、数字の上だけの話です)

 

しかし、女性の経済的自立に伴い、

うだつの上がらない男性と結婚するより、

経済力があって魅力的な男性と

短期間でも付きあった方がいいと考える女性が増える。

 

それが女性の「利己的な遺伝子」の戦略

(優秀な遺伝子を残そうとする)

としては当然だ…と。

 

実際、経済力のある男性には、

愛人がいたり

人生に何度も結婚、離婚を繰り返すということは

よくあることで、

 

結果的に、

一人の男性が複数の女性を獲得し、

 

女性と縁がない男性が、

一定数存在することが避けられなくなります。

 

それは、男性の「利己的な遺伝子」の戦略

(自分の遺伝子をできるだけ多く残したい)

にとって、致命的な問題です。

 

 

アメリカでは、

女性に縁がない男性の多くが白人男性で、

 

彼らは、

白人の「ワーキングプア」と言われる人たちと同様、

強力なトランプ支持者でもあるといいます。

 

「白人男性」という

「アメリカ社会のマジョリティ」でありながら

アンダークラスに押しやられていることに、

強い憤りを感じているからです。

 

トランプ政権を誕生させ、支えているのは、

こういった人たちの存在なのです。

 

よくも悪くもトランプ大統領は、

社会で片隅に追いやられている

その存在に気がついたのです。

 

そして、

これはアメリカだけの現象ではありません。

 

イギリスのブレグジットも、

フランスの黄色ベスト運動も、

 

背景には常に

マジョリティの分断と格差があるといいます。

 

日本も例外ではありません。

 

安定した仕事に就けず、

恋愛の自由市場の中で、

女性との関わりから排除され、

人生を丸ごと否定されているように感じる男性たちが

いるのです。

 

そんな中で、

社会が話題にするのは、

女性差別や国籍差別、

LGBTのような見えやすいマイノリティ差別のことだけで

マジョリティのアンダークラスにいる男性の存在は

表に出てきません。

 

自分たちが差別され、

存在が無視されているという思いは、

 

他者の人権が尊重されればされるほど高まり、

何か行動に起こさずにはいられなくなるのです。

 

それが、ネット上の不穏な書き込みに繋がり、

 

時には、重大な事件を引き超す…

という現実があるのだといいます。

 

 

その一方で、

高収入で、モテる男性は、

高収入の女性と結婚する傾向は強まり、

 

エリート同志の結婚は、

現代社会で最もリッチな階層を構成していきます。

 

それによって、

格差はますます広がっていくことになります。

 

同じ「男性」というカテゴリーの中での格差の拡大は、

社会を不安定なものにします。

 

格差を生む根源に何があるのか…は、

明日考えたいと思います。

 

 

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