失敗をオープンにして進歩につなげる | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

現在NHKで放映されているドラマ10「ミス・ジコチョー」が

おもしろいです。

 

松雪泰子さん演じる天ノ教授が活躍する

「事故調査委員会(事故調)」の物語です。

 

天ノ教授は、

日々起こるさまざまな事故は常に何かの失敗であり、

失敗こそ進歩に不可欠のものとして、

「失敗学」を立ち上げています。

 

失敗の責任を追及するのではなく、

直接の原因と、背景的・社会的な原因とを究明して知識化し、

再発防止に役立てようというのです。

 

ところが、

事故の当事者は、そうは思いません。

 

なんとか失敗を隠そうとします。

そこで起こった真実をなかったことにしたいのです。

他人のせいにしたり、

やむを得なかったことにしたいのです。

 

それを、証拠を積み重ねて真相を明らかにしていく

痛快なドラマです。

 

でも、現実は、ドラマのようにはいかず、

当事者の保身のために、失敗を認めず、

なかったことにしてしまっていることが、

本当に多いのではないかと思います。

 

責任追及をする社会は、

失敗を教訓にして次に生かしにくい社会だと、

改めて思います。

 

マンションの管理組合運営でも、

失敗の中には、大きな学びがあります。

 

それを、責任追及の攻防にしないで、

あとに残す財産としていってほしいのです。

 

今日のうらやす市民大学では、

 

大規模修繕工事のコンサル、施工業者選定に失敗した体験をし、

それを乗り越え、大きな成功を手にしたマンションが

事例を発表してくれます。

 

総会決議も終わり、施工業者も決まり、

あとは契約するだけ…

 

その段階で、コンサルの仕様書や施工業者の見積書に、

明らかにおかしいところを発見したら、

修繕委員長は、どれだけ悩むことでしょうか。

 

1年にわたって、

自分たちが進めてきたコンサル選定や、

コンサルと進めてきた施工業者選定の過程が、

全部否定されることになります。

 

疑いを黙って契約してしまった方がどれだけ楽か…。

総会決議は終わっているのですから。

 

でも、そのマンションでは、そうはしなかったのです。

 

危機を乗り越えられたのは、

失敗を潔く認めた執行部と、

 

その失敗の責任追求をするのではなく、

失敗を受け入れ、いっしょに乗り越えようと

背中を押した住民の力の結集があったからです。

 

そして、今度は、

その体験を他のマンションの人たちにも伝えよう

次の大規模修繕工事を担うことになる人たちにも伝えよう

そう思って、記録をまとめてくださったのです。

 

 

不適切コンサル問題が大きく取り上げられた時に、

かつて自分もその世界にいたという人が、

自虐的に話していたことが忘れられません。

 

管理組合は、いったん契約してしまったら、

問題があっても、

選んだ自分たちの責任になるから強くは抵抗しない。

だから、多少だましても契約してしまった者が勝ち。

 

管理組合は、自分のマンションの失敗は、

絶対に外には言わない。

不適切なことが周りに伝わらないので、

隣のマンションでも同じことができる。

 

管理組合は、役員はどんどん変わり、

不適切な事実が次回に引き継がれないから

ばれても気にすることはない。

 

…と。

 

管理組合の弱点をうまく利用していることに

何だかぞっとしましたが、

 

逆に、

そうならないような管理組合運営をすればいいのです。

 

せめて、マンションの管理組合ぐらいは、

失敗を認め、原因を明らかにして、それを記録に残し、

だんだん進化してくような組織でありたいと思います。

 

そして、できれば、

それを周囲や次の世代に引き継いてもらいたい…と。

 

いいことばかりでなく、失敗も明らかにできるマンションが、

本当は一番強いのではないでしょうか。

 

 

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