彼方のアストラ

2019年の夏アニメの中では、
トップクラスといえる名作でした。


裏切者は誰か?というミステリー要素も含めたSF作品で、
あちこちに伏線を散らばらしておきながら、きっちり回収。
1クールでしっかりとシナリオを完結させている。
(1話と最終話が1時間なので実質14話だが)

2クールを隔てたり、続編モノを除けば、
素晴らしく完成度の高いアニメだったのではないでしょうか。
 
当時の雑記レビューのリンクを下記に貼っておきます。
↓↓↓↓↓↓↓↓
1~2話 3話 4話 5話 6話 
12話・前編 12話・後編
↑↑↑↑↑↑↑↑
 
作品の感想はリアタイ視聴の雑記レビュー(上記リンク)で
散々語ったので、そちらを読んでいただくとして…。
 
この総評記事では
伏線だったと思われるシーン
について着目していきます。
 
当記事は既に彼方のアストラを視聴しているもの
みなしての、伏線と思われる説明記事なので、
未視聴の方はご遠慮ください。
 
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☆1話


他の面子の親子はクローン関係にあり、
顔かたちが似ているケースが多いですが、
アリエスとアリエスの母のエマはまったく似てませんね。



反重力シューズで噴水を飛び越えて窃盗犯を捕まえる、
アルティメットダイブボムが、
まさか終盤に球体ワームホールを飛び越えて、
シャルスを抑え込む技に使われるなんて、
この時は想像もつかなかったwww



研修旅行の集合場所に遅れてやってくるカナタ。
この研修旅行を仕組んだ連中(クローンのオリジナル)は、
クローンであるメンバー全員を抹殺するのが目的。

ここで、引率教師が
「集合に間に合わない者は容赦なく置いていく」
と、言っていることから、現場の引率教師は
事情をまったく知らなかったということになります。



ワームホールが出現した時のメンバーの位置取り。
顔こそ映っていませんが、シャルスが最後尾にいます。



宇宙に投げ出された時のセリフ
カナタ「緊急事態だ。学校への通信装置は誰が持ってる!?」
シャルス「僕だ。でも装置を落としてしまったみたいだ」
ワザとか!?w



このキラキラは、さすが王族(クローン)の気品か?w



惑星を5つ経由すれば帰れるルートが1本だけある。

カナタたちが飛ばされた宇宙空間は、氷の星と化した地球上空です。
おそらくこれが100年前、地球からの探索隊が
新たな居住惑星アストラを発見するまでに至った経路
なのでしょう。

その探索隊のメンバーだったポリ姉は第5惑星イクリスで遭難し、
コールドスリープ状態に入ったと思われます。



アストラ号(アーク12号)のデッキに書かれていた言葉。
『困難を乗り越えて目的地へ』を意味しています。
ここでカナタが「古い言葉だと『星』っつー意味があんのか」
と言っています。

今現在、自分たちが住んでいるのが惑星アストラで、
その言葉が古い言葉だと星という意味があると
感心したから出た言葉だと思われます。
(2話の時点ではカナタたちの住んでいるのが
地球ではなく、惑星アストラであるとは明かされていない)

もっとも、このスローガンがあったから、移住民第一世代は
新居住惑星の名前をアストラと命名したのかもしれませんが。

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☆2話


第1の惑星ヴィラヴァースで現地生物と
キャッキャウフフするシャルス。

王城に軟禁され、情報でしか知ることができなかった
動物に触れ合えることを心底楽しんでいたんだなと、
あとになってわかる図。



再び出現するワームホール。
遠隔操作ができるにしてもあまり射程は長くないことと、
見ていないと操作できないことから、
この時点で操作者は5人に絞られますねw
もちろん、シャルスがいますww



アリエスが映像記憶保持能力があることを驚くシャルス。
何故ならオリジナルの王女も所持している能力だったから。

シャルスの目的が全員の抹殺から、
王女セイラのクローンであるアリエスだけは惑星アストラへ
連れ帰るに変わり、そのためには他のメンバーも生かして
協力しなければ、過酷な旅は終えられないと気づき、
これ以降、最後の惑星までワームホールを使わなくなります。



宇宙探検家になるというカナタに対して、

ザック「俺も宇宙分野での研究をするつもりだ。
お前の船には俺も乗るぞ、カナタ」


シャルス「そうだな、僕も…乗れたら…いいな」

このあたりで、王の勅命とは別に
自身の感情が芽生え始めていたのかも?

「僕は右腕として働くよ」

終盤にカナタが右腕を失って、その責任を取るというフラグwww



フニシアが養子でキトリーとは姉妹じゃないのが発覚。
どう見ても血の繋がりがあるとしか思えん容姿w
クローンなら当然である。

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☆3話


視聴者でもまったく気づかなかったくらい
エアリスの微妙なオッドアイに気づくシャルス。
これもオリジナルの王女セイラと同じ体質。

ここでシャルスはアリエスが
王女のクローンであると確信したと思われます。



ウルガーが銃の扱いに長けていることがわかり、
実銃は100年も前に撤廃されたという話が。
今が2063年なら1963年に銃が撤廃されたことになる。
時代考証にまったく合わないw

本当は地球からアストラへ移住してから、
戦争を二度と起こさないために武器の類は撤廃されたのが正解w

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☆4話


毒の胞子にやられたシャルス。
カナタに連絡を取って対処法を頼む。
自分の命すら投げ打って暗殺計画を実行するシャルスが、
ここで救援を頼んだのはこのまま死ぬとアリエスも死ぬから。



移民計画で過去に探索隊はこの星にも訪れたと思います。
しかし、この星に永住を決めなかったのは、
この毒キノコのせいでしょうねw

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☆5話


毒胞子を出すポールツリーの前でのやり取り。

シャルス「ポールツリーの正体が木じゃなくて
巨大なキノコなら、食べられるかもって思ったんだ」


アリエス「あー、美味しそうですもんね」

シャルス「アリエスとは波長が合うね。前世は親子かな?」

実はここで言っていたw
シャルスのオリジナルとアリエスのオリジナルは親子w




まったく心配していない毒親たち
 

シャルスの母は今回の暗殺計画のために
王がシャルスを養子に出しているわけですが、
それらの事情をこの母親は知らなかったと思われます。



ゲノム法案に最後まで反対した議員の父が
DNA採取されたということでニュースになっています。
法案によるDNA採取はもう始まっていて、
暗殺計画の実行はギリって具合だったわけですね。

研修旅行の日程がもう少し遅ければ、
カナタたちもDNA採取されていたはずですし、
もしかしたら日程そのものを早めた可能性もありますね。



惑星アリスペードの生物の特徴が単為生殖であること。
単為生殖とは個体がクローンを作って子孫を残すタイプ。
これはカナタたちの存在を暗喩していたと思われます。

人間は単為生殖ではないがクローン技術ならば、
親が2人揃っていなくても可能であると。

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☆6話


ウルガー兄が殺された理由は、不正疑惑の献金から
クローンの存在、および100年の歴史捏造を知ってしまい、
王から政治家のマルコ・エスポジトへ指令が下り、
謀殺という流れに至った?

そう考えれば、秘密を持ち帰ったカナタたちの立場も
相当危うい状態でしたね。

先にオリジナル、特に王の逮捕を済ませていた、
というのが大きかったかと。

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☆7話


疑いをかけられたシャルスのとっさの嘘話。
一部真実を交えているから上手く嘘話が作れたのでしょう。

一度疑われる→疑惑を晴らす→次は疑われにくくなる
このパターンは一種のミスリードですね。

まあ、これがあってもなくても、
シャルス以外に考えられなくね?とも思いますがw

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☆8話


コールドスリープ状態から起こされたポリ姉。
衰弱っぷりを考えたら12年のはずがないw
実際には112年もコールドスリープしていたからw



ポリ姉は目が覚めてカナタたちを見て、
助けがきたので地球に帰れると言います。

でもカナタの方からは地球という言葉は出てきませんw



今の西暦を聞いて慌てふためくポリ姉。
地球が滅亡した時期を過ぎているわけで。

ポリ姉「なにも起きてないの?」
ユンファ「なんのことですか?」
ポリ姉「なにも起きなかった…?」


言葉足らずwww
この時点で、もっと話し合っていたら、
早い段階でカナタたちの住んでいる星が
地球じゃないと気づいていたw
 
 

この惑星に住む植物は心臓のような器官があって動く。
原作漫画ではその説明に、
自転周期と公転周期が同じで太陽の位置が動かないから、
植物は自分で動いて太陽を求める習性を身に着けた、

と書いてありました。

って、これは伏線でもなんでもないですねw



ポリ姉の一言でキトリーとフニが見た目が似ているから
本当の姉妹ではないの?という疑惑からDNA検査を
するわけですが…。

この後で全員がクローンであることが発覚、
しかし原作ではキトリーとフニだけでは情報不足であると、
ザックが所持していた父親の吸い殻入れのタバコと、
ユンファが間違えて(←おっちょこちょい設定が生きていたw)
持ってきてしまった母親のハブラシから、
DNA鑑定してアタリになるというシーン
があります。

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☆9話


ここでクローンを作った目的が
記憶移植の若返りが目的と明かされます。

原作では、この話より以前に
ザック父の記憶移植の研究が、同じDNAでなければ実現不可能、
一卵性双生児なら可能だがそれをするメリットがないと、
学会からも見放された研究である
という話があります。

それがクローンへの記憶移植の伏線でした。



クローン抹殺計画を立てたやつらの密談。
死体を調べられたら困るから宇宙の彼方に飛ばす計画でしたが、
この世代も100年前の真実は知らないので、
人工ワームホールの存在は知らず、
「いつの間にあんなものが作られていたのか」
と言っています。



クローンであると発覚して、
カナタが他のメンバー1人1人に心境を尋ねるシーン。

「お前は強いな、シャルス。
俺たちのことがわかってショックじゃないのか?」


「ショックさ、もちろん」

はい、嘘www
シャルスは最初から全部知っていたやろがwww


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☆10話


アストラ号の通信装置を壊したのはシャルスですが、
何故これが手際よくできたのか?

原作では本当の歴史を秘匿し続ける王家には、
当時、探索に使われていたアーク号の1つが保管されていて、
シャルスはアーク号の内装の知識を持っていたから
とわかります。

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☆11話


アリエスの名前は王女セイラの逆読み。
いわゆるアナグラムです。

実はこの作品、アナグラムは他の場所でも使われていました。
アナグラムというのは逆読みだけじゃなく、
文字の配列をランダムに変えることも意味しています。

アストラまでの航行で
これまで立ち寄ってきた惑星名がアナグラム形式!


第1惑星ヴィラヴァース、
居住できそうですが、ドラポンのような危険な動物もいて、
永住には適していない惑星でした。

ヴィラヴァースは『VILAVURS』と書き、
文字配列を変えると『SURVIVAL』
サバイバル(=遭難)になります。


第2惑星シャムーア、
毒キノコの胞子であわや全滅しかけましたね。

シャムーアは『SHUMMOOR』と書き、
文字配列を変えると『MUSHROOM』
マッシュルームになります。


第3惑星アリスペード、
これまでの過酷な惑星から一転して桃源郷のような環境で、
帰りたい症候群のキトリーに「ここであんたら全員と暮らす」
とまで言わしめました。

アリスペードは『ARISPADE』と書き、
文字配列を変えると『PARADISE』
パラダイス(=楽園)になります。

ちょうど5話のサブタイトルもパラダイスでした。


第4惑星イクリス、
動く植物によってアストラ号から絡め取られ、
そのまま墜落して航行不能という危機を迎えました。

イクリスは『ICRISS』と書き、
文字配列を変えると、『CRISIS』
クライシス(=危機)となります。

第5惑星ガレム、
鉱物や動物が光源を持っていて、淡い光に包まれています。

ガレムは『GALEM』と書き、
文字配列を変えると『GLEAM』
グレーム(=淡い光)になります。

以上、アナグラムの話でした。
 



クローン体で血は繋がっていないけど、
娘に大きな愛情を育んできたアリエスの母エマ。

子にかける母性とは腹を痛めたからこそ可能と言われ、
それは代理母でも出産の過程は同じだからですね。

一方、男親は女親よりも子への愛情が薄いのが一般的。
種漬けするだけですからw
(あくまで一般論であってすべてではない)

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☆12話


比較的安定で食料採取も簡単だった惑星ガレム。
地球人がここを居住地としなかったのは、
すぐ近くにより良い環境のアストラを見つけたから?



背後に映っているアストラの世界地図。

日本の形は違うし、
オーストラリアの位置はズレまくっているし、
ロシアとアメリカ大陸が陸続きだしw


よくまあ、まったく違う星の土地を、
ここまでオリジナルの地球に似せたなと
開拓世代の頑張りを評価したいw


以上、途中、伏線から逸脱しましたがw
これにて彼方のアストラの総評を終わります。
 
 

 

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