養育費 子供 2人

シングルマザーによる離婚講座

離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。

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子供2人の養育費をより高額かつ安心して受け取る方法


子供2人を連れて離婚することになり、それに際し、養育費について夫と話し合いをこれからする。

 

その際、次の様な疑問などを持たれる方も多いでしょう。

 

「養育費の金額はどれくらい?」

「いつまで受け取れる?」

「子供2人だと養育費も2倍?」

「支払いが滞らないか心配」・・・など

 

ここでは子供2人の養育費を取り決めるにあたり、適正な養育費をしっかりと受け取る為に知っておくべき事を取り上げています。

 

養育費は子供の健やかな成長の為にも欠かせないお金です。

 

前もって必要な知識を押さえておきましょう。

 

 

養育費とは具体的に何?

養育費とは、未成熟子が経済的に自立した社会人として、成長するまでに必要とする全ての費用のことです。

 

具体的には次の様な費用です。

 

  • 通常の衣食住の費用
  • 教育費
  • 医療費
  • 適度な交際費・・・など

 

これら子供の成長に為に必要な費用は、離婚後子供と一緒に生活し、監護・養育している親だけでなく、他方の親も負担すべきとするのが法の考えです。

 

よって、子供と一緒に生活しない親でも、子供を実際に監護・養育している親に対し、養育費を支払う義務を負うのです。

 

 

親の未成熟子に対する扶養は絶対的

親は未成熟子に対する扶養義務は「生活保持義務」とされています。

 

生活保持義務とは、お互いに同程度の生活レベルを確保する扶養義務であり、よく「一個のパンを分かち合う義務である」と例えられます。

 

ですので、子供と一緒に暮らすか否か、離婚後子供と定期的に会えるか否か、などに関係なく、養育費は当然に親として分配する必要があるのです。

 

 

養育費はいつまで請求できる

先ほど、養育費とは「未成熟子」が「経済的に自立した社会人」として成長するまでの費用とお伝えしました。

 

ですので「未成熟子=未成年」という図式が必ずしも立つ訳ではありません。

 

あくまで「経済的社会的に自立」する迄です。

 

とはいえ、いつの時点で経済的社会的に自立と言えるのかは難しい問題ですし、離婚時に子供が小さい場合は、将来の子供の進学や生活の見通しが立ちにくいです。

 

よって一般的には20歳になる迄が、養育費の支払い期限となります。

 

ただし子供が高校卒業後に就職し、経済的社会的な自立が十分にできるケースなどは、高校卒業時に養育費の支払いが終わることもあります。

 

子供が大学に行くケースでは、大学卒業迄、つまり子供が22歳の3月まで、等とすることもあります。

 

 

 

子供2人の養育費はいくらもらえる

基本的に養育費は、離婚成立時の親の経済状況を踏まえて決定されるものなので、法律で一律に決まっているわけではないです。

 

よって、夫婦の合意により自由に決める事ができるのです。

 

ですが、何か目安となるものがないと、なかなか決められないと思います。

 

そこで現在、養育費を決める時の参考資料として利用されているのが「養育費算定表」です

 

養育費算定表とは、東京・大阪の裁判官が標準的な養育費を簡易迅速に算出できるようにした書類です。

 

家庭裁判所の審判や裁判で養育費が決められる場合、この算定表から算出される金額に近いことがほとんどです。

 

ですので、この養育費算定表の額が養育費の相場の金額として、捉えることができます。

 

 

子供が2人だと養育費は倍になる!?

養育費算定表で算出する為に必要なデータは4つだけです。

 

  • 養育費の支払い義務者の年収
  • 養育費の権利者の年収
  • 子供の年齢
  • 子供の人数

 

そして実際の養育費算定表は

 

  • 子1人表(子0~14歳)
  • 子1人表(子14~19歳)
  • 子2人表(子0~14歳)
  • 子2人表(子14~19歳)
  • 子3人表(子0~14歳)
  • 子3人表(子14~19歳)

 

以上のような6つの表があります。

 

これを見た方のなかには「なぜ子人数ごとに表があるの?子供が2人であれば、単純に子1人表の額の倍にすればいいのでは?」と思われたかもしれません。

 

残念ながら、子供が2人いるなら2倍、3人いるなら3倍とはならないのです。

 

実際に例を出してみましょう。

 

次のようなケースで、子供が1人の場合と、2人の場合の養育費額を算出してみましょう。

 

【ケース】

支払い義務者の年収:550万円

養育費の権利者の年収:100万円

子供の年齢:いずれも14歳以下

※義務者・権利者共に給与取得者

 

算出された額】

子供1人の場合:「約60,000円」

子供2人の場合:「約88,000円」

 

これを見ると、確かに子供が1人よりは2人の方が養育費の金額は高くなりますが、倍には及びません。

 

 

子供2人の場合の算定表の額

それでは、先程とは違うケースで、子供2人における養育算定表から算出される金額をいくつかご紹介します。

 

 

権利者の年収が0円、子供2名共に0~14歳の場合
義務者の年収 養育費(月額)
300万円 約60,000円
400万円 約80,000円
500万円 約100,000円
600万円 約116,000円

 

権利者の年収が100万円、子供2名共に0~14歳の場合
義務者の年収 養育費(月額)
300万円 約44,000円
400万円 約60,000円
500万円 約80,000円
600万円 約96,000円

 

権利者の年収が0万円、子供2名共に15~19歳の場合
義務者の年収 養育費(月額)
300万円

約70,000

400万円 約90,000円
500万円

約110,000

600万円

約133,000

 

権利者の年収が100万円、子供2名共に15~19歳の場合
義務者の年収 養育費(月額)
300万円

約50,000

400万円 約70,000円
500万円

約90,000

600万円

約110,000円

 

権利者の年収が0万円、第1子15~19の場合、第2子0~14歳の場合
義務者の年収 養育費(月額)
300万円 約65,000円
400万円 約85,000円
500万円 約105,000円
600万円

約12,500万円

 

権利者の年収が100万円、第1子15~19の場合、第2子0~14歳の場合
義務者の年収 養育費(月額)
300万円 約48,000円
400万円 約65,000円
500万円 約85,000円
600万円

約105,000

 

ご紹介したケース以外の金額は、裁判所のホームページから養育費算定表をダウンロードしてして知ることができます。

 

算出方法もダウンロード先に詳しく載せられています。

 

 

 

適正な養育費を受け取るには

養育費算定表から算出される金額をご覧になられて、あなたはどう思われましたか?

 

子供2人の養育費としては、正直少ないという印象をおそらく持たれると思います。

 

ですので、養育費算定表から算出される金額より、少しでもいいから加算させたいと思われるでしょう。

 

そこで少しでも多くの養育費を受け取る為に、すべきことをお伝えします。

 

 

児童扶養手当は権利者の収入にいれない

離婚後、実際に子供を監護養育する者の経済状況に応じて、児童扶養手当や児童育成手当などの受けられることがあります。

 

問題となるのが、それらの公的手当を養育費の算定の際に含めるか、についてです。

 

児童手当や児童育成手当は、子供のための給付金なので、子供を監護養育する者の収入ではありません。

 

よって公的手当は養育費の算定の際には考慮しないので、養育費算定表で算出する際は、権利者の収入に加算しません。

 

 

養育費算定表を利用する際の留意点

先ほどお伝えした通り、養育費算定表で算出する際の必要なデータは、父母の収入、子供の人数と年齢だけであり、ほとんど機械的に算出されています。

 

しかし、各家庭で抱える事情はさまざまです。

 

たとえば、子供を私立の学校に通わせたい、子供の部活は遠征が多くその費用負担が大きい、持病であまり働けない等です。

 

抱えている事情によっては、養育費の妥当額は当然変わってきます。

 

よって夫婦での話し合いの段階では、あまり養育費算定表の算出額にとらわれる必要はなく、柔軟に決めればいいのです。

 

あくまで、判断材料のひとつとして参考にしましょう。

 

 

相手の収入を正確に把握する

養育費算定表は、相手の年収が多ければ多いほど、受け取れる養育費は高くなります。

 

ですので、相手が養育費の話し合いをする際に、実際の年収より、少なく伝えてくる可能性があります。

 

それを防ぐ為にも、しっかりと相手の収入を把握しておくべきです。

 

相手の収入を正確に把握する方法としては、源泉徴収票の「支払金額」を見る。(給与所得者の場合)

 

または相手の給与明細を見て確認しましょう。

 

 

子供2人がこれから実際に掛かる教育費を主張する

2人の子供が幼ければ、教育費はまだ少額で済みますが、小学、中学、高校、大学になるにつれ、高額になってきます。

 

実際に必要となってくる教育費の現状を見ると、養育費算定表から算出される金額では到底足りません。

 

例えば、子供2人が大学に進学し、2人ともが私立に在学中である場合、授業料だけで年間約240万円です。(※平成28年 学生生活調査結果 独立行政法人 日本学生支援機構の統計より)

 

奨学金やアルバイトなどで補うとしても限度があります。

 

ですので、これから掛かる教育費をエクセルなどの表にまとめ、それ元に養育費の交渉をしましょう。

 

何も資料がない状態で相手に教育費が掛かると主張するよりは、ある方が相手の理解を得られやすいです。

 

※相手への交渉の仕方に関しては「より多くの養育費をもらう為の交渉法はコレです」もご覧ください。

 

 

養育費について合意が出来ない場合

夫婦で話し合いをしたが、相手が養育費の支払いを拒否する、または養育費の金額などで折り合いがつかない。

 

その場合は家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしましょう。

 

離婚調停の場、調停委員という中立的な第三者を交えて、養育費等について話し合い、問題解決を目指します。

 

離婚調停についての詳細は「協議離婚ができない場合の次のステップ離婚調停を分かり易く解説」をご覧ください

 

 

 

何も対策しなければ養育費はいずれ不払いになる

養育費の受け取りは一括ではなく「分割」で受け取るのが基本です。

 

なぜなら、子供の養育費は、成長段階に必要な監護養育の需要を満たすものでなければならないと考えられているからです。

 

子供の年齢が低ければ低いほど、養育費を受け取る年月は長くなります。

 

妊娠中に離婚する場合は、養育費の受け取り期間が20年以上になることもあるのです。

 

この様に長きに渡り受け取ることになる養育費ですが「当然ながら相手は、毎月きっちり払ってくれるだろう」と思ってませんか?

 

実は養育費を継続的に受け取れている家庭は、2割にも満たないのが現状なのです。

 

よって養育費について何も対策をしないでいると、受け取れなくなる可能性が高いのです。

 

 

養育費不払いを防ぐ最善の方法

口約束はその受け取れなくなる典型です。

 

では養育費の不払い対策はどうすればいいか?

 

最低でも、養育費の取り決め内容をしっかりと書面に残し、証拠を残しましょう。

 

その証拠を残す方法で、最も安心なのは「離婚公正証書」を作成する事です。

 

離婚公正証書を作成する最大のメリットは、もし相手が養育費を払わない場合、直ちに相手の財産を差し押さえが出来るところです。

 

そして差し押さえた財産から、不払いとなった養育費を回収することが可能なのです。

 

通常なら、養育費の取り決めをまとめた書面をを元に裁判を起こし、「書面で合意した養育費を払え」という判決をもらって、ようやく相手の財産の差し押さえが出来るのです。

 

つまり離婚公正証書にしておくことで、わざわざ裁判をすることなく、初めから相手から養育費を回収できるのです。

 

※離婚公正証書についての詳細は「離婚協議書を公正証書にすることで効力は絶大となります」をご覧ください。

 

 

 

まとめ

今回は子供2人の養育費を取り決めるにあたり、適正な養育費をしっかりと受け取る為に知っておくべき事を取り上げました。

 

「子供が2人だから養育費は1人の場合の倍を受け取りたい」という要望は、なかなかハードルが高いのが現状です。

 

よって少しでも多くの養育費を受け取る為にも、今回お伝えしたことを参考にして頂ければと思います。

 

また合意出来た養育費は、決して口約束では終わらせず、離婚公正証書などの書面に残すようにしましょう。

 

長くなりましたが、最後までご覧頂きありがとうございました。

 

まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら

 

 

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