土曜日の焼きそばパン~ラビ村の秘められた過去? | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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麦茶、家で作ってる?

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六月に入り、日中は暑くなりましたね~。

 

  暑くなると、麦茶の美味しい季節ということにもなります。

 

  麦茶の話ではないんですが、先週末、末っ子と買い出しに出かけた時、昔懐かしい焼きそばパンを

 

 見つけました。

 

 もし良かったら、何故、懐かしいのかご覧頂けると嬉しいです。

 

お願いコーヒーホットドッグ左ホットドッグ真ん中ホットドッグ真ん中ホットドッグ右土曜日の焼きそばパンメロンパン爆  笑

 

 

  スーパーで昔懐かしいパンを見つけた。焼きそばパンである。私の脳裡に、ある風景が蘇った。あれは中学生のときだから、随分と昔になる。当時、私はテニス部に所属していた。物心ついたときから、体育の授業が楽しいと思ったことは一度もない。
 ところが、母の方針で何とテニス部に入ることになってしまった。しかも、テニス部はハードな練習で有名であった。当時、アニメの影響もあり、テニスブームで、そのせいか、テニス部も部員が膨大だった。数十人の部員に対して練習用コートはたった二面。運動音痴で、将来的に選手になれる見込みも薄い新入りはコートの土ならしか、良くてネット打ちが許される程度だ。
 ちなみに、ネット打ちはコートの周囲に壁のように張り巡らせたネットに向かい、ボールをラケットで打ち付ける単独練習だ。これが二年生になると、周囲のネットではなく、コートにある本物のネットで練習できるようになる。




  放課後、陽が落ちる時間まで、ひたすらネット打ちに明け暮れる毎日はけして楽しいとはいえず、私は部活に行く時間が苦痛でならなかった。そんな中で、唯一の愉しみが土曜日の部活だった。何故かといえば、土曜は給食がなく、弁当持参になるからだ。母が忙しい時、お金を貰ってパンを買う日が殊に愉しみであった。
 中学校の隣に、小さな雑感屋さんがあった。今でいうコンビニのようなもので、安価な文具から総菜パンなど、色々な品が置いてある。私は大抵、そこで焼きそばパンを買った。焼きそばとパンという一見ミスマッチな組み合わせが実は絶妙に美味しいと初めて知ったのも、そこで買って食べてからである。
 たまに買う焼きそばパンは、土曜日の一番の愉しみといえた。雑貨屋にはいつも小柄なお婆さんがいて、買いに行くと愛想よく対応してくれた。たまには、ちょっとした文具、消しゴム、シャーペンの芯をを買った。
 数十年後、我が子が同じ中学に通うようになり、たまにパンを買うときにはその店で買っているという話を聞いた時、嬉しいような懐かしいような、何ともいえない気持ちに囚われたものだ。
「優しいお婆ちゃんはおるかな?」
 訊ねたけれど、店番をしているのは中年の女性とのことだった。数十年前に既に老齢だったのだから、現在生きておられても相当の高齢だろう。無理もない。
 第一子が中学生だった頃はまだ営業していたそのお店も現在、末っ子が中学生になった今は営業はしていないという。シャッターの降りたそのお店の前を今でも通りかかる度に、あの焼きそばパンの滋味と優しかったお婆さんの笑顔がありありと蘇る。
 今日、スーパーで見かけた焼きそばパンを買い、家に帰って食べてみた。ひと口囓った時、懐かしさのあまり涙の塊が湧き上がった。