こんばんは。

開運神社アドバイザーの晴彦です。


師走に入り今年も残り一ヶ月を切りましたね。

今日は良いお天気で良き事の始まりを意味する天赦日でもありました。

本日、下鴨神社公文所で行われた糺勧進能シンポジウムに参加してきました。





糺勧進能とは、平成27年に「偽りをただす」の意味ともされる糺の地で550年ぶりに再興された能楽です。

前回は見られませんでしたが、賀茂御祖神社(下鴨神社)第34回式年遷宮奉祝、観阿弥生誕680年、世阿弥生誕650年を記念して勧進能が行われました。

今回、東日本大震災後に福島県から起こったアート展示に関連して、12月16日(土)、福島ゆかりの能楽「安達原」が上演されるにあたり、「糺の地の芸能と現代―祈りと舞台芸術、能楽の可能性」というテーマでシンポジウムが行われました。

コーディネーターは濱崎加奈子さん、パネリストはアートディレクターの榎本了壱さん、能楽師ワキ方高安流の有松遼一さん、日本学術振興会特別研究員の原瑠璃彦さんにより二部構成で開催されました。

演目の安達原(黒塚)は「道成寺」「葵上」とともに三鬼女と呼ばれます。

個人的にはシンポジウム第2部『能《安達原》の可能性―鬼・女・東北』で語られた内容に幾つか興味深い再発見がありました。

実際に用いられる般若の面を見せられましたが、女性の恨みや執着を表現して恐ろしさを感じさせ、一方で光の当たり具合や角度によって人間の悲哀を感じさせる奥行きの深いものです

詩章の解説では前半でシテの哲学的な語りと秋のもの寂しい風情について、後半は鬼女と化す女の凄まじい変化の表現について触れられました。

当時の京の都からみて鬼門である東北にあたる陸奥の地のイメージと、鬼、女にまつわる人生の事象の意味深さを味わえる演目です。

現在、福島県二本松市である安達原で、旅人を襲っては喰らっていた鬼婆伝説をベースにした演目ですが、東日本大震災にまつわる悲劇と重ね、神の舞い降りる糺の地で勧進能が神々に奉祝されることは意義深いものがあります。

シンポジウムの終了後、本殿を参拝させて頂いてから周りを散策しました。





舞殿に有頂天家族2のたぬきがいました。










紅葉はちょうど見頃です。


舞殿そばの橋殿で17日までの間、関連展示「語りがたきものに触れて」も公開されていますので、上演とあわせて足を運ばれた方はご覧になられてはいかがでしょうか。


最後までご覧頂きありがとうございました✨