井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

もはや伝統芸能の「現代音楽」

2019-01-17 19:11:00 | 音楽
フェイスブックというのが苦手である。仕組みがよくわからないのである。

が、懐かしい人に出会える媒体でもある。
特に、大学の先輩が友達申請などしてこようものなら「これを断るなんて」ことはできない。

それで、最近友達になっていただいた作曲科の先輩から聞かせてもらった話である。

その先輩作曲家は受験指導もされていて、現在の学生や院生に元生徒さんも何人かいるのだそうだ。

我々が学生だった頃から、かれこれ40年くらい経つ。
だが、現在の東京芸術大学の作曲科学生の作品の発表を聞かせてもらうと、我々の時代とほとんど変わらないスタイルの曲をいまだに作っていてびっくりするという。

かつてベートーベンから40年経つとシューマン、リスト、ワグナーの時代だ。

一方、我々の学生時代から40年遡れば戦争中。橋本国彦、信時潔の時代である。
学生時代に聞いた山田耕筰の話なんて、今思う感覚と同じで大昔の話と思っていたけど、よく考えたら20数年前程度の話だった。

つまり1940年代から1970年代は大幅に変化した作曲様式が、どうもそこでほとんど止まっているようなのだ。

それが聴衆の心を掴んで離さないスタイルならば良いのだが、そうではなくていわゆる「現代音楽」。このほとんどの人が積極的には楽しまないスタイルを40年も作り続けるとは、もはや伝統芸能化しているぞ、と先輩はのたまわった。

伝統芸能の「現代音楽」と考えると、修行のためには良いのかもしれない、と少々愉快になってしまった。

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