もう日本全国の人達が知ってるとは思いますが、先日5月23日未明、女子プロレスラーの木村花選手が逝去されました。
5月23日当日の深夜、しばらく別の作業をしていてふとTwitterのTLを見たら、何か騒ぎになっているのがわかりました。どうやら木村花を心配している人達が多数いて、本人が自傷をしたような書き込みがあったり、それを見たフォロワーの方々が通報したり関係者に連絡したり、という騒ぎになっていました。自分が気付いたときにはかなり沈静化していたようなので、心配しながらも霜降り明星のANN0を聴きつつ床につきました。
そして、朝(というか昼)起きてiphoneを見たらすでに訃報が流れており、驚いた、というか現実感がまったくないような感覚に襲われました。数時間前にTwitterに書き込みをしてた木村花がもうこの世の人ではないという事実がうまく頭に入ってこないというか。数日経ってさすがに現実だと思えてきましたが、ずっとふわふわしていたように思います。
スターダムをさほど見ていなかった自分ですが、木村花については数回見た印象でも才能を感じたし、あと5年経ったら当然のように女子プロレス界を引っ張ってるんだろうな、とボンヤリ思ってました。表現者としての能力、そして身体能力。プロレスのテンポ、巧さ。誰もが認めていたと思いますが、この子には明るい未来しかないんだろうな、と思ってました。スターを約束された人生を歩いていくんだろうな、と。それだけに残念だし、辛い事実になってしまいました。
スポンサードリンク
このニュースをネット上で確認して、SNSを巡回しているともう夕方になっていました。そして、そのときこの日の夜20:00からチョコプロの試合があり、朱崇花が初登場することを思い出しました。
チョコレートプロレス・16
— Emi Sakura さくらえみ (@EmiSakura_gtmv) 2020年5月22日
2020年5月23日(土)20時(JST)
◆朱崇花vs駿河メイ#gtmv #chocoprohttps://t.co/cJnGUyj6sN pic.twitter.com/Zgs0ySZuRz
そして木村花の友人である彼女が早朝に彼女の死を悼み、後悔しているようなツイートも見ていたので、さすがに今日は中止かな?と思ってました。
ごめんなさい救えなかった
— 朱崇花🥀VENY (@asuka10272140) 2020年5月23日
4日前電話一本しておけば何か変わったのかな
花、なんで死を選ぶの
しかし、さくらえみのツイートを見ると試合は行う、ということ。正直、友人を失った当日の試合ということもあり、辞めといても・・・。と思いつつ20時の開始を待ちました。
そしてYOUTUBE配信開始。この興行は全部アーカイブされているので、ここから一通りご覧ください。そしてその後このあとの文章も読んでいただけると幸いです。
YOUTUBE LIVEを再生すると登場したのはさくらえみ。冒頭で木村花の事に触れて黙祷から配信は始まりました。
そして様々な気持ちで見ているファンの人々に向けて、今日はチャットに好きなことを、好きなように、思ったことを素直に書いて欲しい。いろんな国のいろんな年齢のファンが見ているチョコプロ、自分のコントロール出来ない気持ちを書くことでスッキリすることもあると思うので、自分に合わない、という意見があったらミュートして欲しい、とチョコプロの基本理念のようなものを説明。
いつもではありますが、この日だからこそ色んな思いを受け止めたい、というさくらえみの気持ちを感じました。
そして、この日のチョコプロは全二試合。カード発表をスッカリ忘れていたというさくらえみ。超直前の発表になってました。
- バリヤン・アッキ&水森由菜VSアントーニオ本多&藤田ミノル
- 駿河メイVS朱崇花
前回のチョコプロで思う存分ぶつかり合ったアッキとゆなもんのタッグとアントン&藤田の安定感タッグ(さくらえみが「彼らが自由なのが不安」とこぼしてましたが)と、初登場朱崇花とメイのシングル。基本2~3試合のチョコプロ。この日は全2試合!そして試合開始前にまずはみんなでスクワットから!運動不足解消!
バリヤン・アッキ&水森由菜VSアントーニオ本多&藤田ミノル
個性の塊、藤田ミノル&アントーニオ本多組にバリヤン・アッキ&’水森由菜組が挑むこの試合。藤田プロレス・スクールTシャツでキメた二人。ちなみに同級生の二人、タッグチーム名は「東京失恋学園」だそうです。なぜ失恋。
試合はアッキと藤田のロックアップから始まり、腕を取り合う正統派なスタート。多分この4月~5月日本で一番沢山試合してる男子レスラーバリヤン・アッキ。ヘッドロックを締め上げ優勢に。しかし藤田も返してボウ・アンド・アローで上げようとしますがヒザの痛みで上げられず。アッキもお返しに上げようとしますが藤田が重くて上げられず。そしてゆなもんとアントンのマッチアップになってから試合はどんどん怪しい展開に。徐々にカメラに向かってくるアントン、そしてさくらから「ギブアップ?」と聞かれたアントン。すかさず一言
「ぎ・・・ぎ・・・ギブア・・アルコール中毒」
その後もゆなもんの髪を掴んで自分の眉に当て「両津勘吉」などやりたい放題。タッチした藤田も竹刀ローラー攻撃で攻め込みますが、飛び越えそこなったゆなもんにダメージを与えるもレフェリーさくらえみにも当たる大惨事。なんだかんだでどさくさに紛れて反則三昧の東京失恋学園がペースを握ります。
その後も、アントンがモノボケでレフェリーの目をひきつけているスキに藤田がゆなもんの手を竹刀でペチペチ攻撃!極悪非道!反則三昧!バスケットボールまで持ち出してやりたい放題。さくらえみの「いつもより沢山の人が見てるんだよ!」という小言もなんのそのです。
しかし、やられてばかりではいられないゆなもん。竹刀で襲いかかったアントンをバックスピンキックで吹っ飛ばしてようやくアッキにタッチ。窓枠からのボディアタックはかわされますが、壁に振られてからのボディアタックでペースを握り返します。
その後は一進一退の攻防。藤田がゆなもんに見せつけるように”トロピカルヤッホー”ボディアタック、互いにエルボーの打ち合いからアッキがスピンキックからの丸め込み、藤田のエルボー、アッキの変形逆エビ固め。この逆エビはかなり藤田を追い込みますがなんとかロープ、というかマット(マットのはじっこをタッチすればエスケープなのです) 再びのエルボー打ち合いで互いにグロッキーになってからアッキがゆなもんにタッチ。ここからのゆなもんが凄かった。
気合のエルボー連打!連打!ボディはお留守から机に叩きつけられますが、負けずに机で反撃。机の上からのボディアタック、再びのボディプレス、アッキとの合体式ボディプレス(トロピカルナマステ!)
カウント2!その後アントンごんぎつね劇場、ゆなもんがラリアットで藤田を攻め込む場面もありましたが熱闘の末20分時間切れ引き分け!おもしろ激しいプロレスがあっという間に駆け抜けていきました。ジェットコースタープロレス!
スポンサードリンク
駿河メイVS朱崇花
そしてメインは駿河メイと朱崇花のシングルマッチ。この試合、なんと20歳と21歳の一つ違い対戦。そしてこの身長差!
手四つの対決でも身長差で圧倒する朱崇花。身長差で届かないメイ!ジャンプしても届かない!完全に弄ばれたメイ、窓枠に飛び乗ってのアームホイップも通じず、朱崇花に投げ飛ばされるメイ!しかし反撃のかわいいポーズ抑え込み!
そして再び対峙した二人、今度はメイが「老け顔が!」とシンプル悪口。そこから攻め込もうとしますがムカついた朱崇花が髪を掴んで投げ飛ばし、ボディスラム、エルボードロップから踏みつけフォール。やはりキャリアにも体格にも勝る朱崇花が優勢に試合を進めていきます。
再びボディスラムからボストンクラブで締め上げるもメイなんとかエスケープ。ヘッドロックで締め上げ、フロントネックロックで締め上げ、とにかく攻めまくる朱崇花ですが、大柄な朱崇花には市ヶ谷は狭すぎるのかエスケープされてしまいます。
しかし劣勢のメイ、市ヶ谷チョコレート広場の地の利をフルに活用した攻撃で反撃!窓枠を利用したアームホイップから、なんか設置されてたレールみたいなやつを利用したウラカン・ラナへ。これ何なんだろ?
その後もアキレス腱固め、レッグロックで攻め込むメイ。とにかく手足の長い朱崇花の足を責める戦法で徐々に試合の主導権を握っていきます。とにかく元気!
しかし、その後突っ込んでいったところをドロップキックで迎撃され、チョップからのトラースキック!これがクリーンヒット!
しかし次はよけたメイ、エルボー連打で攻め込むも朱崇花のエルボー一発で吹き飛ばされる、とにかくパワーの差は歴然としているので手数で対抗していくメイ。朱崇花も倒れたメイの顔面を踏みつけるなど非情な攻撃をしていく中、なんとまさかのデコピンで対抗するメイ。しかし朱崇花もブレーンバスターで投げきり、その場飛びムーンサルト!カウント2!
残り時間が少なくなる中、ブレーンバスターをこらえての丸め込み、スクールボーイ、スリーパーからの丸め込み、ほうき星(後ろに飛び乗ってからの外道クラッチ)もカウント2!そしてまさかの竹刀攻撃!
しかし朱崇花もカウンターのスピンキックで反撃、メイも丸め込みで反撃、両者が意地を張り続けたまま、最後はメイのダイヤル固めをアンクルロックで返した朱崇花、ブレーンバスターで投げようとするもそれを返して丸め込んだメイ、カウント2!そして時間切れのゴング!結局20分時間切れ引き分けでメインイベント終了しました。いや~、ノンストップ!面白かった!
スポンサードリンク
今日二試合とも面白かったし、こんな日だけどいいもん見たな~、と思ってたらさくらえみ登場、そしてまさかのダメ出しに!
さくら「あのね!何やってんの?私達は誰が強いか知りたくて試合をしてるよね!誰かが勝ち、誰かが負け、悔しかったり楽しかったりしながらプロレスをやってるのに今日チョコプロ16,二試合引き分けってどういうこと?私が見たいプロレスが見れなかったのよ!3カウント叩けなかったのよ!
大体メイちゃん!朱崇花!甘っちょろいことやってんじゃないわよ!」
そしていつものジャンケントーナメントへ。商品はチョコレート!そして決勝戦はこの二人!朱崇花vs藤田ミノル!
朱崇花「そのサングラス割ってやるよ!」
藤田「ジャンケンなのに!?」
勝者、藤田ミノル!
空気を読まずに最後に主役になった藤田ミノル。そしてチョコプロ恒例の全員での手洗い、そして「一番好きな人の名前をさけぼう」を歌っての締め。ここでさくらえみが朱崇花に目配せしたようでした。そして締めのあとに一人残った朱崇花がゆっくりと話し始めます。
えー、ちょっと座ってもいいですか?
(座る)
ええと...。
今日、私の、大親友の、木村花が、ええと...。亡くなってしまいました。
ずっと、タッグを組んでて...。ほんとに彼女がデビューしたての頃、したての頃というか、デビュー興行にも呼んで、そこからずっとお付き合いが続いてて、プロレス界で唯一と言って過言ではないくらいの親しい友達だったんですけど、あまりにも早すぎるお別れとなってしまって。
正直、試合をするまで本当に花のことが頭から離れなくて。もう、ちょっとプロレス...。今後のプロレスも考えちゃう。ちょっとどうしようかなとか考えちゃう、今日はそんな日だったんですけれども。
なんかやっぱり今日、今、試合をやってみて、もちろん花の、えっと、思いとかたくさんあるけど、やっぱりプロレスが好きだなっていうのは私個人的に、思いました。
きっと花も、ほんとにプロレスが大好きで、もっともっとプロレスをしたかったと思うけど、ええと、うん...。間違った選択肢を、選んでしまっちゃったよね...。
...。
また、FloÜrish(フロウリッシュ)として、えと、こんな、チョコプロさんの場ではあるんですけど、またフロウリッシュとして活動できる時を、ほんとにほんとに心待ちにしてたんだけど、もうそれが叶うことはなくなってしまいました。
だけど、えと、花は私の心の中で永遠に生き続けています。
フロウリッシュ・フォーエバー
この言葉を天国で、忘れないようにしてくれたら、私も前を向いて、プロレスを頑張れます。
どうか安らかに、天国でもあの素敵な笑顔をもっともっと見せてください
ほんとに大好きでした
ありがとうございました
と、締めようとしたところでチョコプロ勢が乱入!
さくら「今日はね!参戦してくれてありがとうございました!実はチョコプロはやってもやらなくても、いつやってもいい適当な団体なんですけど、今日朱崇花ちゃんに電話したときに「もしもし」「やります」って帰ってきたんで試合やろうと思いました!」
と、ワイワイやってから最後はほんとに明るく締め。いい興行でした!
2020年、5月23日は、木村花という稀有な女子プロレスラーがこの世を去った日として、記録に残ることでしょう。しかし、その同じ日に市ヶ谷でプロレス興行が行われ、YOUTUBEで世界に発信され、私のようなプロレスファン達が勇気づけられ、木村花の親友のプロレスラーも闘い、思いを語り、プロレスにいくばくか救われたかもしれない、ということもここに記録しておきたいと思います。
人の死、ということをすぐに消化できないし、消化する必要もないし、時とともに少しづつ慣れて行くものだと思うけど、このチョコプロがあってよかった。今そう思います。ウィーアー・チョコミーント!
今日という日にプロレスが出来て良かったです
— 朱崇花🥀VENY (@asuka10272140) 2020年5月23日
私の心の中であなたはずっと生き続けてる pic.twitter.com/eJaZ78hQR5
5月23日が終了しました。 我々は試合をしました。
— 藤田ミノル(FUJITA) (@Tgurentaifujit) 2020年5月23日
ただ言葉で上手く何かを伝えられません。
良いことより悪いことばかり目にするような気がするけど、我々は不幸になる為にプロレスラーになった訳じゃない。
そう願いたい。
ちなみにチョコレートプロレスことチョコプロは毎日YOUTUBEでなにかしら発信しています。詳細についてエントリに書きましたのでこちらをご覧ください。
そしてその大元、プロレスリング我闘雲舞についてはこちら。早く興行再開するといいな、という願いをこめつつ貼っておきます。