※日替わりオープニング曲を聴きながら読んでいただけると感情移入もなんとなくできて

楽しく読んでいただけると思います

すぐ終わってしまうので動画画面上で右クリックしてループ再生推奨

 

 

 

 

 

ワタルたちはドクタ-ベルケルの真の力を目撃したとき驚愕する
それはあまりにも邪悪だった
巨悪だった
誰しもがその巨悪に飲み込まれたと思った
しかしワタルたちの心は折れてはいなかった

それは張飛たちの存在があったからだ
張飛たちが自分たちの背中を押してくれていた

「くっ…!?」

「なぜだ!?」

「なぜそんな希望に満ちた表情をしていられる!?」
「貴様らに希望などないのだ!!!」


「圧倒的な戦力差はあきらか…!!!」
「頼みの助っ人たちも来ない…!!!」


「なぜ諦めぬ…!?」

「一体どこにそんな希望があるというのだ!!??」



「へへっ!」
「そんなことは決まってんだろ!」
バージェットは答える


「負けちゃいけない気がするんすよ…」

「ええ…」

ヨサクとジェニ-確信している

「なにっ…?」
しかしドクタ-ベルケルは何を言っているのか分からず顔をしかめた


「感じるよね?」

「うん」
「感じるよ」

ミネアとマ-ニャは確認しあう


「ぼくたちの背中を押してくれてる…」
「信じてくれてる…!」


「頑張れ…」
「負けんな!」
「信じてるぞって!!!」
ツバサは叫んだ



「だから何を言って…?」



「見えないか…?」
「俺たちの後ろにて背中を押してくれている者たちが…!!!」



そこには張飛たちがいた
張飛たちが背中を押してくれていた


ワタルたちが前へと進むと張飛たちの魂は元の戦場へと戻る


ドクタ-ベルケルはたじろぐ
しかし、すぐさま冷静になると怒声をあげた

「しゃらくさいわ…!!!」

「そんなことで私とお前たち虫けらとの、
力の差が埋まるとでも思っておるのか…!!!」

ドクタ-ベルケルの初撃がワタルを襲わんとす!


「貴様ごときたった1人でっ…!」
ワタルはドクタ-ベルケル渾身の初撃を剣で何とか防いでいた
しかし、流石に不が悪い
それを防ぎきれずに押し込まれようとする


「1人じゃない!」
「3人だよ…!!!」
そこには何とツバサとバージェットがいた

ワタルの剣を支えるように後ろから二人の剣と大戦斧が重なる
そして、3人の力を合わせてドクタ-ベルケルの拳を弾く!

しかし次の攻撃がワタルたちを襲う
ドクタ-ベルケルはニヤリとする
ヒットしたと思ったからだ

しかしそれは残像であることに気づく


「うふふ…」
「偽者にはご注意あれ♪」


「また貴様かぁぁあああ----!!!!」
ドクタ-ベルケルは荒々しく、ジェニ-に突っ込んで行く

「させないっすよ…!」
ヨサクはジェニ-を守るため攻撃をヒットさせる

「ちっ…!?」
ドクタ-ベルケルは一瞬苛々しく睨むと、
次の瞬間にはある攻撃が自分を襲う

「はぁぁあああああ-----!!!」

「いやぁぁあああああ-----!!!」
ミネアとマ-ニャの攻撃だ

二人の攻撃が終わった時…
またしてもワタル、ツバサ、バージェットが突っ込んでくる

「まだまだぁぁああああ----!!!!」

カキンカキンカキンカキン……!!!! 
双方の激しい死闘がなる
それは一瞬の出来事だった

それからしばらく互いの攻防が続く


「はぁはぁ…」
「はぁ…はぁ……」
ワタルたちは激しく息が上がっていた

「大丈夫か…?」
ワタルは声をかけるが、みんなは答える

「大丈夫だよ…!」
「でえじょうぶだ…!」
「大丈夫っす…!」
「大丈夫ですわ…!」
「大丈夫…!」
「大丈夫です…!」

ワタルはひと安心し、ドクタ-ベルケルへ再度挑もうとした頃…

「何だ奴らの得体の知れぬこの力は…」


「それに、肉弾戦は少し不が悪いか…」


そう言うとドクタ-ベルケルは両手を伸ばしワタルたちの方へ向けた


「?」
ワタルたちはドクタ-ベルケルが、
何をしようとしているの理解できずに困惑する



そんな時…


「魔導ミサイル発射ぁああ---!!!!」

!?

いきなり両手が開くとそこから魔導ミサイル発射が発射される!


「ちょっとぉ…!?」
ヨサクはすっとんきょうな声をあげる

ミサイルは次々と発射されワタルたちはピンチへと陥る

「くはははは…!」
「こんなミサイルなぞ食らったこともないだろう!」

「このぉ…!」
ツバサは一瞬の隙をつきドクタ-ベルケルに斬りかかる

「かかったな!」
ドクタ-ベルケルの目はキラリと光った
「サイバーネット…!」

「えっ…!?」
何とツバサは網にかかってしまう

「黒炎咆…!」
「魔導ミサイル…!!」
「魔導ランチャー-!!!」


「くっ…」
「あっ…!」
瀕死の状態で倒れそうになりながらも何とかその場に踏みとどまっていた


「ツバサぁーーーー!?」


「くくくっ…」
「まずはちょこまかと鬱陶しいお前の足から封じさせてもらった」


「それに仲間の心配をしてる暇はあるとでも思ってるのかね…?」


「くそぉぉおおお-----!!!!」
「はぁぁあああ-----!!!!」
「いやぁぁあああ-----!!!!」
ツバサ以外のみんなは果敢にドクタ-ベルケルへと斬り込んで行く

しかし、流石は魔界軍の幹部
致命傷を与えることができずにワタルたちの傷は増えどんどん体力が削られていく

「はぁ…はぁ」

「はぁ…はぁ…はぁ…!」
ワタルたちは立ちとまってしまう
そして息は完全に上がっていた


「さて…と」
ドクタ-ベルケルはにやりと笑う

「捕まえたぞ…」
「くくく…」


ワタルたちはドクタ-ベルケルが何を言っているのか分からない
しかし何か足元に違和感を感じる
足元を見たときドクタ-ベルケルの狙いが分かりま声をあげる

「しまっ…!?」

地面から飛び出た得体の知れない黒いものに足を捕まれていた




「死の…」

「エア-ズロックぅ゛…!!!」
ドクタ-ベルケルはそう叫ぶと大地に手をかざす!

ワタルたちは下からの猛烈なアタックを直撃で食らい吹き飛ばされてしまう
その威力はすさまじく黒いものを引きちぎり飛ばされてしまう

「ガハっ…!?」
「きゃあ…!?」


「さんざん溜め込んだパワ-だ…」
「さぞかし気持ちかろう?」


ワタルは憎しみの目でドクタ-ベルケルを見つめるがあることに気づく
それはダメ-ジを負っているが、
自分だけ黒いものに足を捕らわれたままだった
他のみんなは黒いものを引きちぎり地面に横たわっている

「くくく…」
「なぜ自分だけと思ったか?」
ドクタ-ベルケルは邪悪な顔でにやりと笑った
ワタルは何か背筋がゾクリとする…!
とてつもない悪意を感じた


「それはだな…」


気づけばツバサが足を引きずられている

「ツバサぁ!?」
ワタルは声をあげる

「ワ…タ…ル」
しかしツバサは瀕死の状態で声をあげることができない

「何をやって?」

その時なんとドクタ-ベルケルはツバサの足を掴みみんなのいる場所へと投げつけた!



「こうするためだよ!」

「ははははははっ!!!!!」


ドクタ-ベルケルは両手をかざす!
「魔導機関銃ぅ゛…!!!!」


「なっ…!?」


そう叫ぶと何と地面に横たわっている無抵抗のツバサやみんなにむかって魔導機関銃を発射した!

どどどどどっ!!!!
その場に魔導機関銃の発射音が無情にも響く


「はははははっ…!」

「あははははは!!!!」

「どうだ…?」


「どうだぁ゛…!?」


「大切な仲間たちが目の前でなぶり殺しに気分わぁ!?」



「やめろ…!」



ドクタ-ベルケルはそんなワタルを見て本当に嬉しそうに笑う


「はははははははっ…!!!!!」


ドドドドドっ…!!!!!
機関銃を放ちながらワタルを指差し笑う


「あはははははははっ…!!!!!」




「やめろぉっ!!!!!」



「その顔だ…!」
「希望からの絶望へと転落するその表情」
ドクタ-ベルケルはブルブルと身体を震わせ光悦にひたっている



「あっはははははは…!!!!」


その場にドクタ-ベルケルのおぞましい笑い声が鳴り響いていた



「ふむっ…」
ドクタ-ベルケルは満足したように言った

「もっといたぶってやりたいが時間も時間だ」
「そろそろフィニッシュとするか…」


「なにを…!?」
ワタルは涙を流しながら混乱する


「フィニッシュだよ」

ドクタ-ベルケルは両手をみんなの方へと向ける

しかしその意図が読めたとき絶叫する




「やめろぉぉぉおおお゛お゛----!!!!」




「ははははは」
「もう遅い!!!」


「黒炎咆…!」
「魔導ミサイル…!!」
「魔導ランチャー-!!!」



「そして…」


「私に今魔力はないが、これは空気を圧縮し、力へと転換する」
「その力はすさまじい」

「私の言っていることが分かるな?」



「や゛めっ…?」
もうワタルは声をあげることすらできない
大切なみんなが傷ついていくことがワタルを苦しめた
もう何も考えられなかった


時は無情にも過ぎ、ドクタ-ベルケルは叫ぶ


「圧縮魔導咆…」


「デスア-クカイザ-!!!!!」



「や゛めろぉぉぉおお゛お゛お゛----!!!!」
その場にワタルの絶望の声が鳴り響いた


その圧縮魔導咆の威力は想像を絶し、みんなのことは容易に予想できた


「あっ…!」
「あ゛っ…!!」
ワタルは絶望し地面へと崩れ落ちる


「くくくっ」
「終わってみればこんなもんだよ…」

「ちと力を使い果たしてしまってさきまでとはいかないが、
これを直撃すれば跡形もなく消えるだろう」

「絶望にさいなまれながら逝くがよい…」


そう言うとドクタ-ベルケルは手をかざす


「圧縮魔導咆…」


「デスア-クカイザ----!!!」


それがワタルの目の前まできていた
死を直感する

そしてあの考えが再びワタルを襲った


「やはり無理だったんだ…」

「みんなを連れてくるんじゃなかった」


「みんなと出会わなければよかったんだ」


「そうすればみんなは…」




静かに目を閉じる
死を受け入れた
そしてものすごい衝撃を感じた



しかし、それ以上のものは何も感じなかった
不思議に思い、おそるおそる目を開けた
すると何かを感じた
上を見つめると影が見える
大きな影だ
その影が両手を開き自分を守るようにして立っている
その足はガクガクと震え、
今にも倒れてしまいそうなはずなのに何とか踏みとどまっていた
その大男は叫ぶ


「立てっ…!!!」


「ワタルぅ゛!!!」


「それでも我を倒し者たちのリ-ダ-かっ!!!!!」


その大男は吐血し、仮面は破けてしまっている
仮面は正体を隠すためにつけているのだろうか?
仮面は破けていてもそれでも構わずにワタルを必死に守ろうとしている
この男には見覚えがあった

かつて実験室にてワタルたちの前に立ちはだかった男…







ゼットンだった






「なんで…」
ワタルはゼットンに尋ねようとする


「そんなことはどうでもいい…!」

「我はあの男に託されお前を助けにきたのだ!!」



ほんのすこし前…


ゼットンたちは大軍と戦っている
それは壮絶を極めた
「うぉぉおおおお゛お゛------!!!!!」
「はぁぁああああ゛あ゛------!!!!!」

そんな中ゼットンは気づく

「バ-ズ(カ-ズ)!」
「あの者たちが…!?」

カ-ズは苛立ったように叫ぶ
「ちぃっ…!?」

何かを思いあたった風に前を向いた
「仕方ありませんね」


「いきますよ」
そういうと羽を広げ大空に飛ぶとゼットンも上空へと持ち上げる


そして言った
「今から飛んでいったのでは間に合いません」
「ここからあなたをあそこまで飛ばします」

「いいですね?」
ゼットンは嫌な予感がする

「お主まさか…!?」


しかしカ-ズは有無を言わさず魔法を唱える
「はぁぁあああああ----!!」
「バシル-ラ!!!!」

そしてまっすぐにゼットンを見つめ笑った
「彼らを…」
「頼みましたよ」


もう飛ぶ力も残っていなかったのだろう
そのままカ-ズは地面へと落ちていった


全てを…
ゼットンに託して


「カ-ズぅ゛ぅ゛ぅ゛------!?」
ゼットンの声がその場にこだました




ゼットンはワタルの胸ぐらを掴み叫ぶ!
「ワタル…!!!」

「しっかりしろ!」


「でも…」

「みんな」
「みんなが…」


「本当にそう思っておるのか!?」


「えっ…?」



「我は一瞬だけ見えた…!」
「あれだけの攻撃を食らってもなおたたずむ彼らの勇姿を!!!」


「仲間を信じろ…!!」

「うぬの仲間たちはその程度だと思っているのか!?」



そしてとある声が聞こえてきる



「いてててっ」
「大丈夫か…」
「みんな?」

「うん何とか」

「大丈夫っす」

「大丈夫ですわ」

「もう無理」

「はい…」



「みんな゛…!?」
ワタルは思わず叫ぶ


「ありえぬ…!」
「ありえぬぞ…!!!」

「あれほどの攻撃を受けてなぜ無事に立っていられる!?」


「それは信じてるからだよ」
ツバサは言った


「信じる…?」


「ワタルが絶対に何とかしてくれる!」
「どんなことがあってもそれは変わらない!!」
「信じることは僕たちの希望…!」

「その希望が僕たちに力をくれる!」

「その力は無限大だ…!!!」

みんなはツバサの意見に頷いていた


「ぐぬぬ…」
「そんなもの認めぬ!」
「認めぬぞぉ…!!!」

「そんなもので私の攻撃を防げるものかぁ!!!」
「あの攻撃を食らって立っているはずがないのだぁ!!!」
ドクタ-ベルケルは空に向かって吠えた



ゼットンは優しくワタルの背中を押す
「いけっ」
「仲間たちの元へ…」


ワタルは振り返り礼を言おうとする
「ゼットン」
「ありがっ…」

その時ゼットンはふらつきといきなりワタルの肩へと寄りかかってきた

ワタルは悟る
ゼットンは限界だったのだと…
あんな攻撃を直撃で食らえば当然だ
自分を守るために身体を張ってくれたのだ
それにゼットンの思いを受け止めなければならない
ありがとうと一言言うとみんなの元へと駆けて行こうとする

ゼットンはその時一言だけ言い残す
「未来を…」


「頼む」



もちろんワタルはその思いに答えドクタ-ベルケルを睨み付ける!

「まかせろ」



ゼットンはその言葉を聞きフっと笑いそのまま気を失った



ワタルはみんなのところへと駆けていく
みんなに声をかけようとしたが、ある異変に気づく
それは足がブルブルと震えていた
顔は笑っていた
しかし、それは自分を心配させないためだと気づく


「みんな…?」

そういうと自分の感ずいたことに気づいたらしかった

 

バ-ジェットはフラフラになる足で近づくとワタルの肩に手をかける

「ワタル…」
「任せたぜ」

「あの野郎をぶっ倒してきてくれ!」


「ワタル…」
ツバサはそう言うとワタルの背中にを力ないパワ-で手を添えた

「これは張飛さんたちの思いの分」

「それに…」



「僕たちの思いの分…!」

もう一度背中をパ-ンと叩く


ワタルは気づくと手に温もりを感じていた
何とマ-ニャが自分の手を両手で握っていた

「ワタル…」
「信じてるよ」

ミネアも仕方ない感じでマ-ニャに合図をし、
空いたもう1つの手を握りワタルに語りかけた


「頼んだよ…」


「みんなの未来を守って!」


ヨサクもミネアの手を握る
「こういうのはあまり得意じゃないんすけど…」

「ワタルさん!」
「あいつをぶっ倒しちゃってください!!!」


「そうですわ…!」
ジェ二-もヨサクの手を握る

「ワタル様!」
「私はいまだこれほどの想いを感じたことはありません!!」

「それに…」


「あったかい」
ヨサクの手を離すと両手に手をやり涙を浮かべる


「ワタル…」


「気づいてる?」
ツバサはワタルに声をかけた


「今…」
「ここにたくさんの想いが集まってるよ」


ワタルは気づく
ここにたくさんの想いが集まっていることに…
しかし、ある葛藤が自分を押し潰しそうになる

そんな時ツバサはワタルの手を握った

「大丈夫だよ」

「ワタルの気持ちは分かってる…」
「僕たちを心配させまいとしてたんだよね?」

ワタルは思った
自分の気持ち…
それはあの力を使えなかったことだ
こんな大事な場面で大地の力、龍の力を使えない

拳をぎゅっ…!握りしめる
あの力を使えなかったことでみんなを救えなかったことが、
自分を絶望するまでにさらに追い込んだ

憎きドクタ-ベルケルの顔が頭に浮かぶ
「くははははははっ…!」


「自分が無理なら僕たちがいる…!」

「僕たちが無理でもここに集まってきてくれてるみんながいる!」

「今までの出会いは…」
「この日この場所でのためにあったんだ…!」


「さあ…」

「行って」

そうツバサは笑顔でワタルを送りだすとその場に倒れた

「ツバサっ!?」

ツバサに次バージェットも倒れる

「バージェット!?」

バージェットだけじゃない
みんなも次々と倒れていく

「ヨサク!?」

「ジェニ-!?」

「ミネア!?」

「マ-ニャ!?」


ワタルはたち止まろうとする

「立ち止まっている場合か…」


「ワタル」

「この声…は!?」

ワタルはハっ!とする

「村長!?」

なんとそこには村長がいた

「みんな!?」

死んでしまったワタルの故郷のみんながいた


「前を向かんか」

「立ち止まってるんじゃない…」
「前へと進むんじゃ」



ワタルは思う

「前へと進む…」


「そうだ」
「俺は心のどこかで恐れてた…」
「全力でやっても勝てなかったらどうしようって…」


「それを恐れてた」

「だから心のどこかでセ-ブを…」



ワタルは前を見つめる
「でも俺にはこんなにたくさんの人が…」


「ワタル…」
後ろからツバサの声がした気がした

後ろにはツバサがいた
いやツバサだけじゃない
バージェット
ヨサク
ジェニ-
ミネア
マ-ニャ
バーバラ
フロ-ラ
ジャキ
ウェリタス…

それ以上の数え切れないたくさんのみんながいた


みんなの声が聞こえる

「ワタル」

「ワタル…」

「ワタル……」



「ワタル…!!!!!」



たくさんの人が自分の背中を押してくれているのを感じる
ワタルは覚悟を決め大空へと吠える!
「うぉぉおおおおお------!!!!!」


「俺は…」


「前へ進む…!」
「迷わない…!!!」


その瞬間…!!!
ワタルから溢れる力が出てきてるのを誰もが感じていた!

ワタルは溢れるほどの大地の力を感じる
胸の内から溢れる力を感じる!

ワタルは叫んだ

「頼むっ!」


「聞こえてるんだろ!?」



「力を…」



「貸してくれぇぇええええ-----!!!!!!!」



「あい、分かった」



その瞬間!


「なにぃ!?」
ドクタ-ベルケルは驚愕の声をあげる
そして魔界中の猛者たちも目を丸くする


なぜなら先ほどとは比べものにならない圧倒的な力をもつワタルの姿があったからだ



「ジュニア(ジャキ)様…」
ウェリタスは喜びの声をあげる


「ふっ」
「本当に待たせおって…」
ジャキは嬉しそうに笑う


「みんなの未来を…」
「頼んだぞ」
ジャスティンは言った


「きひひひひっ」
「こうなったら強いよあの子は…」

「ねえ?」


「ええ…」

バーバラやフロ-ラはお互い見つめあった




「な、なんだその力はぁ!?」
ドクタ-ベルケルは慌てる
そしてワタルの力が自分を脅かす存在であることに気づく


「たかがゴブリン風情がそんな力があるなどありえん!」

「一体貴様は何をしたぁ゛!!??」


「そんなことはどうでもいい…」


「なにっ!?」


「俺はお前の野望を止めるためにこの場に立ってる」
「みんなの力を借りて…!」



「黙れ黙れ黙れ黙るぇぇぇええ゛え゛-----!!!!!」

「みんなの力だと!?」

「くだらない!!!」

「そんなものはまやかしだ…!!」
手を振りかざし必死に否定する!

「力こそ絶対正義!」
「力の優劣は生まれた時から決まっておるのだ!!!」

「たかがその程度の力を得たくらいで…」


「ゴブリン風情が調子に乗るなぁぁあああ!!!!」

「はぁ…はお…」
ドクタ-ベルケルは息をきらす
そしてあることに気づく


「ぐっ…!」

「またその目だ!」

ワタルはまっすぐにドクタ-ベルケルを見つめている

「なぜ希望の目をしていられる!?」
「なぜ諦めない!?」


「貴様ら虫けらは強者の言いなりになっておればいいのだ!!!」

「愚かな人間どうように貴様下等生物に生きる価値などない!!」
「意見をいう権利もない!」

「希望を抱く権利もない!!!」


「ただワシの言う通りにしておればいいのだ!!!」

「はぁ…はぁ…」

ドクタ-ベルケルは思っていることの全てを言い終わったときに、
ドヤ顔でワタルを見つめる
これで分かっただろうと思った
自分の身分が分かったと思った


しかし…


「ぬ゛ぉぉぉおお゛お゛お----!!!!!!」
その場にドクタ-ベルケルの絶叫がこだまする

そして気づいてしまう
自分が一歩後ろに下がっていることに…
今まで下がっていたのとは違った
今まで下がっていたの自分が手を下すまでもない、
手に取らない虫けらだと思っていたからだ


しかし今回は違う
ワタルの希望の目
周りの者たちの希望の目
それに自分を脅かす存在かもしれないワタルの力

全てが崩れていく気がした


「ぬがぁぁああああ-----!!!????」
ドクタ-ベルケルは絶叫する!


「有り得ぬ有り得ぬありえぬありえぬありえぬありえぬ…」


「ありえぬぅ゛ぅ゛------!!!!!」



「うそっ?」
誰しもが目を疑った
ドクタ-ベルケルは更なる邪悪な力を得て膨張していく



「ぬがぁ゛ぁ゛ああああ゛あ゛-----!!!!」
ドクタ-ベルケルは我を失いワタルへと突っ込んでいく


ワタルは大きく構える


周りのみんなも固唾を飲んで見守った



そしてワタルもまたドクタ-ベルケルの元へと駆けて行く

「うぉぉおおおお--------!!!!!」

ドクタ-ベルケルも突っ込んでいく

「ぬがぁぁぁああああ-------!!!!」



みんなの想いは1つだった
二人の戦いを見守る

「うぉぉおおおお--------!!!!!」

「ぬがぁぁぁああああ-------!!!!」



そして声を1つにして力の限り叫ぶ…!!!




「いっけぇぇええええ-------!!!!!!!!!」




もしワタルが旅をしていなければ…
みんなと出会わなければ最悪の結末を迎えていただろう

でも違った
運命は変えられる


この日
この瞬間…



運命は変わった!









そして突如として大空に超巨大なスクリーンのような映像が開く

そこにはとある人物が映し出されていた


ある者が言った

「あれって魔王様側近のアブ-ジ様じゃね?」

「本当だ…」

「でも何で…?」



その質問を遮るように超巨大スクリ-ンに映るアブ-ジは叫ぶ



「大変だ…!!!」



「魔王様が…!?」




「魔王様がぁ゛…!?」













「殺されたぁ゛………!!!!!!!!!!」














運命の歯車は回りだす
全てを飲み込んで…


全てを超越して



動き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

~あとがき~

さてさてこの展開を予想した人がいたでしょうか?
ずっとあれ魔王様いなくね?って突っ込みがあるかヒヤヒヤでしたョ>з<o)ブ
そして次は更なるどんでん返しが待っていますw

٩(๑•̀ω•́๑)۶お楽しみにぃ

あと、いつもの如く追加してたら終われなかった ORZ