「アイス・ブレイキング」という言葉を聞いたことがありますか?

「世間話」「雑談」「個人的な話」ならお分かりでしょうか。

 

営業はよく「お客様のことをプライベートなことまで知るように」と指導されます。しかし話が苦手な人、相手のプライバシーに立ち入ることに抵抗がある人にはなかなかハードルが高いアプローチです。
しかも、個人的な話をするのを嫌がるお客様も多くいますので、「そういう話はやめましょう」と言われて頭が真っ白になってしまい、それ以降お客様と雑談ができなくなった、という営業担当者をよく見かけます。

 

 いろいろなアイスブレイキングがありますが、ここでは相手のプライバシーに入り込まなくてもできる方法をお話ししましょう。

 

 ところで、何のためにアイスブレイキングや世間話をするのでしょうか?
多くの方は「いきなり商談に入るよりクッションをつけてからの方が相手も喋りやすくなる」と言います。

そうです。それもアイスブレイキングの目的の1つです。しかし、もっと根本的なことは「相手に心を開いてもらう」ことなのです。

 

そのために最も効果的と言われているのは「子供や孫の話」です。
この話題になると、相手はお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの顔になってしまい、とてもリラックスした雰囲気になりますます。
これは「相手の肩書きを外す」という手法です。この状態になると、相手はもはや部長や課長と言う肩書ではなく「素の人間」として話すようになります。

 

 しかしこれはいつもうまくいくわけではありません。
そこでお勧めすることは「相手の仕事に関心をしめす」英語ではrecognition(レコグニション)と呼ばれている手法です。

 

この方法を使うには相手の日常業務について知っておく必要があります。
その仕事内容から「相手のしていることに共感」し、「仕事ぶりを認め」てあげます。

 

相手に伝える言葉ですが、「いつも大変ですね」「よく頑張っておられますね」といった大雑把な話し方では相手の心に響きません。もっと具体的に話すことで「この人は私の仕事をよく理解していくれている」と感じてもらうことができます。

 

 例えば

  • 「ずいぶん専門知識をお持ちなのですが、どうやって勉強されたのですか?」
  • 「購買課は会社の全ての物品購入の責任ですね?業者との交渉をされるんですね?ものすごいストレスではありませんか?」
  • 「看護部長さんと言えば上は院長から、下は看護師長さんたちから突き上げられて大変ご苦労されるお立場と聞いております」

このような言葉でその人の日常業務について具体的に共感された方はどんな気持ちになるでしょうか?

 人は「自分に関心を示されると心を開く」と言います。みなさんも自身の仕事に対して関心を示されたら嬉しくなりませんか?
これが「アイス・ブレイキング」です。

 

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