石平と、矢板昭夫の対談本。

まず一言。知らないと言う事は幸せなことだ。

さて、対談本を連続で読んでみた。
理数頭と比べると話が重い割に先を読もうという気持ちになったのは、実体験としての歴史が主題だったからだろうか?

そもそもこの本の表題からして俺の興味と関心を引くのに十分だった。
矢板氏の方は知らなかったのだが、石平氏は略歴を知っていた。
だから、彼が子供の頃は文化大革命の終わりの頃だったのに、どうして幸せだと感じていたのかが気になった。
読んでみると話はすごく簡単だった。
ほかの所の様子を知らなければ、比べることが出来ないから宣伝を信じるのは、むしろ当然だろう。
その意味で宣伝や教育の恐ろしさをうかがい知ることが出来た。
特に報道各社が日本は駄目だ破産すると連呼しているのは、それを受け取っている人間の心を蝕むことが目的だと言う事も、おぼろげに理解できた。(普通の国は逆の行動をとると思うのだが、やはり日本はかなり特殊なようだ)

文化大革命のことが主題だった前半と違い、中盤から後半は実際に俺が見聞きした中国の話になっていった。
天安門事件やら日本たたきやら。
その中で意外だったのは、習近平が独裁者の体裁を整えているとは言え(実際には整っているとさえ言えないと石平氏は主張している)、実はとても臆病な政治家で、全会一致していないと心が穏やかでは無いのだとか。
こんなやつが指導者で独裁政治をやっているというのは、少々笑えてしまう気もする。(いやまあ、笑えないのだけれど)

これから先、中国は更に状態が悪くなり、周辺国へかける迷惑が増大すると警告していた。
現状でも十分以上に迷惑なのだが、まだ足りないと習近平が考えていることは理解できた。
それに対応する必要に日本などが迫られていることも。
もうあまり時間的な余裕は無いのかもしれない。
最低限台湾と国交正常化して集団安全保障体制を確立しておく必要はあるだろう。(それにより太平洋と南シナ海への人民解放軍の進出を抑えられるはずだ)
出来れば憲法を改正して、お馬鹿な憲法学者や政治家が戦争反対と叫べない状況を作り出しておきたい。

さて最初の一言について少し。

本来、知らないということはかなり怖いことだ。
魚介類を食べる時には注意しないと、アニサキスが腹の中で暴れるということだって、知っていれば防げる。(加熱するとかの処置をすれば良いことを知っていれば実行できる)
それなのに、なぜか、中国が大好きな人たちは現実や現状を見ようとも知ろうともせずに、日中友好という名の奴隷契約を推進したがる。
彼らは知らないことで幸せでいられるのかもしれないが、ほかの人間を巻き込んでもらっては困る。

最後のところで石平氏が日本でも報道されたことを鵜呑みにしてしまう人が多くいると警鐘を鳴らしていた。
俺の認識も同じだ。
つい最近まで騒がれていたことを忘れてしまう人がなぜこれほど多いのだろうか?
かなりひどい不条理を感じてしまった。

さて結論。

この本は一度読んでおくことをおすすめする。
そうすることで報道各社や政府の宣伝に疑いを持つことが出来る。
その最初の一歩としてこの本は最適だと俺は判断する。


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