管正治の本。

まず一言。どこが駄目なんだ?

さて、環太平洋戦略的経済連携協定に米国が参加しなくなったのに、なぜか最近色目を使ってきているので不思議に思って、しばらく前に出ていたこれを買って読んでみた。
で、読んでいる間中、疑問に思ってしまったのが、最初の一言だ。
米国農業の実態が延々と書かれているこの本だが、確かに、米国の農業の全体像を把握するためには良い一冊だと思うのだが、それでも、どこが駄目なのかが今ひとつ理解できていない。
これは、俺の読解力が無いせいなのか、それとも著者の執筆能力が無いせいなのか。

まあ、米国の農業がどんな問題を抱えているかは良くわかった。
環太平洋戦略的経済連携協定に参加しないのに、色目を使っているのも、日本に農産品を売りつけたいからだと言う事は理解できた。
理解できたからと言って、別段嬉しい気持ちにはなれない。

超効率化を進めるために、遺伝子組み換え作物を大々的に取り入れていることは、ずいぶん前から知ってはいたが、農薬や肥料を大量に使いすぎていると言う事まで走らなかった。
いやもっと書けば、日本の農薬と肥料の使用量もかなり多いらしいことが書かれていた。
これは少し衝撃だったが、考えてみれば人手が足りないのはどこも一緒なのだから当然なのかもしれない。

ただし、これに書かれていることは、ほとんどどの国でも起こっているのでは無いかとも思う。(一番わかりやすいのが農業従事者の高齢化)
であるならば、米国農業が駄目なところをきちんと、俺ごときでも理解できるように書くべきでは無かったのだろうかとも思う。
もう一度書くが、米国農業が特に駄目なところと言うのがはっきりと理解できなかった。

さて最後に。

この著者、TPPのことを環太平洋連携協定と書いていた。
なぜ、環太平洋戦略的経済連携協定と書かなかったのだろうか?
とても疑問だ。

もしかしたら、在日コリアンと同じように俺が思っているのとは別な意味で使っていたのかもしれないが、それも読み取ることが出来なかった。
かなり疑問である。

さて、この本はおすすめだろうか?
米国の農業と言うよりは、これから先の農業について考える上では極めて重要な一冊だと思う。
農業に興味があるならば一度読んでみることをおすすめする。


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