松本零士の本。

まず一言。柔らかすぎないか?

さて、ザ・コクピットの続き物という触れ込みだったので買って読んでみた。
とは言え、大分前に書かれた作品だ。
最初の一言目でも書いたが、コクピットに比べるとかなり柔らかい印象を受ける。
時々登場人物が全滅する話もあるが、大概はかなりの割合で生き残るし、戦闘らしい戦闘もそれほど多くは無い。(決して少ないわけでは無い)
まあ、これはこの作品の第一話目でも書かれているように、徹底的に堅くならない人たちの話なのだから当然なのだろうとも思う。

とは言え、まほろば絡みの話は別にしておいてくれたら良かったのにと思う。
明らかにこの作品とは違う色合いの作品だ。
むしろハーロックを連想させる人物が出てきたりしているくらいだ。

まあ、いつも通りに何の脈絡も無く(?)全裸の女性が出てきたり、おかしな展開があったりとかなり楽しめる作品だった。
特にお気に入りは、張りぼての戦闘艦に乗って漂流してしまっている男女のお話。(的の潜水艦が混乱してしまったりと、かなり楽しめた)

そうそう、これは余談なのだが。

俺は宇宙戦艦ヤマトを松本零士の作品だと思っている。(古いやつ)
松本零士が参加しなかったら、アニメの一コマさえ出来なかったとは思わないが、それでも確実に松本零士の作品だと思っている。
星の滅亡に抗うために戦争を仕掛け、最後の一兵に至るまで戦い抜く話に、大きな感動やら複雑な思考やらをした記憶がある。(ほかの占領地に引っ越すという選択肢が無かったのだろうかと疑問に思うが、深くは追求しない)

では2199は?

このケースハードを読むまで、あれは明らかに松本零士のヤマトでは無いと考えていた。
意味不明な政治信念で戦争を仕掛け(いやまあ、違うのだが)、中途半端なところでデスラー総統を悪役にして和平を結んだりと、旧作とかなり違うところがあったからだ。
女性の登場人物が多いのにも違和感を覚えた。
とは言え、ケースハードを読んでみると、松本零士が参加していたとしてもそれほどの違和感が無いような気もしてきた。
それくらいの路線変更が見えた。

さて結論だ。

俺ではどうしてもコクピットと比べてしまうのは仕方が無いとしよう。
それでも、ドイツ人とイギリス人が殺し合う話などが無かったことは残念だった。
比較的頻繁に戦場で女性が死ぬというのにも違和感か、それに類似した感情を覚える。
悪い作品では無いのだが、あまりおすすめは出来ない。
古本屋などで見つけたら買ってみるのも一つの手かもしれない。


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