アダルトチルドレンが陥る問題シリーズです。
今回は「頭では分かっていても行動できない」という問題に関して触れてみようと思います。
アダルトチルドレンの方は不安が強く出る傾向にあります。
これは、機能不全家族の中で、安全が保証されずいつも何かに怯えたり、回避しなければいけない状態だと、反射的に不安が先走る思考をするためです。
大人になってもそのクセが抜けず行動に移せないことがあります。
また、頭では「やるべきだ」と思っていることでも、無意識的に不安が出て他に回避する傾向にあります。
これでは、生きていく上で支障をきたしてしまいます。
では、何故このような問題が起こるのかを考えていきましょう。
まず、人には
「プラスを得たいと思う欲求」
と
「マイナスを避けたいと思う欲求」
があります。
そしてこれらは、同一事象に対して同時に起こることがあります。
例えば、『部屋が汚くて片付けをしなければと思っているがなかなか出来ない』という人。
私の周りにもちょいちょい見かけますが、このケースが両方の欲求が発生している状態です。
「片付くと使いやすくなって気持ちもいい。友達を呼んだりもできる。」(プラスを得たい)
こう思っていても、
「部屋を片付けるのが面倒」。疲れる。(マイナスを避けたい)
が勝っていると頭では分かっていても行動できない状態になります。
頭の中で葛藤をしているということです。
なので、この葛藤を処理できれば問題は解決するという事です。
そして、葛藤が起こる原因は、プラスとマイナスがはっきりしていないという部分です。
はっきりどちらかになっていれば、得をするほうを選ぶはずだからです。
まずは、どのぐらいのプラスがあってどのぐらいのマイナスがあるのかを考えると良いでしょう。
その時、比べるのが難しいという方もいらっしゃると思いますが、コツとしては『数値化』してみるという方法があります。
単純な足し算引き算で明示的に答えを出す事で、どちらを選べば良いかはっきりします。
もちろん得をするほうを選べば良いんですね。
そして、それを受け入れることが大切です。
『部屋が汚くて片付けをしなければと思っているがなかなか出来ない』というのは、言い換えると
『片付けたいと思ってはいるが片付けないという選択をしている』ということです。
実は、最初に得をするほうを選んでいるんです。
問題は、その選択を受け入れられていない部分です。
自分の中で納得がいかない選択をしているのですから感情は嫌がるのが当然です。
大切なのは、自分の選択を納得して受け入れることができれば、ひとまず感情は収まるという事です。
これは、様々な場面で起こります。
プラスとマイナスをはっきりさせて、得をするほうを取るということが大切です。