ババモンは、自分と同い年くらいの人が、自分より元気なことを知ると、「私もがんばらなあかん!」と燃えるのだ。
TVでは、元気でしっかりした老人ばかり、クローズアップされるから、ババモンは焦る。
「私が一番若々しくてしっかりしている、と人にうらやましがられるねん。若い人にも負けへん。」と思ってきたババモンだ。
自分の老化は認めたくない。
ババモン「最近、暑くて(または寒くて)歩かへんから、足が弱って来たんやなあ」
が口癖。時には、
ババモン「○○さん(デイのこと)に行ったせいで、こんなに弱ってしもてん」
その日は夕方に、ババモンは以前からの知人のAさんに電話していた。ババモンと同い年だが、ずっと元気な人らしい(ババモンが、10年以上前から、Aさんについて同じうわさ話をしているので、今もそうなのかは不明)。
そして夕食時
ババモン「Aさんは、この暑いのに、毎日散歩したはるんやって。私も、今から、スーパーまで歩きに行ってくるわ」
私「夜は足元が危ないし、また明日にしたら」
まさか、本当に行くとは思わなかった。ババモンは、以前は「夜は、足元が見えへんから怖い」と言っていた。もう長い間、夜は出歩いていないはずだ。しかし、夜9時すぎにババモン宅に行ってみると、
ババモン「今、スーパーIから帰ってきたとこやねん。夜は涼しいから、これから夜に歩こうと思って。(近所の)Bさんにも会ってん。Bさんも、夜に買い物に行かはるんやって。私もそうしよ。」
Bさんはまだ70代なんだよね。
危険がわからなくなってきたババモンは、シニアカーがあれば、もう怖いものなしなのか? しかし、夜、シニアカーを押してよろよろ歩いている、ババの図を想像するとぞっとする。
私は、「もう、あかん!」と落ち込んだ。しかし、夜に外に出て、興奮状態ながら幸せそうなババモン。まあ、無事に帰宅できたからいいか。
やろうと決めたことは絶対やるババモンを、とうてい止めることはできない。けど、「娘さんはどうしたはるの?」とか、人には思われそうだな。
とりあえず、夜の一人歩きは、その日だけでおさまったので助かった。