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平岩弓枝著 御宿かわせみ7 「酸漿は殺しの口笛」

2019年12月10日 07時48分49秒 | 読書記

図書館から借りていた 平岩弓枝著 御宿かわせみ7 「酸漿は殺しの口笛」 (文春文庫)を 読み終えた。
「御宿かわせみシリーズ」第7弾の作品である。
本書には 表題の「酸漿は殺しの口笛」をはじめ、「春色大川端」「玉菊燈籠の女」「能役者、清大夫」「冬の月」「朝の霜」の6篇が 収録されている。

平岩弓枝著 御宿かわせみ7 「酸漿は殺しの口笛」

「御宿かわせみシリーズ」は 江戸時代末期、江戸大川端で小さな旅籠を始めた女主人庄司るい、南町奉行所吟味方与力・神林通之進の弟で 幼馴染のるいと夫婦同然の関係の神林東吾、東吾、るいと幼馴染で八丁堀定廻り同心畝源三郎、かわせみの老番頭嘉助、女中頭お吉神林通之進とその妻香苗、岡っ引の長助仙五郎等々を中心に 次々発生する市井の事件を解決していく物語である。
相思相愛ながら 諸般の事情から正式な結婚が出来ないるいと東吾の恋愛模様や 東吾、源三郎の快活青春ドラマ、密偵、捕物シーン有り、随所に江戸情緒描写有り、
ほぼ1話完結、連作短編構成になっていて 読み易く、飽きない。

読んでも読んでも そのそばから忘れていく老能、しばらくすると読んだ本の題名まで忘れてしまい うっかりまた同じ本を借りてきてしまう失態も何度か有り、そんな失態を繰り返さないように ブログ カテゴリー「読書記」に 書き留めて 確認出来るようにしている。

「春色大川端(しゅんしょくおおかわばた)」
正月早々、かわせみに 深川材木問屋檜屋のひとり娘お志津が「かわせみ」に泊まった。檜屋主人庄右衛門の事故死?、毒物殺人事件、下手人は?、源三郎、東吾は真相探りを開始する・・・。

「酸漿(ほおずき)は殺しの口笛」
葛西からやってきた野菜舟(葛西舟)には 口の中で酸漿を鳴らしながら仕事をする娘お三重と小作人幸吉が・・・。お三重から 6歳の時家出したという母親おとくとよく似た女を見て その確認を頼まれた東吾、源三郎だったが・・・、、日本橋呉服問屋徳兵衛と聟忠三郎(その正体は?)、岡っ引き久三、おとくを殺したのは?

「玉菊燈籠(たまぎくどうろう)の女」
東吾と源三郎、岡っ引の長助は 「酸漿は殺しの口笛」の捕物で非業に死んだ岡っ引の久三の新盆のため橋場に墓参りに出掛けたが 途中吉原で女どうしのつかみあいの喧嘩を目撃する。日本橋塗物問屋唐木屋のおかみおそのの死、主人平八、女中の子おいせ、父親が植木屋だった久三の手下吉五郎・・・下手人は。
玉菊は 享保11年3月に病死した花魁の名。玉菊燈籠は その玉菊を供養するための燈籠。
本文から
「それじゃ 若先生(東吾)も畝様(源三郎)も見込み違いだったんでございますか」(中略)「かわせみ」のるいの居間。ちょうど宿屋稼業は一番暇な時刻だから 番頭の嘉助も女中頭のお吉も安心して 一座に加わっている。

「能役者、清大夫(のうやくしゃ、せいだゆう)」
新両替町界隈には能役者の屋敷が多い。進藤流の当主進藤源七が45歳で急死した。妻女お利江との間に子供が無く 腹違いの弟(大山の御師の娘の子)清大夫が養子となり家督を継いでいるが・・・。次々起きる押し込み強盗事件、殺人事件・・・、源三郎、東吾が その真相に迫る。

「冬の月」
結城の在に養子に行ったお吉の弟幸吉が、息子夫婦と折り合いが悪く家を出てきたというおふくを連れて「かわせみ」にやってきた。癇癪持ちで評判の悪い新川の常陸屋の隠居徳兵衛と茶飲み友達になったのだが・・・・、
本文から
「泣くな、るい・・・・」、東吾の手が肩にかかり、るいは袂を顔にあててむせび出した。(中略)、畝源三郎も首をふりながら、「世間というのは 厄介なものです」(中略)、空には、月が出ていた。初春であるのを忘れたような寒々と凍った月の色だった。

「朝の霜」
「かわせみ」に 沼津の百姓惣吉と妹お町だという触れ込みで若い男女が泊まった。若旦那と女中のかけおちではないか・・・、お吉の狼狽を嘉助はおっとりと遮った。江戸は 何十年ぶりの大雪に見舞われ、庭木や垣根にも被害が出る。「かわせみ」にやってきた植木屋は 岩吉の職人市五郎、女房はおたつと言う、日本橋呉服問屋小大丸屋の盗難事件に巻き込まれた惣吉、お町は・・、女盗賊の正体は?
本文から
東吾は 他のことを考えていた。沼津と箱根へそれぞれ帰って行った二人の若者のことであった。あの二人、果たして人生のやり直しに間に合ったものだろうか。「かわせみ」に 岩吉がやって来て、市五郎が江戸から姿を消したことを知らせていた。

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