私は女性作家の本を毛嫌いしている訳ではありませんが、全体の読んだ本の中では数%なのではないかと思います。夏目漱石や谷崎潤一郎などは殆どの作品を読んでいますし、最近では藤沢周平さんの小説は50冊近く読んでいると思いますが、飽きることはありません。

 

それに比し、女性作家の小説は、最初は感銘を受けますが、二冊目は未だしも、三冊目位になると、自分の心にしっくりしないモノが芽生え、それ以上は読む気力が萎えてしまうのです。ただし、その作品は少ないものの…樋口一葉さんの小説はどれも感銘が最後まで続きました。現代の女性作家では高木のぶ子さんや川上弘美さんが贔屓ですが、矢張り三冊程で止まっているのが現状です。余談ですが、お二人共、外見の良さも贔屓にしている要因が3割位あるのかも知れません。

 

私の読む女性作家の小説事情はそんなところですが、実はお姿を知らずに既に5冊を超えて読んでいる現代の女性作家がいます。その方は高田郁さんです。作品の殆どが時代小説で、代表的な作品は「みをつくし料理帖シリーズ」。でもこれは全く読んでおらず、今回読んだのは「ふるさと銀河線」と云う現代モノです。短編集ですが、どの小説も心にしっくりして、気持ちが同化するのが何とも心地良いのです。特にその中の『晩夏光』は、母の認知症を思い出し心にジ~ンと…。

 

*写真の右は、井沢元彦氏の「逆説の日本史2」です。幕末編や特別編の10冊程を読んだ後、最初から読んでみたくなり、今この“2”を読み始めました。なお「ふるさと銀河線」と「逆説の日本史」をお薦めすると云う訳ではありません。読書は自分の好みを自分で選り分けることが肝心なのだと思います。