約束の9時半ぴったり。
車停めると上から「おはよございま〜っす」
ママさんベランダで洗濯物干してる。
玄関開けると「どどどきゃきゃきゃだだだきゃきゃきゃ〜」
折り紙と木製『切れる野菜』とアンパンマンが散らかり放題の部屋を・・???
なんで君達はオムツ一丁で走り回っているんだい?
ま、今日は夏日の予報だからいっか。
「これよむ」と絵本を次から次へと読み聞かせ。うっとりするだろ? このじーじの渋い声。声だけは褒められ・・をいっ聞けよっ
「Aちゃんのじーじ」
嬉しいけどこれに答えちゃいけない。微妙なパワーバランスが崩れる。
「Bちゃんのー」
これもだ。
お手々つないでみんなで一緒にご本、片付けよーね。どれからないないしよっか?
「ぼんっ」(投げんなー)
「かくでんぼ」
おー、いいよいいよ、じーじ見つけちゃうぞ〜
「きゃきゃきゃきゃ」「だだだだだ・・」奥の部屋に二人で走る。
「ぎゃあぁぁー」(二人の泣き声。なんだなんだなんだ?)
折りたたみベッドに二人で突進、倒して下敷きになってる。
マンガかよ・・・
「電車に乗せたことないんで経験させようかと思うんです」
「Kenさん一緒に行ってもらえます?」
お安い御用です。
あー、そっか。車移動が基本だしね。
駅行って切符買ってホームに常磐線入って来たら、しがみついてビビりまくり。
え? えええ? 乗れないじゃん。
巨大な物が大きな音で動くのが怖いんだろね。
うちの娘も最初、ゲーセンの線路走るトーマスだったもんな。その後にプラレールにハマってお気に入りの「えきしゅぴししゅ」(成田エクスプレスのこと)に乗りたいって。
いきなりは無理だったかぁ。
が、
駅は気に入ったらしい。駅前のベンチでケンタとマック食べさせて(いーのか? お袋と京都駅のバス停でスイカ食べたの思い出す)
駅前広場と階段と車イス用のスロープが・・・そんなに面白い? いやいいんだけどさ、走り回る駆け回る昇り降り。
汗びっしょり。とっても美味しいと評判のソフトクリーム食べさせて。あ、じーじ甘い甘い好きじゃないの〜 ママにあげてね。あ、そもそもじーじにくれる気はないのね。
近場で済まそう。大人は楽しようと三輪車降ろして近くの公園。
楽なんか出来やしねえ。
Bちゃん、急角度螺旋滑り台「しゅぅぅー」3歳にもならない子供がこれ降りれるんだ。「もっかい♪」たたたた。
振り向くと(わっ。いや大きい声出してびっくりさせて落ちたら大変だ)滑り台への垂直ハシゴを「おいしょよいしょ」と両手両足交互に持ち上げて登ってる。ちょとまて。じーじが後ろに付くまでまてっ
Bちゃんの身体能力の高さは客観的に観ても凄い。身内にプロレベルのアスリートが居るのも納得。DNAは正直だ。
Aちゃん、ブランコ。俺の膝の上に乗って「しゅごいよーすごいぃよぉ」「ゆーらん♪ ゆらぁー ゆらぁぁ〜」
ちょっと止まっていい? 「もっと。」「ゆーらー ゆらぁ」
・・・ごめん。じーじ気持ち悪くなちゃった。酔った。
「さぁ、もう2時だよ。帰ってお昼寝しよう」ママの助け舟。
「いんない」「もっかい」「もっかいするー」たたたたた。逃げたな〜
おっしゃ。受けて立つぜ。今日へっとへとに疲れさせるぜ。
多分俺の方がだけど。
Bちゃん、家帰って速攻爆睡。
Aちゃん、「お昼寝は?」「いんない」俺のiPhoneでアンパンマン見ながらいきなり頭が仰け反って、おおおおどした? 寝落ち。
夕方パパ帰宅。廻る寿司。
二人共、食いつき悪い。疲れたのかな? Bちゃん俺に抱き付いたまま眠そう。
ママがデザートに頼んだマンゴー来る。
「ぴぃよん♪」立ってる俺の肩からソファーに、それは見事に飛び降りる。
AちゃんBちゃんマンゴー争奪戦。片手にスプーン、片手で両側からマンゴーの皿持って引っ張り合い。
「これ・・もう1個頼まないとだめだね」
俺もそう思うよ。
ね? もう1個来るから。同じの来るからね。泣かなくて大丈夫だから。仲良く半分こ。無くなっても来るからね。
皮だけになったマンゴー、口で絞るんじゃねえっ
いい写真撮ってくれるよな。
こんなに好かれていいんだろうか?
こんな駄目な大人なのに。