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「香害」の原因は柔軟剤が最大

2020-08-03 10:36:19 | 化学
化学物質過敏症という病気がありますが、その中に環境中の匂いに対して反応する症状があります。

最近のアンケート調査によれば、香りにより健康被害を受けた製品で最も多かったのが柔軟剤(洗濯択仕上げ剤)という結果が出ています。

このアンケート調査は、日本消費者連盟など7団体による市民団体「香害をなくす連絡会」が2019年12月からネットや郵送を中心に実施したものです。

回収総数は9332件ですが、主にこの7団体の会員による知人などにアナウンスや配布をしたアンケートなので、無作為抽出ではなく香害に関心が高い人、苦しんでいる人などが多いという選択バイアスがあります。

回答者の性別は、女性が82.6%と男性よりかなり多く、年代では30代から60代が多くなっています。女性の方が香害の感受性が高いのは化学物質過敏症を調べた他の研究でも同じで、おそらく女性の方がホルモンの変動を起こしやすいことが影響していると考えられます。

このアンケートの質問項目などは省略しますが、仕事をやめざるを得なくなったり、学校を休学せざるを得なくなったりした人が18.6%もいたようです。

具合が悪くなった原因の製品は、柔軟剤(洗濯仕上げ剤)が86%と最も多く、香り付き合成洗剤が73.7%、香水が66.5%、除菌・消臭剤が56.8%などとなっていました。またその他にも整髪料(4.2%)や芳香剤(1.6%)など、原因の製品は多岐にわたっていました。

これらの製品の多くには、香りを持続させる目的でマイクロカプセルが使用されています。洗剤などに使われるマイクロカプセルの直径はバクテリアの10倍、髪の毛の10分の1程度で、食品や医薬品、接着剤、インクなどすでに生活に入り込んでいるようです。

アンケートで香害にあった際に出る具体的な症状として、頭痛と吐き気が突出して多く、ついで思考力低下、咳、疲労感などとなっています。

香害の対策としては、家庭用品へのマイクロカプセルの使用中止、香り付き製品の販売中止、職場、乗り物、店舗、医療施設などでの香り自粛、住まいにおける香り付き製品の使用自粛が挙がっていました。

化学物質過敏症に悩む人は、潜在的な患者を含めれば国内に95万人以上存在すると推定されています。この香害の発生は、洗濯用洗剤の市場の伸び悩みから柔軟剤などの付加価値化という流れがあり、その結果として起きるべくして起きたともいえる気がします。

人間の嗅覚はかなり鋭敏ですが、香りに対する感覚は個人によって大きく異なるということを念頭に置いた柔軟剤などの開発がメーカーに求められているのかもしれません。

またこういった香害が存在することを、訴えていく活動も重要な気がします。


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