大劇場で公演中の花組『BEAUTIFUL GARDEN』。代役についての記事以外感想を書いてませんでした。

ていうか、書けませんでした。

というわけで、『ポーの一族』以来の怒りのブログ記事になりそうです。

あくまでも雨宮個人の意見です。大前提として、宝塚大好き、しかも花組はめちゃ好き、という愛があります。

いつも書いてますが、舞台に立っている生徒さんに文句はひとつもありません。みんなキラキラしてるもの。与えられた役割を、演出以上に見せる努力が見えるもの。

私が言いたいのは、その舞台のベースを作った演出への怒りです(笑)。

私だって演出に文句なんて言いたくないのです。でもあまりにひどい。

「花組ショー楽しみだわ」「今回の花組ショー大好きだわ」「ていうか、野口先生最高!」という方は、たぶん気分が悪くなると思うので、ここから先は………何卒自己判断で………よろしくお願いします。

▼ここから先を読みたくない方は、ひとまず公式さんに避難してください!(同じウィンドウで開きます)
宝塚歌劇公式ホームページ



3作目にしてパターンが全て同じ

花組『BEAUTIFUL GARDEN』は、『THE ENTERTAINER!』(2016年星組)、『SUPER VOYAGER!』(2017年雪組)に続く演出家・野口幸作先生(いちおう先生つけとく)の大劇場3作目となるショー作品です。

『THE ENTERTAINER!』の時は「デビュー作だし、星組だし(←みっさまだし)、みっさまと野口先生がやってみたかったこと全部詰め込んだのねー」くらいに思っていましたが。

『SUPER VOYAGER!』で「なにこれ退団公演!?」と驚き(ていうかちょっと引いたよね)、「あれ、なんか私の思ってる”かっこいい望海風斗像”や”かっこいい男役像”と、野口先生の脳内とは大きなズレがあるな」と違和感を覚えたのです。でもまあそれは個人の好みなので仕方ない部分もある。

で。

友達と「野口先生といえば」を話していて。
  • トップスターはゴンドラ登場
  • 胸キュン歌詞(ぶっちゃけ悍ましい)
  • なんか微妙に生徒さんが気の毒な感じの恥ずかしい振り付け
  • シルクハットにステッキ(ケーン)
  • ジャニーズぽい若手男役の場面
  • なんか退団公演ぽい(←星組はどうだったか覚えてないけど。でも残ってる印象がそんな感じ。やりたいことやりつくしてたからかな)
て感じだよねー、と。
大劇場作品2つにして、すでに「野口先生といえば」と言えちゃうあたりが嫌な感じだった。

そんなこんなで迎えた花組ショー『BEAUTIFUL GARDEN』。見事に「野口先生といえば」の項目が全部登場しました…。冗談で「次も同じだったら笑うね」とか言ってたのに。冗談じゃなかった。
  • トップスターはゴンドラ登場→みり様でっかい蝶々で登場
  • 胸キュン歌詞(ぶっちゃけ悍ましい)
  • なんか微妙に生徒さんが気の毒な感じの恥ずかしい振り付け→あのツル草の鞭みたいなのは何。
  • シルクハットにステッキ(ケーン)
  • ジャニーズぽい若手男役の場面
  • なんか退団公演ぽい
全部盛りなショーでした。

私だったら、3回同じものなんて恥ずかしくて出せないです。仕事の企画書だって、「これ前回とほとんど一緒じゃん」なんて上司に言われたくないから、必死で違うもの考えるわけですよ。

劇団の企画書ってオールスルーなんだろうか。誰も「野口くん、これ前もやったけど?」って言わないの
? ねえ。

これじゃあシリーズじゃなくて、ただの焼き直しの出来損ないだ。

まずは幕開きの構成を変えてくれ

『BEAUTIFUL GARDEN』はどうやら、

演出家 野口幸作が語る | 花組公演 『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
花組を「BEAUTIFUL GARDEN」、“美しい庭”に例えて、花にまつわるさまざまな恋人たちの夢とロマンを描き、今の花組の魅力を存分にお楽しみいただける作品にしたいと思います。花組の美しいスターと共に、真夜中の花園で愛を語らうような、耽美的かつ大人の雰囲気のショーを目指しています。   
らしいのです。 

幕開きは、ちょっとティム・バートン的な雰囲気のキラキラの蝶々が夜のガーデン(ていうかほとんど森)をひらひら舞い、木々の奥へと誘う映像から始まります。

これはこれでいいのです。映像の画素数が粗いのが気になりますが、雰囲気はいい。

なんだか怪しげでビューティフルなガーデンが待ってるんだろうなと思わせてくれる。

が!

しかし!

映像が終わって幕が開くと!


そこには誰もいない………。

 
えっ。うそでしょ。出遅れ!?(←初日には本気でこの考えがよぎったよね)

と思っていると、黒い蝶々(な、娘役ちゃん)が4匹花道から現れて脇でちょっと踊る。

本舞台には…盆に乗ったいくつかの壁が回っていて、相変わらず誰もいない

全然ガーデン感もない。ガートボニートのほうがよほどガーデン感あったわ。

まあ、壁の裏に男役スターさんがスタンバイしているのが微妙に見えてはいるんですけど。

幕開きワクワクしてるのに、なんで盆に乗った壁が正面まで回ってくるの待たなくちゃいけないんだ

ポカーンですよ。回ってる壁を見てる時間の無駄さって言ったら(いや、蝶々ちゃん見てあげればいいんだけどさ)(盆回ってる間にみりおさんの開演アナウンス入ってるんだけどさ)。

拍手が気持ちよく入れられないストレス

盆が正面まで回ってきて、ようやく光ちゃん(柚香光さん)登場。

なのだが、後ろ向きで踊ってちらっと正面向いたりするだけなので、拍手タイミングがない。

そのあと壁からあきらくん(瀬戸かずやさん)とちなつさん(鳳月杏さん)(たぶん)が出てきて、他の男役スターさんも出揃ってようやく全体の拍手。

拍手入れづらいいいいいいいいいい!

これ、今回のショー全体を通して言えるんだけど、とにかく拍手が入れづらい。

宝塚のショーって、客席も”待ってました!”ってな感じで気持ちよく拍手を入れて、舞台と一緒に盛り上がる部分ってあると思うのです。

で、だいたいのショーは、初日を見れば「よし、ここで拍手入れろってことね!OK!」ってタイミングがわかる。

それが今回は「え、ここ入れたほうがよかった?」「でも入れるにはなんか中途半端な間だよね」の連続。千秋楽が近づいてるけど、いまだに慣れない。

野口先生、宝塚のショー見たことあります!?
拍手入れたことあります!? 
お客さん目線で楽しんで観劇したことあります!?


気持ちよく拍手が入れられない
→でも入れないと盛り上がらないので拍手が義務に感じられてくる
→なんか楽しめない

という負のループ。

拍手なんて自分の好きに入れたらいいし、強要されてるわけじゃないから入れたくないなら入れなくてもいい。

それはわかっているのです。

でも、拍手が綺麗に入った時と、貸切なんかでシーンとしてる時の盛り上がりって、明らかに違う。

ヅカヲタになると、そんな余計なことも考えてしまうのです。

幕開きから録音、あと「してあげる」歌詞な………

しかも、映像の音楽とプロローグの音楽をつなげたいからなのか、プロローグの曲が録音なのです。

目の前に! オーケストラがいるのに!

録音って、生オケと全然音の鳴りが違うので、テンション下がる。私は。録音でも仕方ないって効果があるならいいんだけどね……。

あと「囁いてあげる」「楽しませてあげる」「与えてあげる」「抱きしめてあげる」って、なんか上から目線な歌詞もいやー。

いや、好きな男役さんに言われたらときめくわって気持ちもわからなくはないんだけど、なんか男役にそこまで謙ってほしくないというか。なんか…わかります? このモヤモヤ………。

みりおさんがでっかいボス蝶なら、なぜもっと効果的に出さない!?

で、その次はみりおさん(明日海りおさん)が蝶々型のゴンドラで上から登場。

百歩譲ってゴンドラはいいとする。しかしなぜもっとゴンドラに目がいくように導線を作ってあげないのか……。

ふわっと見てたら気づいたらゴンドラ降りてきてて、みり様出てたわ。

みりおさんがでっかい蝶々なんだったら、どうして映像で蝶々が森の奥にいって幕開きにすぐに出さない?

幕開きすぐにガーデンのでっかい扉が左右に開いてみりおさんのボス蝶が登場!ならわかるよ。

なんで蝶々の存在忘れた頃にボス蝶出すのかわからない

あとみりおさんがゴンドラ降りて「party time」って掛け声入れるのだけど。言ってから紫のガウン脱いでゴールドの衣装になるのです。

どうして逆にしないんだろう。

ガウン脱ぐの、あっという間なの。

それならオケで引っ張って、衣装変えてスポット当たってから「party time」って言えばもうちょっと盛り上がるのに。もったいない。

掛け声かけてからちょっとだけ沈黙があるのがイヤ。



どうしよう、まだショーが始まって3分くらい(たぶん)なのに、こんなに不満が爆発してる。

大丈夫ですかお読みいただいているみなさん………。


あともうちょっとあるの、プロローグの問題。

もう少しお付き合いくだいませ…。

輪っかドレスのゆきちゃんをないがしろにしないで

プロローグのゆきちゃん(仙名彩世さん)は楕円形の輪っかドレスを着ているのです。わかるかな、横幅広めの輪っかドレス。

このドレスで銀橋に出るんですが。

銀橋渡り終わったら、袖にはけるんですよ。

横幅広い輪っかドレスだから、袖に入る時にどうしてもカニ歩きになっちゃう。

それが見えるだけでも寂しいのに、あろうことか銀橋を渡り終わる頃には本舞台に次の男役さんが出ていてそちらにスポットが当たってる。

ゆきちゃんをもっと大事に扱ってほしいの。

舞台からはける瞬間まで綺麗なままの姿で見ていたいの。

後半のシルクハットの場面だって、みりおさんが他の娘役二人の相手をしている間、ちょっとだけゆきちゃんが脇でひとりぼっちになっちゃうのだけど。それもいや。 

野口先生は娘役には興味ないのかなぁ…。 

生徒を並べて盆まわさないでほしい

プロローグの終わりは、スターさんが銀橋に出ている間、そのほかの生徒さんは盆に3段ケーキみたいに乗せられています。

この盆がぐるっと1周回るんだけど。

回す意味ある!?

盆に乗ってる生徒さんが見えるのはせいぜい半分。残り半分は客席から見えないのに(いちおう後ろが鏡になってはいるけど、個別認識できるほどじゃない)笑顔で盆に乗ってるのを想像するとツライ……。

しかも、舞台上に見たい人が存在してるのに客席から見えないのもツライ……。

野口先生、みんながみんな手前の人を順番に見ているわけじゃないのだよ……。

ひとりを追いかけて、ほとんど見えない後ろ姿にオペラをロックオンしている寂しさったらないよ……。


ついでにもうひとつ。

プロローグの歌詞で「色とりどりの花」って歌ってるのに、どうして衣装がみんな同じ色なんだ

色とりどりの花にしたらいいのに…。違和感あるよ……。



はああああああああああああああ。

とりあえず、プロローグ+αの胸につかえていたことを吐き出しました。

疲れた。

気分悪くなった方いたらすいません。

まだまだ言いたいことあるんだけど、書くべきかどうか悩む。
 
▼もし同じようなお気持ちの方がいらしたら、ポチっとお願いします。

宝塚歌劇団ランキング

▼右上の「テーマ別」から「宝塚歌劇」を選ぶと貸切公演のチケットページにいけます。
格安国内旅行なら阪急交通社で!



▼その他の宝塚系ブログさんはこちらから。