ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその373-鈴木家の嘘

2019年08月21日 | 邦画
嘘をつき続ける家族。

身近な人が、ある日突然この世の中から姿を消す。
それを知らない人に、その事実をどこまで嘘で突き通せるか。
あり得ない話である。
それは、映画なら可能なのか。
今回紹介する映画は「鈴木家の嘘」
自殺した長男の事を知らぬ人が、どこまで「長男健在」の嘘を突き通せるかと言う作品である。
ストーリーを紹介しておこう。

鈴木家の長男浩一は引きこもりである。
ある日彼は首を吊って自殺してしまう。
それを発見した母は、手首を切って気を失ってしまう。
浩一は死んでしまったが、母は生き残り、しかし、植物人間になる可能性もあると、医者は残った父と娘に告げる。
しかし、母は暫くして目を覚まし、リハビリに励む日々が続く。
問題は、母が倒れてから前後数日の記憶がなくなっていることだった。
医者はそう簡単に言うが、それは母が息子浩一の死を知らないということだ。
親戚中で相談した結果、浩一は叔父の仕事の手伝いで、アルゼンチンに居ることにして、浩一は死んでいないと言う嘘を突き通すことにした。
最初は納得していた母だったが、時が経つにつれて.......

この映画を観終わった時、正直言って呆れてしまった。
その作りの粗雑さ、内容の無さは、最近観た映画の中ではワーストである。
まる低俗なテレビドラマのような作りは、呆れてものが言えない。
観客に訴えるようなシーン、シークエンスは全くなく。
観客がイメージするようなシーンにまで、自ら語ってしまう。これでは「映画」ではもはやない。
カメラの動きも、カットの構図も平凡で、なんら取り上げる所もない。
若干浩一役の加瀬亮が、僅かな登場シーンで印象付ける演技をしたのが唯一の救いだ。
或る映画評論サイトで、5つ星を付けていた人がいたので、期待して観たが、全くの肩透かしとなった。
ウィキペデアでこの作品の事を調べたが、色々な賞を受賞している。あのキネ旬さえ6位に推薦しているではないか。
もう私の理解力を超えている、この現象は。
私としては、全く推薦しない映画ではあるが、人それぞれ、興味を持った方は観ても良いだろう。

2018年、日本製作、カラー、133分、監督:野尻克己

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