鳴ったので、インターフォンに出てみると、
「宅急便のお届けです。」
との声。
でも、モニター越しに見えるのは、明らかにヤマトのお兄さんでした。
何が届いたのかな?
そして、受け取った宅急便は、息子宛てのもので、
ご依頼主が、「買って当てようキャンペーン事務局」
品名が、「Panasonic衣類スチーマー」
何かを買って、応募して、衣類スチーマーが当たって、それが送られてきたことは確かです。
でも、息子は、懸賞に自分で応募するようなマメなタイプではありません。
私も、めったに応募したりしません。
が、息子よりはマメかも?!
私が、息子の名前を使って何か応募したっけ?
宛名が息子なので、勝手に開けるわけにもいかず、
写真を撮って、息子にLINEしても笑われそうで出来ず……
息子が帰って来るのを待ちました。
そして、帰って来た息子に、宅急便を見せてみると、
「お母さんが僕の名前を使って、応募したんでしょ?
僕が応募するわけないじゃん。
しょうがないなあ、開けてみていいよ。」
なんて、言われてしまいました。
中には、お手紙が入っていました。
そうでした、思い出しました!
息子が愛用しているサーモスの水筒がだいぶボロボロになっていて、新しい水筒を買いに行ったことを。
ビックカメラへ行き、株主優待券を使って、サーモスの新しい水筒を買いました。
そのとき、陳列コーナーの脇に、応募用のハガキがあり、何気なく取っておきました。
箱のどこかの部分を切り取り、ハガキに貼って、欲しい品を選び、応募するものでした。
息子の水筒を買ったのだから、息子の名前で応募しました。
切手は、自分で貼るようになっていました。
が、最近はハガキを出すことはめったになく、何円切手を貼るのかさえも覚えていませんでした。
ネットで調べ、
「フムフム、今は62円ね。」
と分かりました。が、我が家には82円切手しかありませんでした。
面倒なので、その82円切手を貼って、ポストに投函しました。
ここで、20円をケチケチしなかったから、当たったのかな。
私:「お母さんのおかげで当たって良かったね。」
息子:「そんなとこで運を使っちゃダメだよ。」
「法律上は僕のものだけど、しばらくお母さんに貸してあげるよ。」
とまで、言われてしまいました。
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そうしたら、読み終えるなり
「お母さんの文章、なんかリズムが悪いなあ。」
と言います。
「じゃあ直してよ」
「いちいち直すより最初から書き直した方が早い」
ということになってしまいました。
以下が、息子が書いた文です。
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昨日はふるさと納税の返礼品が佐川急便で届くはずだったので、家事をしつつ、楽しみに待っていました。
「ピンポーン」
「宅急便のお届けですー」との声。モニターには、グリーンの制服が映っています……あれ?
受け取った宅急便は、なんと息子宛てでした。
「ご依頼主」の欄には「買って当てようキャンペーン事務局」(なにを?)
そして「品名」は、「Panasonic衣類スチーマー」(なにこれ?)
何かを「買って」応募して、「衣類スチーマー」が当たったことは確かです。
でも、息子は懸賞なんて自分から応募するようなタイプではありません。
「切手代の方が期待値(当選品の価格×当選確率)より高くなっちゃうでしょ」なんて言ってしまうタイプです。
……じゃあ、私が息子の名前を使って、何か応募したのかしら?
宛名が息子なので勝手に開けるわけにもいかず、授業中なのにLINEで聞くわけにもいかず。
帰って来るのをちゃんと待って、一緒に開封しました。
中に入っていたこんなお手紙を見て、思い出しました!
息子が愛用している水筒がボロボロになって、最近買い換えたんでした。ビックカメラで株主優待券を使って買ったので、実質タダでした。
箱の一部を切り取って、陳列コーナーに置いてあったハガキに貼り付け、息子の名前を書いて応募したのです。ほら、一応、息子の水筒を買ったわけですし。
切手を自分で貼るタイプの応募ハガキでした。
……ところで皆さん、今、ハガキを出すとしたら、いくらの切手を貼ればいいかわかりますか?
私も忘れていて、調べてしまいました。正解は62円です!
ところが。我が家には82円切手しかなかったので、面倒くさがりの私はその82円切手を貼って、ポストに投函したのです。
ここで20円をケチケチしなかったから当たったのかな、なーんて。
私 「お母さんのおかげで当たって良かったね」
息子「こんなところで運を使いたくなかった……」
実家暮らしの男子大学生には無用の長物です。嬉しいのかそうなのかわからないような、ちょっとむすっとした顔でした。
そして、こんなことを言い残して、息子は自分の部屋に戻っていってしまいました。
「法律上は僕のものだろうけど、しばらくお母さんに貸しておいてあげるよ」