Maria Creuza e os Grandes Mestres do Samba
Sony Music Entertainment
2018-09-28


マリア クレウザ  cordas e correntes  1975




マリア クレウザといえば、日本のRCAが組む70年代後半のブラジル音楽のオムニバスでは、その感応的なバイーア的サンバが印象的だった、いわゆる美人歌手。まあ整形なんだけど。私はRGEレーベルの整形前のお姿のボッサアルバムも持ってるが、まあなんとも。

しかし あのヴィニシス モラエスの目にとまり、夫君のアントニオ カルロスのバイーアなカンソンの楽曲のユニークさも相まって、70年代半ばにブレイクした。日本でも当時アルバムが、的確な邦題つきでリリースされていた。サンバリバイバリストの、ベッチ カルヴァーリョとともに。

私も70年代後半に彼女の音楽の素晴らしさを知り、ブラジル音楽ビギナーとして、高校生なのに、意外とよく聴いていた。
 真夜中のマリアのあなたは何処にとか。
しかし今回は、先日自分のアナログを整理して出てきた、1975年リリースの夜明けのサンバから、カルトーラのSoldado de amor。
実はこのレコードは、90年代購入して、ほぼ聴いてなかったので、今回改めて、彼女にとってもユニークなコンセプトのアルバムだと知った。
 リオの裏山のサンバと呼ばれる、ヴィンテージなサンバの巨匠たちの楽曲を歌う、サンバアルバムなのであった。バックも、完璧なサンバスタイルで、時折聞こえるアコーディオンのオブリガードなど、素晴らしい。そこにコケティッシュなマリアのヴォーカルが乗ると、なかなか得難い女性ヴォーカルのサンバとなるのだ。

彼女は、バイーア出身で当然カリオカでは無いのだが、ヴァーサイタルなヴォーカリストで、ヴィニシスと、トッキーニョと演ったボサノバも、本当に素晴らしく、かつバイーアの匂いたっぷりの、旦那アントニオ カルロスの曲もエレガントに歌える。もちろんマリアのクールでコケティッシュな個性はそのままに。
というわけだ。
Soldado de amorも、カルトーラの楽曲で、カバキーニョのサンバを刻むストロークが、粋なリオのサンバである。そこにマリアのあの深さのある声が乗ると、なかなか得難い魅力だ。

他もゼーケチ、モナルコ、エルトン メロディス、マルチーニョ ダ ヴィオラ、ネルソン カバキーニョにギリエルミ ジ ブリトと、サンバの偉大な巨匠たちの名曲ばかりのアルバム。

不覚にも、リリースから45年、購入から20年、しかも針は落とさず、spotifyで聴いて、こうしてこの文章を書いている。

spotifyでは、近年といっても、10年前リリースされたバーデン パウエル集も聴けたが、これも素晴らしかった。

ここ最近も、spotifyで様々な音楽を聴き、ラジオも細野氏のハワイ チャンプルーリバイバルなど、相変わらず素晴らしいが、やはり分裂気味な乱食リスニングに疲れ気味で、マリアの時を止めるような歌声で、我にかえるような気分。

自分のアナログコレクションを振り返るのは、その音以上に、購入時の思い出が蘇るのは不思議な気がする。結構逸品揃いのラインナップに、当時の真剣なレコードハンティングが、苦笑混じりに思い出される。
 よく通い、よく掘ったものである。

といいながら、ハワイ チャンプルーは、中三で出会えた名盤である。よくこんな非ロックに出会えたものだ。スチールギターラグも大好きだった。
 あのスチールギターは、ソル ホーピーよりは、ジェリー バードだったと知ったのは、15年後のハワイのもらったスーベニアのCDで。なんて事も思い出す。
あとハワイ チャンプルーは、ウチジャケの久保田、細野氏のチャイニーズレストランでの集合写真。
国府輝幸のサングラス姿。憧れたかも。田舎の中学生。国府氏はまだ10代?それであのニューオリンズピアノ!
そんな事もつまびらやかになる、久保田、細野トークのラジオは、やはり素晴らしい。

と、いつも通りのマリア クレウザからの脱線ぶりだが、他4曲は、チャンプルーとマリアから。

久保田麻琴と夕焼け楽団  スチールギターラグ
久保田麻琴と夕焼け楽団  ムーンライト フラ
マリア クレウザ    rala rala
マリア クレウザ    voce absou

それと ロス ベシーノスのメレンゲもよく聴いた昨今でしたと、加えて。


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