Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

あくまでも「議論」としてなら

2019-03-17 20:37:53 | 国際・政治

一昨日、南半球 N.Z国の主要都市 クライストチャーチにて生じた、イスラム寺院「モスク」襲撃事件に衝撃を覚えた各位は多いだろう。分かっているだけで犠牲 50名、負傷数十名を数え、白人至上主義思考とされる男性容疑者は 事件の詳細を動画にてインター・ネット上に表していたとされるのも驚愕と言える。

犠牲各位への弔意、被害各位へのお見舞いと共に この暴挙が許される訳では勿論ないが、所謂グローバル化が決して良い事ずくめではない事実を、本件は世界に示したのではないか。国境を越えた人々の自由な往来は良いが、宗教や習俗が根本から異なる人々が 隣人として生き、暮らす事はやはり困難が伴う事を 改めて感じさせられるものだ。同時に N.Z国も例外ではない移民に関する問題は、やはり欧米等先進国に国富が偏在する事によって起きているのだという事実も、再認識されるべきだと心得るのだが。

本題です。こうした移民の問題とも一定関連する国防安保の問題。安部政権が維持に血道を上げている日米同盟も 今後の事は不透明であり、より我国として主体的な安保政策に踏み込む必要性も指摘される所だ。この所につき、政治学者・三浦瑠璃さんが これまでタブー視されて来た 徴兵制にも触れた見解を著書で表された様だ。以下、ネットで見かけた某書評を引用して 少し見て参ろうと思う。

「徴兵制」

(三浦さんの)処女作「シビリアンの戦争」では、文民が軍人の反対を押し切って行う攻撃的な戦争が民主主義国に多数みられることを指摘し (軍)人が暴走し市民は平和的であるという前提は必ずしも当たらないとした。そこで「文藝春秋SPECIAL」では「平和のための徴兵制」を導入することを提案し 第二次大戦後、米、英、仏などの豊かな民主国家が起こしてきた主要な戦争の殆どが「血を流す兵士と異なり コストを意識しにくい政権と国民が民主的に選んだ戦争」であり、それに対する処方箋は「血のコスト」を平等に負担することで国民のコスト認識を変えさせることである、としている。

先進国の政権が民意に支持されて、自分たちより力の劣る国に対し軍事介入を決断する場合、核抑止や国際法だけでは防げないことを歴史は示している。核抑止は核保有国間の戦争を封じることにしか繋がっておらず、主権国家が欲すれば 国際法は自国に有利なように運用解釈することで事実上回避できてしまう。こうした第二次大戦後に頻発している中小規模の戦争の抑止が 現在取り組まなければいけない平和への課題であり、そのような戦争を防ぐためには軍が暴走しないように文民統制シビリアン・コントロールをすることよりも 実は血のコストを忘れ、時に好戦的になるシビリアン自体をコントロールすることの方が重要である、としている。

実際に民主化以降も徴兵制を導入しているイスラエル共和国や大韓民国では、突発的に戦争が起きれば 自らの命や家族の命が危険に晒されることから、国民が常に戦争に対して「リアル」や「責任」を感じており、戦争や敵国に対して 非常に抑制的であるとしている。自ら戦争に行くことのない国民が志願兵の派遣を判断していては 戦争のコストは国民には実感されず、結果として「イラク戦争」のような 現場で血を流している軍事関係者の反対を押し切った安易な戦争が繰り返されてしまうと主張している。一方で 戦争をするための徴兵制には否定的であり、平和安全法制の議論で 旧民主党から徴兵制の可能性を示唆するパンフレットが作られたことに対して「悲しかった」と述べている。(引用ここまで)

少し前の 平成時代前半までだったら、こうした見方の議論さえ憚られる風潮があったろう。それが一定解消されてきたのは、こうした所の議論を行うのも「言論、表現、思想信条の自由の内」である事が、ようやく認知され始めた証とも言えるのではないか。まだ本編を拝読していないので 立ち入った言及は控えるが、ここまででも 三浦さんは相当な思考の上で、前述の主張をされているのが分かる様に思うのだ。

特に、今世紀に入って以降 我国を取り巻く安保情勢は難しくなる一方で、今の内からこうした議論を進めておく事は、拙的には必要だと思う。核兵器保有の事共でもそうだが 徴兵制、或いは国民皆兵のあり様や可否なども 議論としては俎上に乗せて良い。それが言論の真の姿だ。それさえも認めない左派勢力の出方は、明らかな言論封殺と言えるのではないか。今回画像は、春には山場を越す 当地南郊の三重県下から長野県方面向け燃料列車の様子を。以下に、三浦さんの関連記事をリンク致します。 https://bunshun.jp/articles/-/10987


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2 コメント

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Unknown (のん子)
2019-03-18 22:05:28
少し前なら徴兵制なんていうとボコボコにされました(汗)安保案の時でも左さんから息子さんを最前線に送るのですねとコメントが。

徴兵制=無理やり=死のイメージがありますからね。
でも現代の戦争は歩兵隊とは程遠く、高度の頭脳と技術がなければ兵士にはなれないでしょう。
気持ち的には、有事の際は国民皆兵でしょう。
老人、女性でも敵とは戦わなければなりません。
何も戦いは武器だけではありませんからね。

言葉巧みに反日に誘導されないようにしなくちゃです。
丸い形の列車は可愛いですね♪
安保も 時代と共に (HAKASE(jnkt32))
2019-03-19 13:07:36
のん子さん、今回もご見解を有難うございます。

本当に仰る通りで、つい近年まで徴兵制を含めた国防
安保の事共を率直に語り難い空気があったのは事実です。

賛否とか異論はあるも、橋下 徹さんや三浦瑠璃さん
は そうした風向きを少しは変える事に貢献した方々と心得ます。

現代戦は 第二次大戦までの頃とは異なり、頭脳戦や
情報戦の側面も大きい所も同意です。ホント武器だけ
が戦じゃありませんもんね。

画像の方も一礼です。丸みのある貨車編成は燃料便
で 見ている方まで温まれるのは事実ですが、一方で
やはり危険物を運んでいるって緊張感も必要でしょう。
まずは お礼まで。

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