気づいたら片想い ―失踪彼女―18 | じゅりれなよ永遠に

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(西野七瀬side)

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玲奈さんは無表情で姿を現した。

 

「珠理奈・・・それに七ちゃんまで、

 そっか、私の過去を知って

 ここまでたどりついたのね。

 まあ、入って。」

 

玲奈さんの住む部屋は

6畳と2畳半の台所がある

小さな部屋だった。

 

小さな折りたたみの机の前に

私達は正座して座った。

 

「そんなかしこまらないで、

楽にすわってよ。」

 

玲奈さんはそう言って、

私達にコップに入れたお茶を差し出し

足を崩して座った。

 

「ごめんね、黙っていなくなって。

でも、珠理奈のことだから

全部調べてここに来たんでしょ?」

 

「うん、だいたいね。

要は環奈さんに

今の玲奈ちゃんの生活を非難されて

玲奈ちゃんは孤独になることで

環奈さんのお父さんを死なせてしまった

罪を償おうとしているんでしょ?」

 

「こんなことで

償えるとは思っていないわ。

ただ、本当に貴方たちといると

楽しかったの。

だから、環奈さんを

不幸のどん底に落とした私は

こんな幸せな気持ちになれる場所に

いたらだめだと思ったの」

 

玲奈さんは神妙な面持ちで発言した。

 

「でも、環奈さんのお母さんを

救ったじゃないですか!

だから、あの事件は不可抗力ですよ。」

 

私は玲奈に正当性を訴えた。

 

「ありがとう、七ちゃん。

でも、理由はどうであれ

環奈さんのお父さんを奪ったのは

間違いないの。

だから、私は幸せにはなってはいけないの。」

 

「そんなぁ・・・

もう、恋人になろうとか思わないですから

友達でもだめなんですか・・・」

 

「七ちゃん、ごめんね。

でも、私はもうだれとも

関わるつもりはないの」

 

だめだ、玲奈さんの決心はかたいよ。

どうしたらいいんだろ・・・