緊急事態に備えられる法整備・基本的人権の尊重 | Tempo rubato

Tempo rubato

アニメーター・演出家 平松禎史のブログ

 

ユーリ!!! on ICE 劇場版:ICE ADOLESCENCE

 

………

 

『さよならの朝に約束の花をかざろう』 http://sayoasa.jp/

 

10月26日、Blue-ray/DVDの発売開始です。

ブックレットで井上俊之さんと対談してます。こちらの中身も濃ゆいですよ〜〜。

 

下北沢トリウッドにて、DVD発売記念上映があります。

9月29日から10月8日の10日間!

https://twitter.com/sayoasa_jp/status/1036545772622233600

 

 

P.A.WORKS発刊『さよならの朝に約束の花をかざろう』

井上俊之原画集 発売中

《原画集には1カットずつコメント書きました。 購入特典として私と平松さん堀川Pのコメンタリー付きの原画を撮影した動画を見ることができますよ! よろしくお願いします。》

井上さんのツイッターより https://twitter.com/181ino/status/1001495100088664064

P.A.WORKSサイト http://paworksshop.jp/shopbrand/ct36/

 

第21回上海国際映画祭で

金爵奨:アニメーション最優秀作品賞を受賞しました。

https://natalie.mu/eiga/news/288239

 

 

…………………………………………………………………………………………………………………

 

 

台風21号は四国東部から近畿を縦断し日本海沿岸に沿って進行。

現在は温帯低気圧に変わったようです。

 

パッと晴れた日には地震が起こりやすい、というジンクスを昔聞いたことがありますが、早朝に茨城県沖で震度4の地震があった。

このジンクスは、当たるたびに「たまたまか…」と思い直すのですが

当たる頻度がかなり高いんですよね。

 

というわけで、一年中自然災害の心配をしなくてはいけない宿命を負うのが日本です。

 

日本は間違いなく 災害大国です。

 

国の面積リスト

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%9D%A2%E7%A9%8D%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88

 

国の人口密度リスト

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E5%AF%86%E5%BA%A6%E9%A0%86%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88

 

人口密度を見る上では「面積」より「可住地面積」が重要

https://skei0129.com/2017/07/30/post-3676/

 

自然災害の多い国 日本

http://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary09

 

細長い国土に脊梁山脈が貫き、まとまった可住地は沿岸に集中している。

川の水は急峻な山から流れ落ち、氾濫する危険な川が全国に存在する。

山間の可住地は孤立しやすい。

地震・津波の危険が常にある。

火山噴火の可能性も高まっている。

 

そんな環境に住んでいる。

 

 

猛威を振るう自然は、同時に恵みをもたらしてくれる、憎むわけにはいかない。

だから、先人は国土に働きかけ、できるだけ災害を防ぎながら助け合って生きてきた。

 

外国にあるような、人間同士の深刻な軋轢は(今のところ)少なく、助け合いを常識の最上位にする国です。

 

「麗しき日本精神」

 

ところがです。

 

その「麗しき日本精神」が弊害を生むこともまた、日本の宿命と言わざるを得ません。

 

 

台風が直撃し、暴風が吹き荒れる中、様々な映像がツイッターに投稿されていた。

運送会社のトラックが横転する映像、多数。

ピザ屋のスクーターが動けなくなり、風で転倒する映像、これも多かった。

浸水して3000人が孤立した関西国際空港。

 訂正:従業員含め5000人、毎日新聞によれば8000人 とのこと。

 

25年ぶりの巨大台風だ、と気象庁が警告してから、上陸するまでに2、3日はあったと思う。

多くの企業が当日までに休業を決めたようだが、野外で活動する仕事を続けた会社も多々あったわけです。

死者数は心配したほど多くなかったようですが、無理な出勤で怪我をしたり、仕事道具を破損した会社は多かったでしょう。

 

民間企業に、休業と社員の自宅待機または避難を命じることはできなかったのか。

 

台風が過ぎ去った翌日も、停電や、壊れた看板、吹き飛んだ屋根、倒れた木などで道路や鉄路が混乱している。

関空は閉鎖状態。

これで通常営業しろというのは酷ではないか。

 

しかも

翌日すぐに民間企業が通常営業を開始してしまったら、散乱した危険物の片付けや、寸断された電線、倒れた電柱、倒壊する危険のある建物、などなどなどの状況を把握するのに時間がかかるでしょう。二次災害の危険もある。

さらに

インフラの脆弱化を見過ごしたまま「普段の生活」に戻ってしまいかねない。

そうやって、危険なインフラや、防災インフラの不備が見過ごされ、蓄積し、救えるはずの命が救えなくなるのです。

 

状況調査を集中的に行うためにも、今回のような災害時には2〜3日の休業を命じることはできないだろうか。

 

どんな時でも、誰かのために働こう。そんな風に考える国民が多いのです。

緊急事態には「麗しき日本精神」が命を奪いかねない。

誰かが責任を負って、「休め」と命じる必要があるのです。

 

だれが命じるのか。

 

政府です。

 

 

この考え方は、緊急事態法に通じるものです。

政府、自民党は、憲法に緊急事態条項を設けることを度々提案しますが、憲法に書かなくても出来るでしょう。

日本国憲法には、基本的人権を尊重する権利規定があります。

 

基本的人権を最優先するために、これに含まれる様々な権利には制限を課す。

法律で十分でしょう。

 

生存権を守るため、企業の営業活動の権利や、個人が外出する権利など、社会権に類するものは、大規模災害時には一定の制限を課すこと。その法律を整備することは可能だと思う。

 

災害の規模、制限する権利の種類、制限する期間、休めないどころか災害時にこそ働かなくてはいけない医療関係や公務員もいますから、議論が必要です。

しかし

災害時にまで、無理な営業活動を強いられ、命を失ったら、それこそ基本的人権の守られない情けない国、てことでしょう。

 

外国の例も参考にすれば良い。しかし外国の場合はほとんど戦争を対象にしてると思います。

だから、日本ではリベラルな人の緊急事態法に対するアレルギーが強い。

でも、災害時に基本的人権を守るには、平時の個別な権利は制限する必要があるでしょう。

その考え方に則って、避難勧告等が出されたり、借金返済の延滞が認められたりするのですから。

 

【基本的人権】
人間が人間である以上,人間として当然もっている基本的な権利。日本国憲法は,思想・表現の自由などの自由権,生存権などの社会権,参政権,国・公共団体に対する賠償請求権などの受益権を基本的人権として保障している。基本権。

(大辞林第三版)

 

一般的には

基本的人権とは表現の自由など諸権利も一体的に規定していると理解されてると思う。

たとえば、表現の自由で論争が起こるのは、表現における基本的人権を広くかつ全て一緒くたに考えるからでしょう。

しかし

表現の自由は、公序良俗に反しない限り、という制限があります。

 

基本的人権が、「人間として当然もっている基本的な権利」であるならば、人間らしく生きること(生存権)が最優先されるのだと思う。

人間らしく生きる基本的人権を阻害する表現なり行動言動の権利は、(法に基づき)制限され罰せられもするのです。

 

なぜなら、人権(Human Rights )は、人種や性別、貧富、階層、考え方、趣味嗜好、さらには宗教という、様々個別の特性や相違を取り除いてもなお、人間が持っている権利だと考えられたからです。

ですから、基本的人権を尊重するとは

場合によっては、人種や性別、貧富、考え方、趣味嗜好、宗教などから、いずれかを制限する可能性を含んでいるのだと思う。

 

生存が危ぶまれる時は、個別な社会生活の中の諸権利よりも、生存という基本的人権を最優先しなければいけない時があるのです。

 

 

台風・豪雨のように、経験則で事前にある程度の被害想定が可能な災害では、民間企業に営業を停止させ、国民の命を守る必要があると考えます。

 

肝心なのは、企業が休業しても経営に響かない保障措置の整備。

停止期間中でも生活への支障が少なく済むための備蓄整備、などです。

 

激甚災害指定は事後に出されるものですが、事前に保障できる法律を作るのです。

そうすれば、企業は躊躇せず休業しやすくなるでしょう。

休業した分が有給消化にされたり給与から引かれたりすることもなくなります。

 

また、倒壊の可能性が高い住宅は、費用を状況に応じて負担し、補修や建て替え、移住を要請することも必要でしょう。

 

もちろん、全てにおいて議論、話し合いが必要です。

言い換えれば、助け合いです。

 

 

では、予測できない地震や津波はどうなのか?

 

これは、災害を小さくする防災・減災、国土強靭化を徹底的に進めるのが最優先です。

事前の対処という意味で、同じです。

台風・豪雨・豪雪・酷暑でも同じです。

 

いつ起こるかわからない災害に、事前に対処しておくことが必要なのです。

多額の予算を投入して、いつ役に立つかわからない備えをできる主体は、政府だけです。

 

そもそも論で言えば、簡単なことです。

 

政府が財政拡大し、建設国債でも、防災国債でも、投資国債(安藤裕議員提案)でも、名前は何でも良い、将来の国民を守るため、豊かな生活をもたらす投資を

事前に

政府が

積極的に

やれ!

 

ということです。

 

日本に財政問題はありませんから。

 

 

災害時に仕事を休めるようにすること ひとつとっても、誰かがその責任を負い、損失を保障しなければならない。

個人や会社や自治体に負わせたら、できなくなってしまいます。

それは政府の仕事です。

対処には法整備と予算が必要です。

 

緊縮財政は基本的人権を害している。

 

国民の生命財産を第一に考えるのなら、迷うことなく、財政拡大しなければならない。

経済成長によって、国民全体に余裕を持たせることです。

 

その決断ができない内閣なら、総辞職させなければいけません。

なぜなら

国民を守らない政治家はクビになると教えなければ、延々と一部企業や外国を利するような

つまり現政権のような政治が、総理が誰に代わろうと続くことになるのです。

もうなってます。

 

変えていきましょう。

 

 

…………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 


人気ブログランキング