臨済宗南禅寺派圓通寺

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観世音菩薩

2020-05-16 | 坐禅研修

先ず、菩薩について上座部仏教と大乗仏教では違いがあります。上座部仏教で特別な修行をした僧侶、あるいは仏陀の悟りを開く前を菩薩と呼びます。大乗仏教の時代になると、菩薩ということばの意味が広くなり、出家者だけでなく在家者を含めて「道を求める者」はみな菩薩と呼ぶようになりました。加えて自分の修行だけではなく、わが身を捨てて利他の心をもって他の苦を除き、楽を与える人を菩薩と呼びます。

観世音菩薩は「世の音を観じる菩薩」と書きます。その音とは「救いを求める声」です。国宝、奈良法隆寺の救世観音は有名です。救世も観世音の異なる訳です。世界仏教という立場では仏教者のみならず、衆生のためにわが身を捨てて利他の心で働く人たちはみな観世音菩薩です。宗教的立場は違っても1979年ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサ(1910~1997)も観世音菩薩とよべるでしょう。

 何年か前ですが、私が駐車場の掃除をしていると、小学生の女の子が自転車に乗って「おはようございますー」と通り過ぎました。春風に乗ってすがすがしい挨拶でした。サンスクリット語の観世音菩薩は「変身する菩薩」という意味があります。このときブッダは女の子に変身して私に説法をしました。「朝はさわやかにあいさつをしましょう」と。


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