偏愛的アート、音楽、書籍 雑記帖 by やまみ

日々見聞きした音楽をはじめ、アート、本、はては、道端ののら猫(=^・^=)に至るまで、まったりと雑感を綴ったものです

ついに大台に

昨日誕生日を迎え、ついに大台に。 
メッセージをくださった方、ありがとうございます。 
中身は『厨二の夏』で止まったまま(?)、大したこともできずにこの歳まで来てしまった感が。 
…せめて秋まで行っていれば、もう少しはましな人間になっていたかも!?。 

なぜか以前から年齢のことが頭に浮かぶと、大作曲家の死んだ年齢と比較する癖がある。 
いつしかペルゴレージ(26歳、Pergolesi, 1710 - 1736, イタリア)を超え、 
シューベルト(31歳、Schubert[1], 1797 - 1828, オーストリア)を超え、 
モーツアルト(35歳、Mozart、1756-1791, オーストリア)を超え、 
ショパン(39歳、Chopin, 1810-1839、ポーランド)を超え、 
ついにマーラー(50歳、Mahler,1860 - 1911, オーストリア)と並んでしまった。 
次の大物だとベートーヴェン(56歳、Beethoven, 1770[2] - 1827, ドイツ)あたりであろうか。 

マーラー『交響曲第3番』
アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団

別段、長生きしたいというのは全くないのだが、
できれば65までは生きてみたいとぼんやり思っている。
というのは、最も好きな作曲家の一人であるF.クープラン(64歳、F.Couperin1668 - 1733, フランス)がほぼ65まで生きていて、
(生まれた年もちょうど300年回ったところで同じだし)、
なんとなく、同じ目線まで体験してみたいと思っているからである。

時代も環境も全く違うのに(つーかそもそも人間の出来が違うだろーが)、勝手に親しくとらえている、
勘違いも甚だしい限りだが、とにかくそんな風に思っている。
ちなみに大バッハ(65歳、Bach, 1685 - 1750, ドイツ)も65歳で亡くなっている。

逆に長寿の作曲家だと、
ヴェルディ(87歳、Verdi, 1813-1901, イタリア) や
シベリウス(91歳、Sibelius, 1865  - 1957, フィンランド)あたりだろうか。

今年はF.クープランの生誕350年ということで、
録音やコンサートが増えることを大いに期待している。


F.クープラン『聖水曜日のルソン・ド・テネブレ』第3ルソン
William Christie & Les Arts Florissants





Couperin: Trois Lecons De Tene
F. Couperin
Harmonia Mundi Fr.
2016-09-09




たった一夜限りの甘い夢―ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサン<イタリアの庭で~愛のアカデミア>

ウィリアム・クリスティ&レザール・フロリサン<イタリアの庭で~愛のアカデミア>
2016年10月13日(木)サントリーホール

10年振りの来日、しかも一日だけの講演ということで、足を運ぶ
(運ぶといっても、現在本業のSEの現場がアークヒルズにあるため、すぐに眼下ではあるが)。
指揮・音楽監督を務めたウィリアム・クリスティ氏は、
今日のバロック音楽のピリオド演奏(当時の楽器、演奏法での演奏)において、
彼の存在なくしては絶対に語れないし、
72歳となった今でも最先端かつ最高のクオリティの演奏をされている。
 
lesarts-01(出典:Aspen)
プログラムは
前半はバロック期の
・ストラデッラ(Alessandro Stradella, 1644 - 82 伊)
・ヘンデル(Georg Friedrich Händel, 1685 - 1759 独→英)
・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi, 1678 - 1741 伊)
などの声楽作品

後半は古典派の
・ハイドン(Franz Joseph Haydn, 1732 - 1809 墺)
・モーツアルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-91 墺)
・ポルポラ(Nicola Porpora, 1686 - 1768 伊)
などの声楽作品を

まるで一つのオペラ作品であるかのように、シームレスに演奏していくという、
ユニークな形式のものであった。
通常、こういうことをすると、ツギハギ感が否めないものになりがちだが、
構成、選曲、そして演奏が素晴らしいため、
非常に自然に、楽しく堪能できる流れを作っていた。 
Spict002(出典:Aspen) 

それにしても、楽器といい、声といい、
まるでシルクのように艷やかで滑らか、
声なのか、ヴァイオリンの音なのか区別がつかなくなるくらいに、
見事にそれぞれの音が溶け合っていて、
音ってこんなにも美しいのだったろうかと思うくらいであった。

今日では、若い世代の優秀な演奏家や録音が多く出ているが、
これはいまだにクリスティーでしか出来ない芸当、香り立つ音空間だと、思い知らされた。
同じ食材で同じものを作っても、料理人次第で全く料理のレベルが変わってしまうように、
どの作曲家のどの作品を用いても、
クリスティーの手にかかると、彼ならではの新鮮で豊穣で色っぽい音楽に化けてしまう。

今回の日本の公演ではないが、同じプログラムの動画があったので、ここに紹介する。
Le Jardin des Voix : "Un Jardin à l'Italienne" (Les Arts Florissants, William Christie)


思えば、氏の録音を初めて聴いた頃から、もう30年近くが過ぎようとしている。
そのクオリティの高さは昔も今も変わらない。
クリスティーといえば、まず真っ先に挙がる作曲家は、
M=A.シャルパンティエ(Marc -Antoine Charpentier, 1643 - 1704 仏)だろう。
埋もれていた彼の作品を、最高の演奏で復活させた立役者であり、
楽団のレザール・フロリサンも、
彼の牧歌劇『花咲ける芸術』Les Arts Florissantsから命名されたものだ。
 
当時シャルパンティエの録音など、数えるほどしかなかったが、
たまたま図書館で借りた(当時はLP!)2枚のアルバム
■『待降節の聖歌集』Antiennes 'O' De L'Avent H. 36-43/Noels Pour Les Instruments H.534

■クリスマス牧歌劇『パストラール』H483 Pastorale sur la naissance de Notre Seigneur Jésus, H.483

を聴いて、一気に(当時はまだかなりマイナーだった)いわゆる古楽に興味が傾いて、
特にフランスバロックを中心に、シャルパンティエやら、リュリやら、デュモンやらを聴きまくった。
若気の至りで熱中して、ファンレターなども出したほどだ。
当時は今ほどメジャーではなかったせいもあるとは思うが、
一度返信をいただいたことがあり、それは青春の恥ずかしく苦い思い出と共に、

日曜の午後は銀座でブルースなひとときを―季衣&THE BLUES ROAD LiVE@TACT

9/25(日)は銀座みゆき通りにほど近い銀座TACTに、根岸季衣さんのライブに。
幸い前日までの天気とは打って変わって、秋晴れ。
相方と銀ブラするのも結構久しぶり。
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普段は主にクラシック、
しかもメインはバロック以前のもの、とかなり偏った比重で聴いているため、
ブルースは全くと言ってよいくらい、何が何かもわかっていないが、
感じたままをつらつらと。

明るい真っ昼間からブルースというのも、
イメージと違うと思われる向きもあるかもしれないが、
会場に入ってしまえば、それらしい雰囲気で、何ということはない。
(そもそも、詳しくないので、そんなイメージ自体にすら頓着がない)

広いところではないとはいえ、
結構満席に近い状態で、予想以上に混んでいた。
音楽・映画・舞台・テレビ等、多方面で活躍されていらっしゃるため、
当然ながら、見るからに関係者っぽい出で立ちの人も多かった。
映画『まなざし』の卜部監督の姿も。
ウチラのような本当に一般の人間は少ないのかと思ったが、
ライブ中、今日初めて来た人を尋ねた時に、
結構な数の手が挙がっていたのは、
少し意外だった。

根岸さんのパワフルな歌と踊り、サバサバとしたキップの良い楽しいMC、
沢田冬樹さんの見事でクールなブルースハープ、
的確にノリを支えるリズムとベースライン等々、
冷静に分析すれば、多くの要素があってのことだとは思うが、
何かよくわからないが、とにかくすごく楽しかった。
これは相方も同じだったようで、超ノリノリで楽しんでいた。

普通にいいな、と思うことは予想していたが、
ここまで、しかも何故だかよくわからないのに楽しめるとは思っていなかった。
そんなに頻繁ではないものの、過去色々なライブには行っているが、
ちょっとそれとも違う、楽しさだった。

曲目は、後で列挙するが、
個人的には「I Feel Good」でのノリとキレが特に楽しめた。

聴いていて、
(ジャンルも違うし、レベルもお話にならないものの)
昔バンドの真似事をしていた頃の感覚が、
なぜか少し懐かしく思い出された。

あと、BGMでブルースがよく使われていたためだとは思うが、
松田優作さんの代表作の一つとしても有名なテレビドラマ「探偵物語」が浮かんできて、
(何度も観ているが)久々にまた観たくなってきた。
――そういえば根岸さんも第16回の「裏切りの遊戯」に出演されていたっけ。
探偵物語 Blu‐ray BOX(初回生産限定) [Blu-ray]
松田優作
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2015-03-13

 

■曲目一覧

Come Together
横浜ホンキートンクブルース
Hound Dog
Let The Good Times Roll
Get Out Of My Life Woman
Fever
I Feel Good
Every Day I Have The Blues

I Just Want To Make Love To You
☆The Wonder of the night in 銀座
☆アンニュイ唯尼庵
Tobacco Road
The Sky is Crying
Hey Bartender
Kansas City/Hey Hey Hey
(☆:オリジナル曲)

Wonderful World
SweetHomeChicago

今回の演奏ではないが、Sweet Home Chicagoを


■おまけ
会場を後にして、
中央通りに出る手前、
EXITMELSA(イグジットメルサ)の角のところに、
妙な人だかりが……。

なんと、みゆき通りの標識の上にニャンコがうつらうつらzzz
 DSC_0191
やがて飼い主らしきおじさんが現れ、
背中を見せると、肩の上にぽてっと乗って去っていったが、
あれだけ人馴れしているとは…うちの猫のチイチャン(超人見知り)とはエライ違い。
DSC_0196
 
映画『まなざし』
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