はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
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心と体と(ネタバレ)

2018年06月29日 | 映画


昨日は電器館で上記を観てきました。

ハンガリー映画なのですが、ジャンルとしては恋愛物なのでしょう。
しかしファンタジーの要素もあります。

ヒロインのマーリアは31歳の美人ですが、おそらくはアスペルガー症候群で、対人関係をうまく構築できず、職場でも浮いた存在になっています。
しかし、驚異的な記憶力と視力で、仕事は的確にこなしていきます。



ヒーローのエンドレは職場(場)のトップで1952年生まれですので65歳くらいです。
離婚歴があり一人暮らしですが、左腕全体が完全に麻痺しています。
障碍のためか、どこか人生を投げやりに過ごし、他人との深いつながりを避けています。



したがってこの作品には、障碍者同士のラブロマンス物という一面もあります。

ストーリーは、深い森の中を雄と雌の2頭の鹿が仲睦ましく歩き回るシーンで始まりますが、無音で幻想的です。

職場での盗難事件の犯人を特定するために精神科の女医が呼ばれて、全員の面接を実行します。
その時に、前の晩に見た夢を尋ねられるのですが、マーリアとエンドレが見た夢は全く同じものでした。
冒頭の鹿のシーンでマーリアは女鹿に、エンドレは牡鹿になった夢を見たのです。
牡鹿が雪を掘って、女鹿に、その下の葉を食べるように促したり、小川で一緒に水を飲んでいる時にお互いの鼻が接触したりとディテールまで一致したのです。
このことは、口裏を合わせたと診断した女医が二人を呼びつけて叱責したことで、二人が知ることになりました。
それでも二人は半信半疑のままでした。
ところが、それから毎晩、二人は鹿の夢を見るようになります。
ある日、お互いが見た前の晩の鹿の夢を紙に書いて交換したところ、完璧に一致してしまいました。
さすがに二人とも不思議な現実を受け入れるようになり、別れ際には、” 後は夢の中で.....” などと洒落たセリフを吐くようになります。
やがてマーリアはエンドレの部屋に泊まりに来ますが、マーリアは心ではエンドレを受け入れているものの、肉体的には拒絶反応を示してしまうのです。
エンドレもマーリアの病態を理解し、お互いの関係を友人のままでいくことを提案します。


マーリアは幼いころからカウンセラーに通っていて、その精神科医に恋愛をうまくこなすコツをコンサルトします。
答えは、AVを観る、恋愛の本を読む、恋愛の曲を聴く.....などでした。
それらの課題を着々と実行したマーリアは電話でエンドレにもう一度泊まりに来たいと頼みます。
しかし、エンドレは苦しむくらいなら友達のままでいた方が良いと拒否します。
悲観したマーリアは絶望的な悲恋のCDを聴きながら、浴槽でリストカットをします。
危ういところでエンドレから電話がかかります。
愛の告白と今から会いたいという内容でした。
マーリアは救急病院で傷口の処置を受け、エンドレの部屋に行きます。
今度はちゃんとセックスもできて、朝食もハッピーに仲良く食べます。
そして、お互いに鹿の夢を見なかったことに気づきます。

エンディングは例の森のシーンでしたが、そこにはもう鹿が登場しませんでした。


なんというか、シリアスなストーリーが最後にハッピーエンドを迎えるというちぐはぐさが印象に残りました。
昔のヨーロッパ映画は悲しいエンディングが多かったのですが、最近では傾向が変わってきたようです。

なぜ二人が同じ夢を毎晩見ることになったのかについては全く言及されませんでした。
ですから、ファンタジーでもあります。

マーリアは美人で口角が左右ともに上がっています。
日本人ではまず稀です。(板野友美を除く)
ただし、ガタイが良すぎてがっちりしており、デブではないのですがセクシーには見えませんでした。
エンドレはショボくてキモいジジイにしか見えませんでした。
若いマーリアとのつり合いがとれません。
これもファンタジーなのでしょうか。

最初の部分で、牛が屠られるシーンが続くことはあらかじめ知っていましたので、目をつぶって対応しました。

おすすめ度は70点くらいでしょうか。
最近見た映画は、「チャーチル」も「羊と鋼の森」も50点でしたので、チョットはましな作品でした。

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