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プロパガンダの歴史と現在の手法を例文でわかりやすく解説してみた☆

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プロパガ……イテッ! 舌かんだ!
言いにくいぞ! プロパ……イテッ!

それは……ラテン語だから。
プロパガンダ
現在では広く『宣伝活動』の意味で使われることも多い『プロパガンダ』。

その歴史をご存知ですか?

かつて戦時下で、どの国もこぞって使っていたのが、これ。

国民感情や行動に影響を与え、軍や政府の意向に沿ったものに誘導していくためにとられた手法です。

かなり巧妙で、知らず知らずのうちに自然と思い通りに操られてしまう、というのがその特徴。

現在は戦時中ではありませんが、プロパガンダはいたるところで展開されています。
いいものも悪いものも含めて。

── ということで、

プロパガンダの歴史って?

どんなやりかたなの?

上手に使えば宣伝効果は上がる?

などなど、プロパガンダのあれこれについて紹介いたします。

皆さまのプロパガンダへのモヤモヤが少しでも薄れましたら幸いです。

目次

プロパガンダの歴史

これを文章で書くと、一生終わらなそうなうえに、とんでもないややこしさになってしまうので、
いくつかの国ごとに分けて箇条書きで簡単に書いていきますね。

プロパガンダ・本来の使われ方は?

✓1517年~: 宗教改革が起こる

→ 新勢力『プロテスタント』に対抗するため、またカソリックをさらに広めていくため、布教を強化

→『教義布教省』がつくられる

→ もともとこれが『プロパガンダ』

→ 自分たちの教えを広めていくための布教活動のことを指していた

→ 宗教家にとって、これは当たり前かつ、最も大事な使命だった

✓その後:『教義布教省』は『福音宣伝省』に名前を変える

→ 始まりは布教強化のための行為を指すものだったが、次第に『政治的な宣伝』のために『プロパガンダ』の名称が使われ始め、『宗教・布教』的なものよりも幅を利かすように

→ ……そんなのと一緒にされてたまるか! 

➡ という経緯があり、現在では『宗教的』な意味は鳴りを潜め、ほぼ『政治的な宣伝活動』の意味で使われています。

(※ 広い意味では『宣伝』全般。CMや商品広告なども含まれる)

プロパガンダ・政治的宣伝活動としての使われ方

『ソビエト連邦(現・ロシア)』
『ナチ・ドイツ』
『アメリカ』
『日本』

に分けて、その歴史のなかでどのようにプロパガンダが使われてきたか、簡単にチェックです。
(※ 本当にザックリ書いてます)

ソビエト連邦

✓1914年: 第一次世界大戦勃発(このときは『ロシア帝国』)

→ 総力戦に突入。国内の産業ストップ・物資も足りなくなる

→ 国民怒る

→ 革命も起こる(2月革命・ロシア帝国の終えん)

→ 労働者と兵士の代表が『評議会ソビエト』を結成(首都部)

→ 首都部以外には政権を握る人がいない

→ 仕方がないので『臨時政府』をつくる

→『評議会ソビエト』と『臨時政府』、2つの勢力……国が混乱

→ 上記のような国内情勢なので戦争をもうやめたい国民。
それを認めない『臨時政府』(戦争でもうかる層が政府内に多かったから)

→『臨時政府』に対し『評議会ソビエト』怒る・対立関係に

→ 戦争どころじゃない……

→ 1914年夏・ドイツ軍により歴史的大敗を期す

✓1917年: 2度目の革命起きる(10月革命)

✓1917年~1922年: ロシア内戦

✓1922年: ソビエト社会主義共和国連邦 成立(~1991年)

→ 革命を経てできた世界初の社会主義国

→ 国民にも、ほかの国にも、新しく誕生した国の正当性を示す必要があった

(※ 革命の結果できた国家がソビエト連邦。
プロパガンダで国民の心をつかんでおかないと、また革命が起きるかもしれないし、
ほかの国にナメられないようにもしないといけなかったから)

★初代最高指導者レーニン:

「賢い人と……それほどでもない人とに対して、同じ手法で政治的な宣伝活動をしても仕方がない。宣伝手法を使い分けよ!」

→ これが『アジテーション(それほどでもない人用)』『プロパガンダ(賢い人用)』(今では両者は区別されない)

→ レーニンの側近『トロッキーさん』

★トロッキー:

「娯楽をアジテーション・プロパガンダに取り入れない手はない!! 中でも映画は最高だ!」

→ 賢い人・それほどでもない人、誰にでもわかりやすい娯楽を通じて、政治的な意図を伝えられる!

◎上から目線の押し付けはダメ 

→ 反発を覚えられるだけ

◎娯楽映画の中にさりげなくこちらの政治的意図を紛れ込ませよ!

→ 笑ってみている間に自然と影響を与え、国民感情を特定の方向(自分たちの都合のいいような)に向かわせることができる

◎プロパガンダ・アニメもつくられる

→ ソビエト連邦ができる前に、すでに映画産業を国のものにしている

→ 映画の中で相手国の指導者(ヒトラーとか)をバカにしたりして『ドイツは怖い・無敵の国家だ』のようなネガティブな感情を排除しようとしたりもした

◎『フォトモンタージュ(合成写真)』を使ったプロパガンダも有名

→ いわゆる『盛った写真』だが、その技術自体開発されたばかりだったので、バレなかった

→『偉大なレーニン』『輝かしい国家ソビエト連邦』のような狙ったイメージを植え付けることができた(国内にも、国外にも)

ナチ・ドイツ

✓ヒトラー: 国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)党首

→ ナチ党・宣伝部長: ゲッヘルス(プロパガンダの天才と呼ばれた人)

✓1933年: ヒトラー首相に

→ 宣伝省・大臣: ゲッヘルス

◎ゲッヘルスのプロパガンダにも映画は使われたが、その他のあらゆる娯楽も取り入れた

→ 露骨なプロパガンダを嫌い、政治に関係のない娯楽映画も多くつくられた

◎反ユダヤ主義: 共通の敵をつくることにより、ドイツ国民の結束を高める

◎『ユダヤ人 = 劣っている』『ドイツ国民 = 優れている』と思い込ませることで、

→「そんな劣ってるヤツらに国を牛耳(ぎゅうじ)られてもいいのか!」のような危機感を与えたり、

→「自分たちは劣っていない。ヤツらとは違う」と差別に拍車をかけ、

→「だから戦うんだ!」という大義名分を得ることもできた

◎でも……ベルリンオリンピックのときには、街中から『反ユダヤ』のスローガンを排除

→「反ユダヤ主義の国が主催するオリンピックには参加したくない」というボイコットが予想されたため

→ 一時的に『反ユダヤ主義? なにが?」の姿勢を貫いたため、おかげさまでオリンピックは大盛況

→ 実は聖火リレーを始めたのもこのときのオリンピックから

→ オリンピックを通して、ドイツ国民がいかに優れているかをアピール

アメリカ

◎なんと! プロパガンダに『ウォルト・ディズニー』『ワーナー・ブラザーズ・スタジオ』も協力してます!!
(※『第二次世界大戦』のとき)

→ ドナルドダックシリーズのプロパガンダ・アニメは、けっこうえげつない
(日本の昭和天皇もチャカしの対象に)

➡ どの国のプロパガンダでも、上から押さえつけるのではなく、
『笑いや楽しさの中にさりげなく紛れ込ませ自然に誘導』という手法が多くとられている

日本

日本

さてさて、駆け足で『プロパガンダ』についてみてきましたが、
日本がプロパガンダの研究を始めたのは『第一次世界大戦』での『ロシア』『ドイツ』の敗北がきっかけでした。

★日本:

「両国に革命が起き、戦争どころじゃなくなって結果負けたのは、
プロパガンダ戦略を誤り、国民の士気を削いでしまったからに違いない!」

のようなことを考えたんですね。

そして日中戦争がはじまると、あの手この手で『戦争の正当性』を国民にわかってもらおうと画策し始めます。
(※ これらがプロパガンダ)

✓1937年7月7日: 日中戦争勃発

→ 喜劇を上演。その作中のわずか5分ほどの間に『日中戦争』への正当性の解説を盛り込む

→ 海軍省軍事普及部(宣伝部のようなもの)の後援を得て

→ 宝塚少女歌劇団によるプロパガンダ・レビュー(歌とダンスの舞台・内容は軍国モノ)多数発表

→『後援・推薦』と『発禁・呼び出し』などアメとムチ的な対応で、民間企業の商品等の流れを(自分たちの都合のいいように)コントロール

→ 人気コメディアン等による『笑い』の中に、こっそり日中戦争への大義名分・正当性などを盛り込む

→ 人気歌手の歌詞を一部変え、日中戦争がらみのものに

→ 軍歌や国を盛り上げるスローガンなどを懸賞付きで募集。国民が『軍』『国のため』などについて自分から考えるよう仕向ける

→ プロパガンダ映画も多数手がける(軍国モノ・アニメも)

→ 米国の兵士にも聞けるようなラジオ番組をつくり、順調に音楽を流し、相手がノッテきたところで『相手をディスる替え歌』の歌詞を紛れ込ます(相手の士気を削ぐ目的)

→ その他諸々……

いろいろやってるんですね。

ノッテきたところでディスる替え歌って……今聞くと、意地悪……

ですが、日本でも、

『娯楽の中にプロパガンダ』

このスタイルは変わっていません。

宝塚少女歌劇団が軍国モノの舞台を行うというのは、今で言えば『萌えミリ』のような感じです。

かわいい女の子が軍人さんになったり武将になったりして活躍するアニメ。

萌えてるうちに、自然と『軍隊』『武将』等、若干ぶっそうなものが身近に思えてきます。

ほかの国でもいくらでもプロパガンダは行われてきました。今も行われています。

東アジアでも北朝鮮・中国・韓国・台湾などなど。

かつての戦争中は情報を伝える手段が限られていましたが、今はなんでもありです。

実際、ロシアとウクライナの関係が悪化し始めたときには両国で『SNS』上のプロパガンダ合戦が行われていたんですね(2014年)。

Twitterでは、ちゃんと『#』もつけ、どちらの国も関連した発言であることを強調しています。

第一次世界大戦や日中戦争のころと比べると、ずいぶんプロパガンダのイメージもやり方も変わってきました。

最近では『オウム真理教』『イスラム国』がプロパガンダを使って勢力拡大を狙った組織としての代表格。

こちらも少しだけ見ていきましょう。
(※ 今回は『オウム』のみ)

プロパガンダとオウム真理教

オウム真理教

ヘンな格好をして歌って踊りながら選挙活動をしていたオウム……本気だったんでしょうか。

……本気だったみたいなんです。

一説によると、この選挙の敗北のショックからオウム真理教の路線が『武装』に走り始めたのでは、とも言われているんですね。

(※ だったらもっとまじめな活動をしていればよかったのに)

そこはさておき、教祖である『麻原彰晃(松本智津夫)』もありとあらゆるプロパガンダを使っています。

とくに得意技としていたのが、メディアを使ったプロパガンダ戦略です。

✓1984年: オウム真理教の前身組織である『オウム神仙の会』設立

→ 世間は空前の『オカルトブーム』

★麻原:

「これだ! これにノッからない手はない!」

→ 当時もっとも売れていたオカルト雑誌『ムー』『トワイライトゾーン』2社に猛プッシュ

→ 自分で撮った『空中浮揚』の写真を送りつける(しかも掲載される)

→ ほかヨガについての方法論などを寄稿

→ 大金を払い『トワイライトゾーン』に連載枠獲得

→ 会員獲得も目指す

✓1986年: 雑誌『プレイボーイ』の記者が麻原がうまいこと飛びあがった瞬間を撮影

→ 自分ではなく、初の『教団関係者以外から能力を認められた』写真獲得

★麻原:

「写真って、宣伝効果すごいかも!!」

✓1987年: インドに行く

→『ダライ・ラマ』とのツーショット写真を撮る

→ 道場に貼りまくり、会員獲得のアイテムとして利用

✓1987年: オウム真理教に改称

→ 一般の本屋さんで誰でも買える機関紙を創刊(機関誌は何種類かあり)

→ 写真をたくさん使ったり、占いや修行の体験談の中に『説法』も少々(なぜかオウムソングの楽譜も)

→ 読み物としても面白いと思ってもらえる構成を工夫

→ 本やマンガも出版(初めて出した本の表紙はプレイボーイに載った『空中浮揚』の写真)

➡ オウムの発行する雑誌や麻原彰晃の著作も『どんな人でも楽しめる、易しい内容の本・雑誌』を心がけて作られています

➡ 雑誌には『科学的データ』も載せ、自分の教えは間違ってはいない、という証明をすることも

➡ 実際に本や雑誌を読んで、納得して入信する信者さんたちが多かったようです

✓1988年:『真理党』設立 衆議院選・参戦 惨敗

✓1991年: 土地取引を巡り、警察の手入れが入る

→ オウムへの風当たりが強くなる

→ テレビに出演することで、弁明とイメージ回復を図る

→『気さく』『宗教家としての知識』などいろいろな自分を見せることで、

→ 案外、うまくいった!

✓1995年3月20日: 地下鉄サリン事件を起こす

こうして書いてみると、
どこが分岐点だったのか、そもそも分岐点などなく、初めから行きつく先は決まっていたのか、よくわからなくなります。

オウムは『○○省』のような機関を組織内につくっていましたよね。

イスラム国もですが、宗教組織としてではなく『国』として機能していきたいという思いが強かったのでは、と言われています。

ですので、彼らの行うプロパガンダは、まさに『政治的な宣伝活動』だったことになるんですね。

なんとなく殺伐としてきた気がします……

続いて、もう少しマイルドな形での『プロパガンダ合戦』から、どのような手法が有効な宣伝効果を生んでいるのかをチェックしていきましょう!

ではでは、『山田さん(世話好き・56歳)』とその隣に住む『オレ君』、よろしくお願いします<(_ _)>

プロパガンダ合戦!(ゆるい)

プロパガンダ合戦

山田さん: ねえ、オレ君、回覧板見た?

オレ君: イヤ、まだっすけど

山田さん: これ、ここ見て!

オレ君:(山田さんのところで回覧板止まってたのか……)

山田さん: 区が助成金を出してくれることになったんですって

オレ君: なんの助成金っすか?

山田さん:「ネコかイヌ、どちらかの『去勢・不妊手術(野良含む)、予防接種等への助成金と殺処分ゼロのための保護施設の運営費用』」なんですって

オレ君: ネコかイヌ、どっちかなんすか? なんすかそれ? 太っ腹と見せかけて公平感がゼロすぎっすよ!

山田さん: だからね、『ネコかイヌ、どちらに助成金・殺処分ゼロが必要か?』のアンケートをとって、支持数の多かった方の意見を採用するんですって

オレ君: ……山田さん、どっちにするつもりっすか?

山田さん: 僕? 決まってるじゃない。『ネコ』よ

オレ君: !!! オレ、『イヌ』のほうにこそ必要だと思うっすよ

(バチバチ!! プロパガンダ合戦の火ぶたが切って落とされた!!)

【条件】

  • 『山田さん = ネコ支持代表』『オレ君 = イヌ支持代表』となり、町内の住民にそれぞれの主張を訴え、より多くの支持を得ること
  • 手段は(常識的なものなら)問わない
  • 二人の今後に今回の合戦手段は影響しないものとする
    (※ あくまで『プロパガンダ合戦』ということで、仮にひどい中傷等を受けても勝負がついたら全部忘れること)
  • 期限はアンケート締め切り日までの3日間
  • 1日1回、午後7時より集会場にてお互いの『訴えタイム』を設ける。住民は基本全員参加
  • (※ 細かい矛盾点は気にしないで)
  • 1日目・山田さん

    ネコ

    主婦の山田さんには井戸端会議や買い物中に近所の人とのおしゃべり、という強い武器があります。

    なので、会う人会う人に、

    「ねえ、回覧板見た? 助成金のこと、どう思う?」

    を話題にしまくり。

    近所の奥さんも時間の許す限り山田さんのおしゃべりにつき合います。

    そして午後7時。
    集会場での『訴えタイム』です。

    1日目・オレ君

    大学から帰ってきたオレ君は、どの年代の住民が多いのかを調べ始めました。

    「意外とこのあたりって、ちっちゃい子、多いんだな……よし!(ニヤリ)」

    そして午後7時。
    荷物を持って集会場に向かいます。

    山田さんの主張

    皆さん、こんばんは。回覧板、ご覧になりましたよね。助成金を『ネコかイヌ』どちらに使うか。

    僕は断然『ネコ』に、だと思っています。

    だって、野良猫って増えるじゃないですか。

    動物だからフンやオシッコもしますでしょ? 街が汚れます。

    でも、助成金で去勢・不妊手術をまかなえたら、これ以上野良猫が増えることはないんです。

    増えないから殺処分ゼロにも近づけるんです!

    このままだったら、増え続ける野良猫被害で、街の衛生も区の財政もひっ迫してきます!

    有効な使い道は『ネコ』。

    さあ皆さん、ご唱和ください!
    (※ ごしょうわ / 僕の後に続いて繰り返して! のような意味)

    『助成金はネコ!』。

    ……

    ……あら、恥ずかしがりやさんが多いのね。

    でも賢明な皆さんなら、きっとわかってくださると信じてます!

    山田さん、やっちまいました……

    山田さんの1日目の戦術はプロパガンダの中でも『シリアス路線』にあたるもの。

    『ネコによって街の衛生が損なわれる』

    という恐怖(小さいですが)をあおることによって、みんなの意見を自分の主張の方向に向かわせようとしています。

    全くダメというわけではないのですが、ちょっと弱い。

    『山田さん目線』が強すぎるんですね。

    ついでに言うと『殺処分』に関しての言及がそれこそ『ついで』のような感じになってます。

    感情全開のプロパガンダは、少数の共感者を得ることはできますが、その範囲は狭くなります。

    その主張、というより『この人が言うなら』です。

    山田さんと仲良しの人以外には響きません。

    人には、

    『会う機会が多いほど、その相手(モノも)に好感を覚える』

    という『単純接触効果(または『ザイアンス効果』)』と呼ばれる心理作用があります。

    ですので、井戸端など、ちょくちょく誰かと話をしている山田さんは、それだけで相手に『親近感』を覚えてもらえるというポイントがあったんです。

    が、若干寒い結果になってしまった今回の主張。

    今度は人の持つ心の作用、最後に感じた気持ちが記憶に残りやすいという、

    『親近効果』

    という働きが山田さんへの好感を『主張の演説』のコールド感が冷ましてしまうんです。

    ……ってことで、山田さん、やらかしてしまったのでちょっと不利。

    オレ君の主張

    皆さん、こんばんは。

    イヌかネコ、ってどうしてどちらかなんでしょうね。
    両方に助成金を出してくれればいいのに、と思ってしまいます。

    ボク(正式な場では『オレ』って言わないオレ君)としても、実際まだ決めかねてるところなんですよ。

    代表なのに、情けなくて申し訳ないです。

    ということで、今日は自分の気持ちを確かめるためにも、

    『イヌって毎日なにしてるの?』

    っていう紙芝居をつくってきました。

    はは、すみません。助成金、関係ないんですが、まずイヌについて知っておくっていうのもいいかな、と思いまして。

    ではでは。
    さっそくスタートです!

    (小さい子どもたちからまばらに拍手。大人は苦笑い)

    【紙芝居・概要】

    のんびり飼い主さんと散歩するイヌ。

    帰ってきてから、盛大に水を飲むイヌ。

    お父さんが帰ってきて、喜んで玄関まで迎えに行くイヌ。

    「ボクたちは毎日楽しく飼い主さんと遊んでるよ!」というイヌのセリフ。

    などなど、なごやかな雰囲気で紙芝居は続き、舞台は4月の動物病院に。

    『フィラリアのお薬投与は早めにはじめましょう!』

    というポスターが貼られている。
    (※ フィラリア:『蚊』が媒体となる、最悪犬の命を奪う病気)

    チラッと飼い主さんを見上げるイヌ。

    困ったような顔でイヌを見返す飼い主さん。

    首をかしげるイヌ。

    「フィラリアは本格的に蚊が出てくる夏になってからでいいよ」

    薬を飲まなくていいとわかったイヌがニコッと笑う。

    最後のカット。

    「フィラリア投与薬 1か月○○円(← けっこう高い)」

    「最近では温暖化に伴い蚊の発生する時期が早くなっています! 愛犬の『命』を守ってあげられるのは飼い主さんだけです!」

    はい。おしまい。

    小さなお子さんもいるようですが、ワンちゃんの毎日、わかったかな?

    遊んでばっかりいるんだねー。

    でも元気が一番!

    ではでは……次回はもっと『イヌ』に助成金を! と言えるようにしてきますんで!

    (壇上を去るオレ君に大人たちも含め、さっきよりも大きな拍手)

    オレ君、策士ですね……

    山田さんのプロパガンダが『シリアス路線』だとしたら、オレ君のは『ソフト路線』。

    前述の各国のプロパガンダの使い手たちも多くの場面でこちらを使っていました。

    人気芸能人などを起用したCMなどもソフト路線。

    親近感を持たせつつ、ひそかにこちらの意図を刷り込んでいく方法です。
    (※ だからむしろ怖いのはこっち)

    メッセージを視覚でわかりやすくとらえられるうえに、集会の参加者の多くが小さい子。

    紙芝居を使ったのは巧いです。

    しかも、込めたメッセージは、ほとんど、

    『イヌは毎日飼い主さんと楽しく遊んでいる』

    ということだけ。

    で、最後の最後に『命』というインパクトのある言葉を使って、それが損なわれる可能性を示唆(しさ)。

    その原因が『1か月○○円』のフィラリア投与薬代が高いから、というストーリーが裏に眠っています。

    ちょっと怖い。

    1日目は『オレ君』の圧勝ですね。

    ただしそれはあくまで『プロパガンダ合戦での好感度』では、です。

    実際にイヌやネコを飼っている人たちにとっては話は別。

    助成金はやっぱり自分たちの飼っているペットのほうに出てほしいと思うからです。

    2日目・山田さん

    例によってご近所さんとおしゃべり。

    山田さん: ねえ、オレ君ってああ見えて、けっこう悪知恵が働く子なのよ。だまされちゃダメ。
    きっとあの子個人的に『イヌの助成金が欲しい』理由がなにかあるんだわ

    ご近所さん: そうなの? ひとは見かけによらないわね……なかなか好感の持てる子だと思ったんだけど

    山田さん: そういうとこ!! うまいんだから!

    ……

    はい。午後7時。

    2日目・オレ君

    イヌ

    『助成金』について細かく書かれたパンフレットを読むオレ君。

    「!! これ、ズルくない? こんな小さい字で、こんな大事なこと書くなよ! 普通、気づかないだろ!」

    で、午後7時。

    山田さんの主張

    皆さん、こんばんは。

    今日は『イヌに助成金を』代表のオレ君について、少しだけ話をさせてください。

    彼がどうして『ネコ』ではなく『イヌ』を推すか。

    以前本人に聞いたことがあるんですが、彼は子どものころからずっとイヌを飼っていたそうなんです。

    そのときは『あら、いいわねぇ』で済ましていたんですが、皆さん!!

    そういう個人的な『イヌをずっと飼ってたから』のような理由をこういった公平な判断が必要な場面で持ち出すのって、いかがなものなんでしょうか。

    僕には、ずいぶんと自分勝手な理由だと思われてなりません。

    だって、オレ君が飼っていたイヌはこの際関係ないんですよ?

    この街全体の『イヌ・ネコ』についての問題なんです。

    ですから皆さん、そんな個人的でワガママな主張にだまされてはダメです!

    もっと客観的に!

    『助成金はネコ!』もう繰り返していただかなくて構いませんが、これだけはどうか忘れないでいてください。

    オレ君の主張は、個人的な感情によるものです!

    (鼻息荒く壇上を降りる山田さん)

    山田さん……

    下手すぎですが、今回山田さんがやろうとしていたのが『印象操作』。

    山田さんの言う『オレ君の主張の理由』が小さいころからイヌを飼っていたからだ、というのは乱暴すぎです。

    もうほぼ詭弁(※ 詭弁: きべん / こじつけ)です。

    このように、こじつけやウソの情報を使って相手(オレ君)の印象をおかしな方向に持っていくようなプロパガンダが『ブラック・プロパガンダ』と呼ばれるもの。

    また、助成金の話は二の次、とりあえず『オレ君は悪い子』のようなイメージを植え付けていますよね。

    これが『カウンター・プロパガンダ』です。

    ナチ・ドイツが行ったのと同じ。

    共通の敵(オレ君)をつくることによって、みんなの気持ちを自分や自分の意見に引きつけようとしています。

    上手に行えば効果もあるのかもですが、山田さんの場合……たぶんそうとう引かれてます。

    オレ君の主張

    (苦笑いで登場)

    皆さん、こんばんは。

    小さいころからずっとイヌを飼っていたオレ(君)です。

    ま、そこはさておき、皆さんは助成金について書かれたパンフレット、隅から隅まで読まれましたか?

    ボクもびっくりしたんですが、ここ。

    読み上げますね。

    『なお、野良猫の場合、去勢・不妊手術については、区内で募集するボランティアによって保護された個体に限る』

    すごく小さな字で書いてあるんですよ。

    行政がすべてやってくれるわけではないんですね。

    ボクは『イヌに助成金』代表ですが、もしもアンケートの結果、ネコに助成金が使われることが決まったら、このボランティアに立候補するつもりです。

    ……でもどのくらいの人数が集まるか、少し不安なんですよね。

    今回もまた『イヌに!』の部分が薄い主張になってしまいましたが、だまし討ちのようなことが書かれていたので。

    知ったうえでアンケートに臨むのがフェアだと思ったんです。

    っていうか、学校から帰ってきて、ここ発見してビックリしてたらいつの間にか時間だったっていう……

    こんな話ばかりしていたら、もう明日最終日ですね。

    明日こそ、がんばります!

    皆さん、パンフレット、もう一度しっかり読んでみてくださいね!

    (壇上を降りるオレ君・ざわつく集会場)

    山田さんの挑発に乗らず、冷静な態度で交わしていますね。

    今回の山田さんのは別として、自分に不利な情報が相手からもたらされたときは『外見・態度』に注意です。

    オレ君のようにやり過ごしたとしても、態度がおどおどしていたり、大量に汗をかいていたりすると、
    ひとは話の内容よりそちらを判断材料にしてしまうんです。

    または、なにか衝撃を与えるような情報を与え、その前の話どころではなくしてしまうのもひとつの手。

    ボランティアに立候補したのもポイント。

    山田さんの行った印象操作による悪い印象(今回はたぶん悪くなってない)を、
    このことによりくつがえしています。

    さらに今回のオレ君が読み上げたパンフレットに書かれた文言。

    ひとはみんな『現状維持』が好きなんです。楽だから。

    ボランティアを募る必要あり、というのは……ちょっと面倒くさい。

    現状が維持できません。

    それでも『野良猫を!』にひとの心を誘導するには、よほどの理由が必要になってくるんです。

    3日目・山田さん

    昨日・一昨日の集会でのみんなの反応の悪さに気づいた山田さんは、方針を変更することにしました。

    老眼鏡をかけつつ、慣れないパソコンに向かいます。

    メモをとり、時計を見るともうすぐ7時。

    立ち上がるといそいそと集会場に向かいました。

    3日目・オレ君

    なぜか悩んでいるオレ君。

    その顔は少し悲しそうです。

    山田さんの主張

    皆さん、こんばんは。

    今日は僕も皆さんに見ていただきたいものを持ってきました。

    こちらの表をご覧いただけます?

    悲しい話ですが、

    『殺処分されるワンちゃん・ネコちゃんの数』

    をあらわした表です。
    (山田さん・手づくり。データは信用できるもの)

    ……圧倒的に多いのは『ネコちゃん』のほうなんです。

    中でも多いのは『子ネコ』。

    野良猫として生まれ、そのまま放棄され、保健所に連れていかれるパターンです。

    これを悲劇・不幸以外のなんと呼べばいいのか。

    ワンちゃんには飼い主さんがいます。

    場所によっては野犬もいるかもしれませんが、野良猫の数とは比べ物にならないほど少ないはずです。

    もちろんネコちゃんにも飼い主さんがいます。

    ですから、飼い猫・飼い犬は、飼い主さんの判断で『去勢・不妊手術』するかしないか決めればいいのだと僕は思うんです。

    でも、野良猫の選べる選択肢は『しない』だけです。

    そしてそういう子たちが『殺処分対象』の圧倒的多数を占めている。

    これは、なんとかしないといけません。

    僕たちが、いいえ、僕たちにしかできないことなんです!

    ぜひぜひ、助成金をネコちゃんに使ってあげましょう。

    悲劇・不幸は、これ以上増やしてはいけません!

    (大きな拍手)

    山田さんが今回行ったのは『争点の設定』です。

    なにを判断の基準にすればいいのか、テーマを投げかけられると、人はそれを中心にものを考え始めます。

    山田さんの『争点』は『捨て猫への去勢・不妊手術』。

    これが必要かどうかがみんなの判断基準になるんですね。

    信頼できるデータ(殺処分数の比較)を提示しているので、信ぴょう性もバッチリ。

    しかもこれまで『ネコ・イヌ』と言っていたのを『ネコちゃん・ワンちゃん』に言い換えています。

    意外に細かい。

    これは山田さんの逆転もあるか?!

    オレ君の主張

    皆さん。こんばんは。

    山田さんの今のお話、考えさせられますね。

    確かに野良猫は誰かが手を差し伸べてあげないと、不幸な結果をむかえる確率は高くなります。

    そこで皆さんに提案なんですが……

    今回は助成金のほかに『殺処分ゼロのための保護施設運営費用』っていうのもありますよね。

    つまり、大変言いにくいんですが、ネコならネコ、イヌならイヌを選んだ時点で、選ばれなかったほうの運命も決定されるってことです。

    言い換えれば、ネコを救うならイヌを、イヌを救うならネコを犠牲にするってことです。

    ボクたちが選択することによって。

    これは……イヤです。ボクは。

    皆さん、なにかほかにいい方法ってないんでしょうか。

    行政もなにを考えてるのかわからない。

    どうしてこんな残酷な選択をさせるのか。

    皆さん、飼い猫・飼い犬には山田さんもおっしゃったように飼い主さんがいます。

    だったらたとえば、飼っているペットには今まで通り飼い主さんが予防接種なんかの費用を負担してもらう。

    そして飼われていない、または捨てられてしまった犬・猫に対してその分まで使ってもらうとか。

    これなら捨て猫も捨て犬も同じように助けることができます。

    (ふいに会場から声が上がる)

    住民:

    「それ、オレ、賛成!」

    「僕も、賛成!」

    「自分のうちのワンコだもの! そのくらいの出費は飼うって決めたときから覚悟の上よ! 賛成!」

    (多数、賛成の声)

    (オレ君)

    どちらを選んでも、どちらかの命を奪うことになる、このおかしな行政の判断を正しましょう!

    彼らの命を守るには、この選択しかないんです!

    (舞台上に駆け上がる山田さん)

    (山田さん)

    オレ君!!!

    やっぱりあなた、僕が思ってた通りのいい子だわ!!

    皆さん、僕もオレ君の意見に賛成です。

    『助成金はすべて捨てられた犬・猫のために!』

    さあ、皆さんご唱和ください!

    『助成金はすべて捨てられた犬・猫のために!』(会場の声)

    (抱き合う山田さんとオレ君)・完

    オレ君が行った今回のプロパガンダは、

    『誰だって悪いことはしたくない』

    という感情に訴えたもの。

    プラス、最後にはなに気に『行政』を共通の敵にも仕立てています。

    こうなってくると、飼っているのがイヌだろうとネコだろうと関係なく、

    『捨て犬・捨て猫にこそ助成金を使うべき』

    のような感情が自然と湧いてくるんですね。

    オレ君のプロパガンダによる住民の感情誘導の結果なんですが……

    今回のプロパガンダ合戦にはあまり関係ありませんが、

    「さあ、戦争するぞ!」

    と言って戦争を始めた指導者はいないんです。

    みんな、

    「本当は戦争なんてしたくない」

    と言いながら、でも、

    「相手が攻めてくるから仕方がない。平和を守るために戦争をするしかない」

    よく考えればおかしな話なんですが、このように『大義名分』を与えられると、ひとは『それならやるしかない』のように誘導されていきます。

    『自分たちは悪くない。

    でも悪い相手から大事なものを守るためには、自分たちも(相手と同じうように悪いことをしてでも)抵抗していくしかない』

    です。

    これが、押し付けではなく、笑ったり楽しんだりしているうちに、自然と刷り込まれていく。

    『プロパガンダ』、なんか怖い……

    終わりに……

    プロパガンダ

    歴史を絡めてしまったので、どうしても、

    『プロパガンダ = 戦時下の国民感情誘導』

    のようなイメージが強くなってしまいましたが、上手に使えば、オレ君のように命を救ったりもできたりします。

    広くは『宣伝』の意味で使われるものなので、マーケティングなどにも活用できますよ!

    ただ、あまりにもどこにでもプロパガンダは転がっているので、

    「この話ってホントに言っている通りに信じていいの?」

    「もしかして狙いは違うところにあるとか?」

    のように一旦疑ってみるのも必要かも。

    さてさて。
    またどうでもいい参考例(?)を入れてしまったため長くなってしまいました。すみません。

    『プロパガンダってなに?』について、少しでもスッキリしていただけていればうれしいのはですが……

    最後までおつき合いいただきありがとうございました。

     

    最後に



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    齊藤 健(HN:花月)
    埼玉県生まれ

    Web集客コンサルタント
    メンタル障害アドバイザー

     ゼロからお金を生み出す専門家として18歳より活動を開始。
    一人ビジネスで億超えを達成し、それを教えたところ数1,000万円稼ぐ実績者が誕生。
     現在はインターネットを活用したビジネスを専門に多くの実績者を輩出。
    副業からインターネットビジネスを始める初心者のクライアントさんと近い距離で自分メディアにお客さんを集める戦略策定、施策が得意。
     自身がメンタル障害で苦悩してきた経験を活かして、メンタル障害からビジネスで圧勝する必勝パターンを研究・ブラッシュアップして自宅を仕事場にしたい人を応援している。
     セミナー登壇やメディア出演も経験。

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    プロパガンダ

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