大阪城トライアスロン、追想記
レース前に公園内の大阪城ホール近くの公衆トイレに入ると「紙がない」。まだ、時間があったので、内堀まで遠征。このあたりは、朝早くは人が少なく紙がありました。持ち出せるトイレットペーパーを拝借、他の人のために城ホール近くのトイレに補充しておきました。
そして、レース開始。お堀のスイムから始まります。今年は水温が低めだったせいか、去年に比べて藻の青臭さを感じませんでした。スイムでは、当然のごとく水を飲みます。正しくは、口の中に含みながら泳ぎます。そのせいではないのでしょうが、バイクの途中から、お腹がゴロゴロ。あかん、力が入らん。
得意のランに入ってから、とりあえず1周行ってみますが、苦しくなると便意のウェーブがやってきます。ううう。ここで、選択1。
A:このままガマンして苦痛に耐えながら走るか、
B:タイムロスしてもトイレでスッキリするか。
昔の自分だったらガマンして、かつペースを落とさずに苦行に耐えるでしょうが、そこまでの根性はもはやないのでトイレピットインを選択。三角コーンとバーを、ハードラー並に飛び越えて、レース前に訪れた大阪城ホール近くのトイレに駆け込みます。
ところが、男子トイレと身障者用トイレともに満室。ふと、見たら女子トイレは空いている模様。ここで、選択2。
A:さすがに男子トイレで待ち続ける。
B:女子トイレをお借りする。
タイムのことを考えると一瞬、女子トイレに入ってしまおうかと考えましたが、すぐに思い直しました。いかん、一般の方も使っているトイレでそんなことをしたら、通報されてまう。ということで、男子トイレで待ちました。
ようやく、男子トイレが開いて入ろうとすると「紙がない」。補充しておいたけれど、「紙がない」。ここで、選択3。
A:仕方ないので、用を済ます。
B:他のトイレを探すか、周りの人に紙をもらう。
一瞬、どうしようか迷いましたが、ここでウェーブがやってきます。どうにでもなれ、と思い、トイレに入って用を済まします。大会関係者のみなさん、そして公園関係者のみなさん、どうか紙を補充しておいて下さい。もし、来年も参加した場合、大量にトイレットペーパーを買って寄贈しようとすら思っています。全アスリートや応援者、大会スタッフのために。
そんなこんなで3分以上のタイムロスをして、フィニッシュ。何とも締まらないレースでした。それでも、レース後の解放感に浸っていると、MBSの山中さんがフィニッシュテープに駆け込んできて、そのまま胸をあえいで上下させながら倒れ込んでいました。
まず、驚いたのがタイムです。去年のスプリントの部のタイムを知っていたので、まさか、こんな上位のタイムで帰ってくるとは思いませんでした。フィニッシュ後の雰囲気からどれだけ、本番で追い込んだのか分かります。
そして、後日、テレビ企画を拝見して、3人お子さんのパパだということを知りました。子供がいるなかで仕事と家庭と練習を両立させることは体力的、精神的に大変なことです。時間のないなかで、集中して準備を行ってきたことが、完走タイムから想像できます。
とても、輝いてみえました。自分が忘れていた何かをそこに感じました。山中さんの奮闘する姿は視聴者や観客に大きな感動を与えたことと思いますが、何よりも同じトライアスリートたちに刺激を与えたことと思います。せっかくトライアスロンの扉を開けたのですから、これからも挑戦を続けてもらえたらと願います。
ということで、不甲斐ないレースをした私もフィニッシュ後に気持ちを新たにして、これからも頑張ろうと思うのでした。
人の気持ちを動かすのは、何よりも人やで。ほんまに。