どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

美しいおとめ・・アメリカ

2020年09月17日 | 昔話(北アメリカ)

    美しいおとめ/オクスフォード 世界の民話と伝説3 アメリカ編/渡辺 茂雄・訳/講談社/1973年改訂

 題名からイメージされる話とは大分異なっています。

 そして、解説によるとインディアンの話がもとになっています。ヨーロッパによる見られるパターンで、移住者が伝えたものであれば不思議はないが、先住民の話とあるので、いまさらながら昔話の共通性に驚かされます。


 魔法使いにつれさられた美しい娘。大勢の若者が娘を助け出そうとするが、魔法使いが出す三つの問題ができずに、みんな石像にされてしまいます。

 話のパターンで、ねえさんとふたりですんでいた「うすのろ」と呼ばれる若者が、美しい娘を助け出すまでの冒険。

 途中、とてつもない力をもった男とであい、助けを借りて最後はハッピーエンドになります。

 旅の道ずれになるのは、大男、いっそくとび、のどかわき、弓の名人、じごく耳といったメンバー。
 名前からして、これだけのメンバーがそろっていればなんでもできそう。

 魔法使いがだす第一の問題は、空にそびえたつ岩山を動かすこと。大男が岩山を動かすと石にされていた男たちの首から上だけに命がかよいはじめます。

 第二の問題は、川の水をなくすこと。のどかわきが水を飲みほすと、石にされた男たちの腰から上に、命がかよいはじめ、拍手をします。

 第三の問題は、むすめに姿を変えた魔法使いとの競争です。途中、魔法使いに眠り込まされますが、弓の名人の矢で、目を覚ましたいっそくとびが、魔法使いをおいこします。

 すると石にされていた若者たちの足にも命がかよい、うすのろと美しいおとめのまわりを踊りだします。

 

 この「美しいおとめ」は、東京子ども図書館の「おはなしのろうそく28」に松岡享子編訳でものっています。2011年発行のものですが、主人公が「うすのろ」とよばれていますので「うすのろ」がどう訳されているか興味がありました。松岡訳でも「うすのろ」は、おなじようにつかわれていました。個人的には違和感があるのですが・・・。

 はじめ若者(渡辺訳では少年)とされていますが、そのごはうすのろとされています。

 松岡訳では、力持ち、はや足、のどかわき、弓の名人、聞き耳です。


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