先日地下鉄で見かけた美術館の広告にひつじの写真。「ひつじ」と名のつくブログを書いている人間の端くれ、見に行かねばなりません。
くだんの美術館は、「復星芸術中心 (Fosun Foundation)」。上海写真の代名詞としてもよく使用されている外灘(ワイタン)エリアの南側、黄浦江沿いにあります。
2017年に開館したばかりのアートセンターで、外観はパイプオルガンみたいな斬新な設計です。
展示物だけでなく、ミュージアムショップやカフェなど、次世代のアートシーンを刺激する面白さ、革新さを追求した優れた芸術・文化施設に送られる受賞制度で有名な、LCD Awards(Leading Culture Destinations Awards: 優れた文化施設に対する表彰制度)の太平洋・アジア部門で、ベスト・ニュー・ミュージアム・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
今回の展示会では、2階、3階では、写真とインスタレーションが中心。作品の面白さに加え、展示の仕方もユニークでした。
本棚の写真作品(施勇, 2008)が一番お気に入りなのですが、女の子たちがこの本棚の前を通り過ぎたり、本を選んでいる様子の動画を撮っていて、なんならその動画も見せてもらいたかったー。その他、インスタレーション作品も大きいものから小さいものまで面白かった。いろいろとありましたアラーキーこと荒木経惟の作品も展示されていました。
1階のミュージアムカフェがまたおしゃれな感じなのですが、おしゃれラーメンみたいなメニューもあるみたいで、モデルのような雰囲気のかわいい女性がひとりでラーメンを食べていたのも印象的でした。このラーメンモデル風女子は展示作品ではないので、行ってもおそらく見ることはできないと思います。
4F屋上の「Counter Sky Garden(数字空中花園: Counter Sky Garden | 复星艺术中心 Fosun Foundation)」はLEDでできたデジタルカウンターを用いた作品で世界的に知られる現代美術家・宮島達男のインスタレーション作品です。
夜になると写真では「8」と見えているLEDのカウンターが、9から1へと速いものや遅いものそれぞれのスピードでカウントされていきます。0は表示されず、9から1へ繰り返し。「生」と「死」が繰り返される輪廻転生を表している作品で、「死」は「生」の終わりではなく、次の「生」への準備期間なのだそうです。
宮島達男は東日本大震災の復興支援に立ち上がったアーティストのひとりで、現在もこのLEDカウンターを石巻に設置するための巨大プロジェクトに携わっています。
美術館のサイトで見ると、夜のほうが俄然面白そうなので、次は夜に来ようと思います。
ん?ひつじは?
そうです。わたしはひつじを見るためにやってきたのでした。地図を見ると、建物がそもそも違うようです。この敷地全体が「外灘金融中心」という場所なのですが、お目当てのひつじ展は、地図で見ると「復星基金会ANNEX項目空間」とやらでやっている模様。
ANNEXスペースというと聞こえのいい感じですが、行ってみると、こちらのビル1階ロビーを使っての展示のようです。ひつじの写真?ありました。
休日の巨大金融オフィスビルのがらんとしたロビーに1枚、水たまりに映るビル群と写るひつじがいました。
日本でも作品展を開いている、神思遠(シェン・シーユアン)という北京出身の、写真や映像、インスタレーション作品などで活躍する現代芸術家の作品展「fifty, fifty」の中の1作品。
もっとひつじいると思ってた。
Fosun Foundation (Shanghai) | 复星艺术中心 Fosun Foundation