野菜デモのブログ

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雑感・戦争のこと

2018-08-15 20:21:55 | 雑感

こんばんは。

野菜デモの鈴木です。
8/15ですね。
ちょっと戦争のことをかきました。
もしよかったらに読んでください。
 
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毎年、この時期になると戦争を振り返る特集が放送されますよね。

参加している読書会の課題図書も大岡昇平の「野火」です。

フィリピンのレイテ島の戦闘で、

結核に侵された主人公・田村一等兵が、

兵士として戦力外通告をされて

かといって食料を持っていないからと野戦病院にも追い返されて

熱帯の原野を彷徨います。

そこには大義とか全くありません。

いかに『自分』が生き延びるか、食いつなぐか、

その中でユーモアがあったりするところにリアリティを増しています。


田村のように戦力外された兵士が大勢います。

田村は、歩けなくなった兵士と、

その人に肩を貸す若い兵士と知り合いになります。

互いに助け合って、猿を穫って食いつないでいるという二人。

ところが猿ではなく、人を殺して人肉を食べていました。

とうとう殺す人もいなくなってしまいます。

大きな極限状態になる三人。

歩けなくなった兵士は、突然に歩きます。

若い兵士を騙していたのです。

それは、いざという時に若い兵士を殺して

その人肉を食べるためでした。

若い兵士は、反撃して、逆に人肉をムシャムシャと食べます。

それを目の当たりにする田村。


翻って、「日本のいちばん長い日」という作品があります。

これは天皇や総理大臣や陸軍大臣とか、そういう偉い人たちが

ポツダム宣言を受託して玉音放送をする過程で

右往左往する様子を描いています。

そこには『自分』が全く見当たりません。

みんな「天皇のため」とか「お国のため」とか言ってます。

けど、嘘パッチです。


玉音版を奪取するために青年将校たちが皇居に押し入ります。

「陛下のために」と叫んでいた人たちが

皇居に押し入ったのです。

その理屈は、「陛下は騙されている。お国のために

自分ためは犠牲になる」と言っています。

このクーデターは鈴木貫太郎や阿南惟幾が抑え込んで

戦争を終わらせたわけだから

これだけを見れば「偉い人は無責任」と言い切れないけれど

その理由も「陛下のため」「お国のため」という理屈なわけです。


ここに胡散臭さを感じます。

もし、天皇と阿南惟幾が

田村一等兵と同じ状況下に置かれたとしたらどうだったんでしょうか?

「陛下のため」と阿南は自分の肉を差し出したのでしょうか?

それとも…。

言いたいことは、「お国のため」とか言ってる間は

まだまだ、ゆとりがあるということです。

たしかに自決する覚悟は出来ていたでしょう。

けど、それって、ヒロイズムに陶酔してる感じがします。

その他、大勢の人たちは野火のような体験をされたのではないでしょうか。


何年か前にこんな話を聞いたことがあります。

(うろ覚えでごめんなさい。検索したのですがヒットしませんでした)


18世紀頃のドイツの将軍が、

「戦争しないための10箇条」みたいなことを言ったそうです。
その一番に最初にこう書かれていました。

「戦争になったときは、まずは総理大臣に行く」と。
これに尽きると思います。


“偉い人”って、なにかとたいそうな話をしますけど、

要は、

「あなた自身が、野火のような状況になったとしても

戦争を始めますか?

それが嫌なら外交でなんとかしてください」

ということです。


8/12(日)にBS1で放送された

「悪魔の兵器はこうして誕生した:原爆 科学者たちの心の闇」

というドキュメントを観ました。

「原爆を作った科学者たちの背景」をこのように説明しています。


アメリカが戦争になる前の1930年代頃に、

世界恐慌が起きました。

これを引き起こしたのは機械化を進めた科学者たちが原因として、

研究予算はつかなくなり、無職になった人が多かったそうです。

そこで戦争が起きて、汚名返上とばかりに

いろんな兵器を開発して、その中に原爆も作られました。

こうした中で、科学者同士の出世争いもあったりして

「戦争を終わらせるために開発した」

なんて程遠いものでした。



いまの”いちばん偉い人”の安倍さんでさえ

戦争には反対しています。

けれど、その反対の度合が

かなり、フワフワとしたものに感じます。

竹島や尖閣で、ちょっとぐらいドンパチになっても

仕方がないみたいにな。

開戦したときから、

「全面戦争だ」なんてことはありません。

最初は、ちょっした不運な事故が起きたりして、

泥沼になっていくものだと思います。


野火はぜひ”いちばん偉い人”に読んでもらいたい作品でした。




【関連リンク】


100分de名著「大岡昇平 野火 第4回 異端者が見た神 」

https://youtu.be/162yJKKjVKE



悪魔の兵器はこうして誕生した:原爆 科学者たちの心の闇 https://youtu.be/R-DIeAGS2PM

 

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