孤独死建物の相続 | 株式会社鎌倉鑑定ブログ

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「これで成仏されたと思います。」
と林さん。
強い臭いと滲みが残る部屋の中で、臨済宗僧侶として、しっかりと読経
してくれました。
今日は孤独死のあった一戸建の相続売却の対応のための室内の調査。
ご親族はいろんな思いから、この家に近づくことはありません。
ご依頼者からは「そのまま家を解体してしまっても良い」、とは言われ
ていますが、そうもいきません。
一度、建物内を確認させてもらうことにしました。
今回の目的は、不動産の権利証、購入時の売買契約書、測量図、火災保
険証書、その他重要書類の捜索と、基礎の状態、鍵、仏壇、残灯油等の
有無、その他解体工事に支障が生じそうなことが無いかを確認すること
です。
近所の方からの通報を受けた警察が突入する時に割ったと思われる一階
の窓からそっと進入。
空気清浄機のパイロットランプが点灯しているのが目に入ります。
思っていたより室内は綺麗な状態です。
覚悟していた蝿、臭いの襲撃はありませんでした。
問題は2階部分。
ゆっくりと階段を上っていくと、だんだん臭いが強くなってきます。
場所ははっきり分かりました。
林さんに読経をお願いしました。
本職らしく、鐘などの道具も用意してくれています。
一緒に捜索してくれている川上さん、宮内さんと一緒に終わるまで手を
合わせました。
亡くなった方への挨拶が済んだ感じで、少し安心できました。
ようやく室内の探索作業に入ることができます。
まず目についたのがビール・焼酎などのアルコール類。
解体の時に邪魔になるので、全て流しに流してしまいます。
風呂に水が溜まったまま。これも解体の邪魔になります。
水栓のチェーンが切れていたため、水に手を突っ込んで水を抜きました。
タンスの中から、川上さんが権利証だけではなく、売買契約書、火災保
険証書も発見してくれました。
宮内さんが、畳を剥がして床下を確認してくれました。幸い、土が見え
ているので、比較的解体費用は安くすみそうです。
鍵も机の上で発見できました。
あとは、仏壇と古灯油の処理だけですが、解体工事の時までに業者に手
配すればよいことです。
目的は殆ど達成できたところでふと外を見ると、お隣さん達がこちらを
見ながら何か話しています。
しばらく立ち話。
今後はこちらで全て対応させていただく旨をお伝えすると、安心してく
れました。
何となくホッとした気分で、皆で近くの銭湯に行きました。
 

 

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引用元:孤独死建物の相続