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第12回中国国際航空宇宙博覧会にて展示飛行を行ったステルス戦闘機「J-20」の動画です。

J-20は、中国航空工業集団公司が、中国人民解放軍空軍のために開発した第5世代双発ステルス戦闘機である。

中国語では殲-20(歼-20、ピンイン:Jiān-20)または殲撃20型と呼び、欧米メディアではChengdu J-20とも表記される。「殲撃」の発音は「ジエンジー」に近い。Chengdu(成都)は、テスト飛行場を所有する成都飛機工業公司または所在地の四川省成都が由来。「殱-20(J-20)」という名称はメディア報道によるもので、正式名称は当時不明であった。2016年10月28日、中国人民解放軍空軍の公式メディア「空軍発布(空军发布)」が中国の新浪微博で初めて「殱-20飛行機」(歼-20飞机)という名称を遣い、「殱-20(J-20)」という表記は正式名称として定着した。

機首の断面はF-22に似た菱形に近い形状だが、エアインテークの形状はF-22と違い、F-35のようにDSI(ダイバーターレス・スーパーソニック・インレット)を採用している。DSIはアメリカが1996年にF-16を改造してテストした技術であり、後にF-35に採用されたものであるが、最初に量産された機体は中国とパキスタンが共同開発したFC-1である。その後中国ではJ-10Bや改修されたJL-9と次々新型機に採用されており、近年の中国機の特徴の一つとなっている。DSIはステルス性に優れているが、実際に採用したF-35やFC-1の最高速度がM1.7とM1.8だった事もあり、高速時のエンジン効率が下がると言われている。しかし、F-16のテスト機で試験した時、旧式のダイバーター方式を採用した通常のF-16と同じ最高速度M2.0を達成し、通常の機体と同じ飛行性能を発揮しており、実際にどれほど飛行性能や速度に影響があるかは不明である。

J-20は、翼はカナードと後縁に緩い前進角を持つデルタ翼に近い主翼を組み合わせたクロースカップルドデルタ翼を採用している。タイフーンやラファールなど、欧州機によく見られる形式であり、中国機でもJ-10が用いているが、実用化した機体の多くは単垂直尾翼で、外側に傾斜した小さめの双垂直尾翼およびベントラルフィンとの組み合わせはミコヤンの試作した1.44に近い。

また、ステルス性のために、垂直尾翼およびベントラルフィンの傾斜は胴体側面の角度と等しくなっている。カナードと垂直尾翼は全遊動式であり、垂直尾翼は90度近くまで作動することからYF-23の尾翼と同様にエアブレーキの機能を持つと見られる。 高速タキシー試験の写真では、その制動にドラッグシュートを使用している。ドラッグシュートは、後部胴体中央にある。また、主脚扉の前縁部には細かなギザギザがあり、これもステルス性を重視している一つの証と言えよう。