夏の東大模試の季節がやってきました。 | 受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

受験で実力を得点に変えよう(家庭教師の心がけ)

家庭教師歴約25年。医学部東大など難関大学受験生中心に教えてきました。ちょっとした工夫でケアレスミスを防ぎ実力が点数に反映させる実践的方法や受験生の質問の多かったポイントや過去問などのブログにする予定です。ご連絡あればkatekyo424-public@yahoo.co.jpまで。

お久しぶりです。世間では東京医大が話題になっている最中、夏の東大模試が終わりました。以下は受けた人向けですが、オープン実戦両方の理系数学6問の仕事の準備用の分析を少しブログ用に編集したものです。まだ両方とも最後の値が合ってるか確認してもらった程度で、解答にない方針や間違いの可能性もあります。それらを踏まえて参考程度にご覧下さい。



少し脱線しますが、アレルギー症状は「再発→やや良くなる→また悪化→今度は少し早めに良くなる」と症状のパターンも読めず、怖くて新たな仕事も気軽に引き受けられない状態が続いています。「ブログの書き残しやらなきゃ」&「超やる気ある生徒あと1件くらいやりたい」vs「悪化させて今やってる生徒に迷惑かけたくない」って感じでしょうか??


 

【東大オープン】


全体的に解きやすそうに見える問題でも、必ずひねってある印象で、そこが見えないと結構難しいセットだったのではないでしょうか?捻り方が東大っぽくない気もしましたが、よく練られている印象でした。河合塾の東大模試は、東大を意識するのは頻出範囲くらいで、数学の総合力が問われる問題が出題されるような気がします。大学でならう元ネタ知っている人には有利に働いたかもしれません。



ある程度仕上がっていれば、1.3.4.6問のうち苦手じゃない範囲から順に片付けていき、他は部分点を拾うのが現実的?


 

第1問

x+y=tから一文字消去(参照→こちらの3番目の代入で範囲を考えなきゃいけない時)して、tで予選→残した文字で決勝をするという一文字固定法(予選決勝法)で処理できる問題。案外こういう一文字固定って珍しい??強制的に固定する文字を決められちゃう感じは東大っぽい。

 

第2問

少し実験して「Σで数え上げるのが速そう?」→「条件式を満たさない理由をきっちり書くのは大変そう」→「前半場合分けした漸化式が楽そう」といった流れで途中で方針変更→「全体の状況が1/2,1/4になるだけといったことをちゃんと書くのが意外に面倒」でプチ後悔。このままいくか方針を戻すか結構迷った。「漸化式だと上記の一言を添える、Σだと実験跡を残す」くらいで妥協して、正しい答えを一直線で目指すのが現実的か?(参照→どこまで書くべきなの?)。

 

第3問

リーマン球面と反転を組み合わせて相似の三角形を作って、長さを固定した直角三角形で束縛して作問した印象の最大最小問題。これ知ってるとかなり楽。立体が苦手だときつい?反転、相似に気付けるかが勝負。ベクトルや座標設定してもできそう(参照→図形?ベクトル?座標?)。

 

第4問

不等式証明で二項定理が思い浮かぶかがポイントだが、この辺は自然対数eの証明とかが完璧だと楽(参照→公式は証明できないと意味がない)。奇関数を利用して面積をうまく移せば、求める面積がnが十分大きいとほぼ(-1,0)(1,0)(1,4n)の三角形になるのでS→4nと見通しを良くしてから解きたい。

 

第5問

一番難問がこれか?「オイラー関数からインスピレーションを受けて作ったっぽいな」と思ったので、基本不等式で範囲をしぼる方向で解く→(3)のk=1の時からk=3の時の不等式処理の切り替えに悩む。時間計ってやったらこの問題は時間内に解けなかったかも。

 

第6問

複素数平面と複素数係数の解と係数の関係。この難問メーカーといっても過言ではない二つの素材(旧課程の東大でありました。また旧新数学演習の複素数のD問題でかなり苦しんだ記憶があります。)でよくこんなシンプルな処理で片付く問題作ったなと感心。複素数が得意であれば、これが一番解きやすかった?!



こんな感じです。個人的には、数学より物理の第1問や第3問の最後の問題の方が面白い難問だった気がします。


 

【東大実戦】

 

全体としては、3年前くらいの夏実戦のような難易度の印象でした。去年の鬼のような計算処理の印象に比べてかなり楽に感じましたが、東大の問題を解く時に頻繁に使う処理が必要な問題を集めてあり、近年の易化傾向も鑑みてさすがという印象です。


1.2.5.6の得意分野から片付けていき、4.3の順にやるのが効率的なように思います。

 

 

第1問

慶應で似たようなのやった気が?二次関数のちょっとした標準+αの典型問題。絶対値を残しても外してもよし、「kが最大値より大きい」「ak平面のグラフ」「地道に場合分け」どの方針でも。この問題で正しく答えられるかが基礎力が仕上がってるかの一つの目安で個人的に好き。

 

第2問

問題文読むのが面倒。ちゃんと読めればただの正n角形に束縛条件を設定して容積最大の時を考え、その極限を求めさせる問題に行き着く。「2π/n=θ」とおいてn→∞の時θ→0として極限を求め、極限がちゃんと円柱と一致するか確認すると良い。

 

第3問

これが一番難しかったか?(2)の整数条件(最初に見た時mod3の合同式で処理が第一感。見直ししてる時に式変形したら簡単と気づいた分時間ロス)と(3)の逆方向の証明と漸化式の解き方(両辺±して2つの漸化式解いて和差算で出そうという方針で処理している途中に1個とびの漸化式がxとyに分けられるのに気づいた。)といった処理の巧拙が問われた可能性大。一個とびの漸化式の奇偶分けるものは東大でも頻出。漸化式与えれば漸化式処理の良い演習素材になりそう?(結構減点要素たくさんあるので、全完狙ってる人でもない限り、短時間で拾える部分点を拾ったら他を優先した方がいいか?)

 

第4問

慶應の医学部っぽい。あえて東大から選ぶなら(p,q)パターンの問題が近い??(x,y)or(X,Y)平面に問題の条件を満たす不等式を書き、(1)は格子点を素直に数え上げ、(2)は格子上にそれぞれ何通りかを全部書き上げるイメージで適当な助変数iやkを使ってΣで数え上げ。処理はきつめだが、Σ計算でうまく変形し、こちらと同様n=2の時を求めておいて検算しながらやれば(参照→nやkのケアレスミス対策)ほぼ確実に処理できる。答え出した後にわかったことですが、こういう美しい問題(n+1-i=k[k,i=1〜n-1]の関係で逆順で並べられることを利用した変形をして不等式をみたす(x,y)の組を数え上げると、計算ラクになる)は素晴らしい。。。

 

第5問

去年の東大でも出た単位円を1ずらした円と合わせて、反転関係全体も1ずらしつつ、格子点と絡めた問題か?全体像が見えると楽に解ける。全部x+yiにしてゴリ押しで解いてもちょっと面倒な場合分けが出てくる程度。

 

 

第6問

ベルヌーイの不等式っぽい?x^(±n)のx=1での接線考えて不等式作って置き換えれば(1)は一瞬だが、「n固定のa変数とみて微分」か「a固定のn変数とみて帰納法」でやるのが自然か?(2)は真ん中の不等式は当たり前なので、左と右はじの不等式を、自然対数eの証明をするときに使う逆数の作り方を利用して、(1)に寄せるように答え同値変形するだけ。どうやって作問したか不思議だ。。



といった印象でした。経験上たかが模試なんて、とれる人は受かりやすいくらいなもので、できないことで落ち込む必要は全くないと思います。されど模試ともいえるのは、基礎がある程度仕上がって受けると、「時間配分」や「ミスの発生ポイント」といった試験中にしかわからない弱点を体感できるのがでかいように思います。「基礎が仕上がって模試を受ける」といった人生の時間配分の方がよほど難しいんですが。。。



 

さて、話は変わって、大学にいった人含めて3人ほど質問をzoom cloud meetingを使って教えてみました。自分のiPadの手書きの画面がリアルタイムで相手に伝わるのという時代の進化に驚き。。相手の表情が見えないので、わかっているかどうかがある程度相手のリアクション頼りになるのが難点ですが、わからないところの考え方や解法を教えるだけなら全然これでいけそうです。向こうもiOSであれば、お互い同じ画面に書き込みし合えるのは衝撃的でした。

 

 

あとは、表情の細かいところを見たり、iPad画面を見たりという目線を動かしてやることが同時に可能になれば、もう対面とほとんど変わらないです。もう少しバーチャルリアリティーなんかが、各家庭に当たり前の時代になれば技術的には可能になる気がします。そうなると全国どこの生徒も教えられるなんて夢のような時代が来るかもしれませんね^_^





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