「奥寺…知寿子さん。…ですよね。」
侑佳。
知寿子、いきなり…、
「は…い…。えっ…、どうして…私の…名前…???」
侑佳、
「昨夜、全部…浩から…、聞きました。」
麻衣子、
「侑佳さん…、旅行…してたんですって…。」
知寿子、
「旅行…???」
侑佳、
「うん。」
「そして、昨日、東京に来て、悠馬とモッちゃんの会社見て、夜に、モッちゃんと一緒に食事したんですって。」
麻衣子。
知寿子、
「はぁ…???」
「今、麻衣子さんにも話したんだけど……。」
麻衣子の隣に座って、侑佳の話、今までの経緯を聞く知寿子。
そして…、
「侑佳…さん…。た~いへん…。」
侑佳、
「うん。」
麻衣子、
「……。」
「…でもね…、でも…、今回の旅行で…、それと…、浩の顔見て。…もぅ~~サッパリ。」
そして舌をペロリと出して。
「昨夜、浩と別れた時、私…なんて言ったと思う~???」
にっこりとしながら侑佳。
麻衣子と知寿子、お互いに、顔を見合わせて…、
「???」
「神戸に帰って、子供作るって…。」
麻衣子、知寿子、
「はぁ~~!!!」
そして、
「凄~い、侑佳さ~ん。」
「へへ…。…で、その時浩…何て言ったか…。」
麻衣子、知寿子、
「…うんうん。」
「おぅ、その意気だ。…って…。」
麻衣子、知寿子、
「ぷっ。くくく…。」
「うれしかった~~。」
両肩をゆっくりとり下ろした感じで侑佳。
「浩に…、こ~んな素敵な友達が、東京に来てからいる。しかも、そんな浩が好きになった人に、あ~んな可愛い赤ちゃんがいる。」
麻衣子、いきなり赤くなって。
「私が流産したのは、何が何でも私のミス。汀の家族に迷惑掛けていたのは私。じゃなかったら、こんなにはなっていなかった。」
麻衣子、知寿子、
「侑佳…さん。」
「昨日…浩に…、みなさんの写真見せてもらって、もの凄く、嬉しかったの。だから…かな~~。なんだか…、負けてらんないって…。」
少し瞼を熱くしながら侑佳。
「みなさん、浩の事…、よろしく…お願いします。」
麻衣子も、瞼を潤ませる。
「侑佳…さん…。」
侑佳の顔を覗くように知寿子…。
侑佳、
「…ん…???」
「私ら…、友達…なろ…。」
その知寿子の声を聞いて侑佳、
「へっ…???」
麻衣子、
「あっ、そうだ、そうだ、そうそう。私ら…友達…なろう~侑佳さん。ねねねね。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。