数時間前。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

THMIS mama “お洒落の小部屋”

好きになれない。  vol.098.

ドキドキ 数時間前。
「ここ…ですか…。神永ビル」
信玄。

夕美子、
「そう。」

「さすがにでかいですね~~。敷地も広ければ綺麗だし。出来たばっかりのビルみたいっすね~。」
「行くよ。」

そしてビル内に入って、
「6階かぁ~~。いやはや…すげぇや。」
ビル内を見回しながら信玄。

「信玄、ぐずぐずしない。」
「はい。」

「な~るほどね~~。いろんな企業…、入ってるわ。」
夕美子。



麻布セントラル・ムードの自動ドアから中に。
受付から案内されてレディース部門のフロアに。

そのフロアの一室に案内された夕美子と信玄。
受付の女性、
「茂木チーフ、ブリリアント様…、お見えになりました。」

後ろ姿で資料を見ている女性、
「は~い。ありがとう~。」
そして椅子から立ち上がり、目の前の女性と男性にニッコリとした笑顔で、
「わざわざお越しいただき、ありがとうございます。夕~美子!!!」

その声に夕美子、
「はい…???えっ。えっ。えっ。」

「ひっさしっぶり~~。由香里よ、ゆ・か・り。棚部由香里~。」

その声に夕美子、
「へっ…???た…な…べ…???」
いきなり過去の記憶が…。

「た・な・べ…ゆかり…???」
そして頭の中に、大学時代のある女性の顔。
「わっ。わっ。わわわわわ。え゛――――――っ。あ…、あの…、あのあの。物凄い…童顔だった。…あの…、由香里――――――っ。」

「おい。その…童顔って…。」
思わず変顔の由香里。
「…ん…、まぁ…。大学時代は…ね…かかか。」

「うそ。うそうそうそ。あんた、ここで何やってんの~~~。」
「いや…、何やってんのって~のは、ないでしょ。こうやってしっかりと仕事やってんだから…。」

「あっ。…いや…はは。あっ。失礼しました。…って、言うか…。んもう~。び~っくり。…いや…。へっ…。うそ。…んじゃ…何…???ここの…。チーフディレクターって…、由香里…???」
「いや…。だから…名刺に書いてあったでしょ。…で、あんたも…ウチ…、もう…調べてるでしょ。」

「えっ。えぇ…、でも…、まさか…。苗字違ってるから…。…それに…。」
「それ…に…。何よ…???」

その由香里の声に夕美子、右目をしっかりと瞑って、思わず頭を自分でペン。
「ごめん。」
由香里の前で謝るように、
「全く、想像付かない。あの頃のあなたと…。」

その夕美子の声に、
「まね~~。」

 

変顔の夕美子。

 

「まず…想像付かないだろうね~。昔の私とは…。」
由香里。

夕美子、
「…ん???」








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