徳美、4人に向かって、「よろしく、お願いします。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.102.

ドキドキ ゆっくりと目を閉じる徳康。

徳美、瀧澤ら4人に、
「少し…よろしいですか…。」
ドアに向かって。

瀧澤、
「はい。」


廊下で…。徳美、
「電話では…、あんな事、言って…。」

瀧澤、
「…。」

葉月、
「電話…頂いて…。」

徳美、
「あっ、そうでした…、神田さんですよね。」
徳美、いきなり恥ずかしそうに、頭を掻いて、
「…ある意味…、祖父が倒れて…、それから…、どうしたものかと…。悩んでたんです。…けど…。」

瀧澤、葉月、奈都美、伸永、
「……。」

徳美、4人に向かって、
「よろしく、お願いします。」

瀧澤、徳美に右手を差し出して、
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。謹んで、承りました。」

徳美、その右手を握り、
「ありがとうございます。」

そして葉月、奈都美、そして伸永とも握手して…。

徳美、ドアを開けて、
「母さん。みなさん、お帰りに。」

季実子、
「うん。」
首をコクリと。



廊下を行く4人。

その後ろ姿を見ながら徳美、季実子。
「これから…かな~~。」
「頑張んなさいよ~~。」

徳美、
「うん。良し。」



葉月、奈都美、
「ユッコ、寄ってこか。」
「当然。」

瀧澤、
「報告もしなきゃね~~。」

伸永、
「はい。」




そして木綿子の病室。瀧澤、
「失礼しま~す。」

葉月、奈都美、
「ユッコ~~。」

その声にドアの方を見る男性。

瀧澤、
「あら…、菱川さん。お父さん。」

清隆、
「あぁ~~。いつもどうも…、木綿子…ありがとうございます。」

木綿子、
「出張で、こっちに来たんだって。寄ってくれた。」

葉月、奈都美、伸永、
「こんにちは~~。」

清隆、
「こんにちは。いつも、木綿子の事、ありがとう~~。」

葉月、奈都美、
「いえいえ。」

「良かったね、ユッコ。」
瀧澤。

木綿子、にっこりと、
「うん。…けど…、こんな時間にみんなで…???…どうしたの…???」

葉月、
「ふん。」

奈都美、
「実はね~~。…と、言うか、部長…。」

瀧澤、
「ふん。…実はね、翡翠堂の相談役。先々代。」

木綿子、
「ふん。」
キョトンとして…。
「急性心筋梗塞で、倒れちゃったの。それで、そのお見舞い…がてら…。」

木綿子、いきなり、
「え――――――――っ!!!!」

葉月、
「はははは。…まっ、そうなるよね~~。でも~~。本当は、今の店主から私に電話来て、今回のウチとの事…、今の状態では…難しいって…。」

木綿子、
「あ、あ~~。」

「それで、部長から、病院行こうって、言われて…。」
「ふ~~ん…。」

奈都美、
「…なんだ…けど~~。…結局…翡翠堂…、ウチが…やることに…。」

「へっ…???」

「な~~んだかね~~。」
葉月、隣にいる伸永の左肘を突っつく。

伸永、思わず照れたように…。

「翡翠堂のおじいちゃん、尾田ちゃん、かなり、気に入ったようで…。それに…部長の事も…。」

木綿子、突然、口を尖らせるように、
「へぇ~~~~。」

清隆、
「あっ。私は…この辺で…。」

瀧澤、
「あっ。あぁぁぁぁ、いや…。ごめんなさい、私どもの話ばかりで…。」

そんな瀧澤に清隆、
「いえいえいえ。とんでもない。会社の人たちとの話…、木綿子には…一番ですよ。私は、もう一つ、アポがありますんで…。この辺で…。」
そうしていそいそと病室のドアに…。

瀧澤、
「本当に申し訳ありません。」

清隆、
「いえいえいえ。どうぞ、ごゆっくり。…んじゃ、木綿子。」
木綿子に左手で合図をして…。

木綿子、
「うん。ありがと、とうさん。かあさんに。」

「おぅ。よろしく言っとく。うん。」



奈都美、
「ごめんね~~。お父さん、追い出しちゃったみたいで…。」

木綿子、
「ううん…。はは。」



そして、それから数日後、葉月たち3人は翡翠堂に新しい商品の提案。
そして、徳康の病室には、日々、店の誰かかしらが必ず見舞いに赴いているのだった…。








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