あなたは、愛する人(彼氏、彼女、夫、妻)が明日事故に遭って、半身不随になったり失明したりしたとしても、死ぬまで愛し続けることができますか?
「普通」
「縁起でもないことを言わないでよ、、、」という声が聞こえてきそうですが、それでは、あなたは障がいを持ったパートナーと共に人生を歩んでいる人たちを見てどう思いますか?
生きていれば何だって起こり得ます。
自分にとって「普通」だと思っていたことがある日急に普通でなくなる。ある日急に、自分自身、もしくは自分の大切な人が、世間一般から見たら「普通でない人」になってしまう。そんなことは一定の確率で誰にでも起こり得るのです。
私にとって2018年は、自分の中の常識がひっくり返った1年間でした。
大袈裟だと思われるかもしれませんが、「真実の愛」とは何か? そんなことを随分と長い時間考えました。
聖夜を前にして、今これを読んでいる皆さんへ。伝えたいことがあります。
「恋」と「愛」
今年のクリスマスは平日ですから、実質的には今日からクリスマス、というかクリスマスデイズが始まるといった感じなのではないでしょうか。
例年、「クリスマス中止のお知らせ」がSNS等で出回るのですが、今年はまだそういった通知を受け取っていませんから、きっと今年は予定通り開催されるのでしょう。
日本では、クリスマスデーと言えばやはり「恋人の日」。
大切な人とデートを楽しんで、一緒に食事をし、プレゼントを交換して、今後も変わらぬ愛を確かめ合う日です。
既にレストランやホテルを予約済みという読者さんも多いのではないでしょうか。
でも、もしかしたら、まだ迷っている人もいたりするのかもしれません。
近々別れようと思っていた恋人に会うかどうか迷っている人、二人の異性から誘われていてどちらを選ぶか決めかねている人、好きではないけれど絶対にダメというわけでもない異性で妥協して独りの夜を回避しようか迷っている人、誰でもいいから一緒に過ごせる人がいないかTwitterで呟いてみようかな、、、なんて思っている人。
そんな迷える子羊たちを見ていると、人生の折り返し地点をとうに過ぎたオジサンとしては、若さとは尊いものだな、とまあそんなことを思わずにはいられません。
幸せの形というのは人それぞれ異なりますし、運や縁といった色んな要素が絡んだ話でもありますから、皆さんにとっての正解は私にはわかりません。
ただ、恋愛には一つだけ重要な境界線があって、いい恋愛をするためにはその事実を理解することが重要だと私は考えています。
そして、それこそが「恋」と「愛」とを分ける一線であり、冒頭の質問への答えで判別がつくと私は考えているのです。
かつては、これこそが「恋人」と「夫婦」の違いだったのかもしれませんが、現代においては同性カップル、事実婚、ポリアモリーなどなど、恋愛事情も複雑化していますから、それらを考慮して定義を変更した次第です。
恋というのは基本的には非常に素敵なものです。
好きな人を見つめているだけで幸せな気分になったり、好きな人から好かれることで自分自身の存在意義を強く再認識できたり、大切な人との未来を想像することで生きるモチベーションが湧いてきたりもします。
もちろん、恋をすることで傷つくこともあります。
一方通行な片思いは我慢の連続ですし、好きな人が別の人を好きになってしまった際の苦しみは非常に残酷です。
そして更には、「嘘」や「裏切り」。これは場合によっては人を死にも追いやります。
相手への思いが強ければ強いほど、それが憎しみに変化した際のパワーも大きくなるのが常です。
個人的には、ポジティブな部分はよいとして、そういった様々なネガティヴな部分を全て包み込むことのできる要素こそが「愛」なのだと考えています。
それではもう一度、冒頭の問いを読み返してみてください。
少し付け足しましょうか。
あなたが好きな人は、いずれ必ず中年になります。オジサンやオバサンになります。イケメンだった彼は禿げ上がって腹部が大きく膨らむかもしれません。口臭や体臭がキツくなるかもしれません。美しかった彼女も、樽のような体型になって、自慢のバストは大きく垂れ下がるかもしれません。最近では女性の薄毛も増えていますし、染めているからわからないだけで30代でも白髪が目立つ女性もいます。
そして更にその後には、お爺さんやお婆さんになります。「人生100年時代」などとメディアは言っていますが、私の親戚の中には70代で認知症になり80代になる頃には配偶者が誰なのかすらわからなくなってしまった人が何人もいます。ボケてから死ぬまでがやたらと長い、ただそれだけの話なのです。
恋は楽しいし、「好き」、「大好き」、そんな気持ちは本当に素敵なものだと思います。
一方、愛というのは実に重いものです。
健やかなる時や富める時はもちろんその喜びが増幅するだけですから良いのです。問題は、病める時や貧しい時です。幸せの時の振幅が大きくなるのと同じように、悲しみの時の振れ幅も増幅されるわけで、底なしにも思える絶望が待っているかもしれないのです。
最近の日本では、結婚する人の割合が大きく減りました。今後もどんどん減るだろうと予想されています。
日本の若者たちがそれだけ賢くなったということの現れなのではないでしょうか。要は、人生におけるリスクマネージメントが上手な若者が増えたということなのだと思います。今回は割愛しますが、子供を作る夫婦が減ったのも似たような理由からでしょう。子供が障がいを持って生まれてくるリスク、子供がいじめに遭うリスク、子供が将来ニートになって資産を食い潰すリスク等々、非常に多くのリスクを文字通り”孕んで”いるわけですから。
愛が足りなくなった国
ということで、愛は重いです。結婚も危険。子供を持つことのリスクも大き過ぎます。ですから、自分の人生における「幸福度」を最大化するためにも、自由をしっかりと確保しつつ何歳になっても恋を思いっきり楽しみましょう!
な〜んて、俺が言うわけがない(笑)
自分の命よりも大事なものを持てない人生なんぞに一体何の価値がある?
真に大切な存在を持ち、その存在に対して責任を持つ。すなわち「背負う」ことによってその人の存在意義、命の価値は大きく増幅する。
だから、確かに重いんだよ。重いんだけれど、それは自分の命の重さでもあるわけだ。
そういう観点から言わせてもらうと、最近の日本人の命はかつてよりも軽くなったと思う。
批判覚悟で書かせてもらう。一生懸命社畜として働いて必死で家族を養っているオッサンの命は実に重い。自由気ままに生きている同じ年齢の独身男性の命よりも相対的に重い。
必死で働いてボロボロになっているオッサンの力の源はそもそも妻や子供への「愛」なのか?
そんなことは俺にはわからない。
なんて俺が言うわけがない。もちろんそれは「愛」だ。
そりゃ40代50代になったら、キスやハグはないかもしれないけれど、それでも背負い続けられるエネルギーの源はやっぱり愛情なのだと思う。いざって時には、自分の命を捨ててでも嫁さんを助けるでしょう。そこに愛がないわけがない。
私のこういう価値観は間違いなく古臭い。
私が生きた昭和時代はとうに過ぎたのだ。
間もなく平成時代も終わりを迎える。
そんな平成最後のクリスマスだけれど、俺は言いたい。
愛が足りねーよ、今の日本には!
夫婦円満の秘訣
以上、色々と好き勝手なことを書いてしまいましたが、実際のところ、どうやら最近の報道を見ていると、「大震災以降、保守的な若者が増えた」という話もあるようです。ですから、もしかしたら「二極化が進んでいる」というのが正しい見方なのかもしれません。
クリスマスは告白をしたりプロポーズをしたりするにも絶好のタイミングですから、色々と計画を立ててドキドキしながらその瞬間を待っている人も少なくないことでしょう。
そこで、人生の先輩として、カップルが長期に渡って良好な関係を維持するために重要な要素を一つだけ挙げておきたいと思います。夫婦であれば、長く円満でいる秘訣と言っても良いかもしれません。
それは、「パートナーへの尊敬の念」です。要は、リスペクトの有無が鍵になると私は考えているのです。
別の角度から言えば、あなたがもし、これから長く付き合ったり生活を共にしたりできるパートナーを真剣に探しているのであれば、「相手に対する尊敬の気持ちを持てるかどうか」というのを一つの判断基準にすると良いのではないかと思うのです。
なかなか若い方にはピンとこないかもしれませんが、この気持ちがあると本当に長続きします。
上述の内容と矛盾しているように思われるかもしれませんが、やはり現代の日本社会では、昔のように「男が家族を養う」というスタイルではなかなか生活の質を上げるのが難しいですし、女性の能力自体がそもそも大きく上がっているように私には思えます。まあもっとも、数十年前までは女性は男性と同等の教育を受けるのが難しかったわけですから、当たり前と言えば当たり前の話なのですが。
ですから、男女がフェアに協力し合い、場合によっては前衛後衛を交代しつつ生活を維持していくのが合理的と言えます。そして、そうなってくると、かつてのようにリスペクトを一家の大黒柱に集中させて、、、というのでは上手くいかなくなるわけです。
どんな相手であっても、長く付き合っていると相手の嫌なところも見えてきます。「何度言っても直してくれない!」なんていうのはよくある話。ですから、やはり現実的には「我慢」も必要になります。でもそんな時であっても、相手へのリスペクトがあると案外何とかなるものなのです。とかく我々は「自己承認」に重点を置きがちですが、「相手を認めること」は実は自らの心の平穏にも大きく寄与するのです。
メリークリスマス!
ということで以上、当記事をもって私からのクリスマスのご挨拶というか、「文字だらけのクリスマスカード」とさせていただきたいと思います。
これから彼氏や彼女と過ごされる皆さんはぜひ思いっきり楽しんできてください。
(ただ、デキて困るのならアレだけはつけましょうね。それは大人な関係を楽しむ上で軽視してはならない最低限のマナーであり責任というものです。)
ご夫婦でしっぽりとクリスマスディナー、そんなのも素敵ですね。
ご家族でワイワイ楽しまれる方々にも素晴らしいひと時を。
そして、全ての子供たちへ。
サンタさんがやってきますように!
先ほど、北欧にて某機関に勤めている知人に日本支部のスタッフとして確認の連絡をしておきましたから、イブの夜には間に合うはずです。
ということで、平成最後のクリスマス、皆さんにとって素敵な時間でありますように。
メリークリスマス!