ついに自作キーボードデビューしました。
入門用に、フルサイズのキーボードではなく名刺サイズのかわいいキーボードを試してみました。
自作キーボードってこういうのがあるよ、電子工作やってなくても作れるよ、ってことを紹介したくて、事の始まりから組み立ての終わりまで記事にします。
遊舎工房さんを訪れてmeishi購入決心
先日、念願かなって遊舎工房さんに行くことが出来ました。
やって来ました pic.twitter.com/BV0ZjpjGwJ
— t_emcee@忙しさ★★★★ (@t_emcee) 2019年4月14日
多種多様なキーボードや個性的なキャップに心躍らされ、とにかく一度作りたいと思ったときに刺さったのがmeishiキットでした。
- キット内容で全てが完結
- コンパクトで作りやすそう
- 会社のパスワード用マクロキーボード(闇)にピッタリのキー数
- 手の出しやすい値段
実店舗行くと、思いがけない発見があって良いですね。Dozen0も魅力的で迷いました。
当日は在庫切れのため購入できませんでしたが、後日ネットにて無事購入。さぁ、あとは組み立てだ!
道具一覧
meishiキット(スイッチ・キーキャップ付)
遊舎工房さんにて購入できます。スイッチとキーはオプションです。
セット購入できるスイッチは4種類のキーフィーリングを試せます。拘りないならセットで買い、自分の好みの軸を見つけるのも手です。
meishi キット | 遊舎工房
はんだごてセット
はんだごてとコテ台、はんだがあれば組み立ては出来ます。
ハンダ吸い取り器も失敗したときのことを考えるとあった方がいいです。
自分はセットで買ったものを使っています。
ただし、セットで買ってイマイチだったのがこて台です。コテ台の固定が不安定で、自分の狭い作業スペースだとヒヤリハットが多発しました。コテ台はきちんと安定させられるものを買ったほうが良いですね。
ニッパー
はんだ後にいらない線を切るときに使います。
精密なマイクロニッパーやプラモ用のニッパーで金属物切っては駄目ですよ。プロのメカ屋としての意見です。プラ用のニッパーで金属物を切ると刃がかけて切れ味が落ちてきます。
100均のやすいニッパーを使い捨てる気持ちで使うか、金属用のニッパーを使いましょう。
組み立て工程
製作者様のサイトにて組み立てガイドが公開されています。私もこちらを参考に組み立て、ビルドを行いました。
以下、電子工作初心者がはんだ付けに悪戦苦闘しながら組み立てる様子を写真とともに見ていきましょう。
ダイオードのはんだ
ダイオードは方向性があります。アノードからカソード(黒線がある方)へと電流が流れます。
meishiは基板にシルクで方向を印字してくれているので、矢印の方向に沿って実装すれば大丈夫です。
各スイッチごとにダイオードを実装します。何のためにダイオードが必要なのかはわかりません。
Pro Microのはんだ
Arduino互換ボードの「Pro Micro」、こいつのおかげでmeishiがUSBデバイスとなり、キーボードとなります。
meishiに対してPro Microの実装方向は決まっています。実装はmeishiスイッチ面、Pro Microの実装面が外観に見えるようにはんだ付けします。
奥まで刺さりきった状態ではんだするため、挟んで固定しながらはんだ付けするといいです。隣のピンとのピッチが狭くて、なかなか難しいです。。
おや…?はんだの付き方が不均一ですね。
このはんだクオリティはヤバイですね。修正して、穴が見えないようにはしました。
スイッチのはんだとキートップ取り付け
スイッチは3pinと5pinがあります。信号用の金属ピンが2本で、あとは位置決め用の樹脂ピンが1本か3本かです。
5pinの方が位置が正確に決まりやすいですが、精度の問題ではまりにくくなるものもあるかと思います。
キットでついてきたスイッチは5pinでした。ピンで基板に対して位置が決まるので、逆組みの心配はありません。
はんだ周りに白いモヤが出来ていて、基板へのダメージがそれとなく不安。
この写真だとスイッチは左に寄っています。樹脂穴3つのピッチがスイッチ側のピント微妙にずれていて、はめるときに固かったです。
キーはスイッチ側の十字の押し子にキートップ側の十字凹をあわせて軽圧入です。スイッチを押し切ったあと、ググッと押し込めば固定されます。
ちなみに、一番右のキーは遊舎工房さんの店舗においてあったキートップガチャの内容物です。ほんのり自作要素を噛ませて満足するスタイル。
ファームウェア書き込み
Gitを使います。今回はMacを使いました。
環境構築
brew入っている前提で、brewを使ってGitをインストールします。
$ brew install git
brewをしばらく使ってないと、アップデートに時間かかるのでご注意を。(実体験)
ソースを入れるフォルダを作り、そのフォルダに移動。
$ mkdir hogehoge $ cd hogehoge
ソースをダウンロードします。
$ git clone https://github.com/qmk/qmk_firmware.git
ダウンロードしてきたqmk_firmwareフォルダに移動します。
$ cd qmk_firmware
ビルドに必要な依存を解決するために下記を実行。
$ ./util/qmk_install.sh
これで環境構築が終了です。
ファームのビルドと書き込み
下記でファームウェアをビルドします。
$ make meishi:default:avrdude
実行後、しばらくするとリセットボタンを押すようメッセージが流れます。
リセット検出するまで書き込みが始まらないのでご注意を。(実体験)
完成
書き込みが終わり、キーの動作確認を行います。
デフォルトは左から、Ctrl-z / Ctrl-x / Ctrl-c / Ctrl-vの順になっています。
自分は無事4キーとも動作確認でき、問題なく完成です!
まとめと次の1手
meishiではじめての自作キーボードにチャレンジしました。
出来上がっての感想、やはり愛着がわきますね。見た目かわいいし、スイッチとかキートップをカスタムしてこだわりたくなる気持ちもわかります。あとは やっぱり、ケースが欲しいですね。Fusion360使えばすぐに作れそうです。(3Dデータだけでプリントできませんが)
あと、はんだ作業は慣れてないと難しいですね。スイッチとかダイオードはともかく、Pro Microはピッチが狭いし実装部品もあって、自分的には難易度高かったです。
はんだごて、普段は樹脂にナットインサートしたり、いらない部品を基板の生死問わず取っ払うときにしか使ってないので、今回のような「作るため」の使用はなかなかに緊張しました。
今はまだデフォルトキーマップの状態です。今後はキーマップを変えてマクロキーボードとし、会社で使用する複数のパスワード(闇)を格納して運用します。実用的な用途があると、カスタマイズのやる気も上がりますね。せっかくなので、次はMacではなくWindowsを使ってファームウェア改造にチャレンジします。
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