Jean Vesselle Rose de Saignee NV
ジャン ヴェッセル ロゼ・ド・セニエ
6月に入り、我が街札幌は過ごしやすい気候になってきました。一瞬の猛暑が体力を削ぐには十分な破壊力でしたが・・・自分のデスク横には主に日本酒(4合瓶)専用の冷蔵庫を足元い置いてあるのですが、奥の方から1本だけシャンパーニュが出てきたので飲んでしまえ、と平日休み前日の夜に1本グイっと1人で開けちゃいました。贅沢ぅー
さて、このジャン=ヴェッセルという生産者を輸入元(大榮産業(株))の公式サイトで調べてみました。シャンパーニュ地方ブジー村の生産者で1930年創業のRM(レコルタンマニピュラン)。生産数量は年間14万本と、さほど大きくない生産者ですね。
ブジー村のあるモンターニュ・ド・ランス地区と言えば、アンボネイ村とブジー村は良質でパワフルなピノ・ノワールが多い事で有名。一方、比較されがちのヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のアイ村もピノ・ノワールが有名ですが、こちらは繊細で華やかなピノ・ノワール。シャンパーニュ地区のピノ・ノワールを語る上で、この2つの地区の違いは覚えておいて損はありません。
(写真が上手く取れなかった・・・)
にしても、濃いなぁ、このロゼ。
ロゼっつーか赤だな、こりゃ。
シャンパーニュのロゼといえば、赤ワインと白ワインを混ぜたアッサンブラージュ法が用いられている事が多い。セニエ法というのは少々手間がかかるので、ロデレールなどの有名処では取り組んでいるものの数的には多く無いし、大手メゾンであれば色の美しさも追及するのでココまで赤いロゼ・シャンは無いと思います。
泡は健全できめ細やか。イチゴ、ラズベリー、ドライイチジク、ブラックチェリーのニュアンス。香りには赤バラやポプリの香りもあり骨格もしっかりしています。ロゼシャンパーニュでありながら、とても飲みごたえのある1本です。
さて、ロゼワインの作り方と言うと・・・
主にセニエ法と直接圧搾法があります。更にドイツのロートリングの様に黒ブドウと白ブドウを混ぜて醸造する混醸法。
そして3つの手法が主となりつつも、シャンパーニュのみに許された赤ワインと白ワインを混ぜるアッサンブラージュ法があります。
以下に4つの方法をまとめてみました。試験対策にもなるので、是非、まとめて覚えておきましょう!
●セニエ法
途中まで赤ワインの作り方をし、好みの色付きに達したら発酵途中の果汁と果皮等を分別します。今回飲んだジャン=ヴェッセルのロゼは色付きをある程度しっかりさせた後に引き抜いて発酵を続けた物と考えます。ボルドーには赤ワインとロゼワインの中間色として"ボルドー・クレレ"というのもあります。日本では馴染みが薄いかもしれませんが、ボルドー周辺ではロゼよりも定番。シャンパーニュのロゼは主にセニエ法かアッサンブラージュ法が用いられます。
●直接圧搾法
黒ブドウを圧搾すると、もちろん赤い果汁が出ます。この色付いた果汁をそのまま白ワインの如く発酵させると、仄かな色付きをしたロゼワインが完成します。セニエ法と比べて色の調整は出来ませんが、熟成過程で少しオレンジ色を帯びる事もあり、仄かな色付きが功を奏して見た目にも美しいワインが多く生まれます。アメリカでは"ブラッシュワイン"とも呼ばれ、ジンファンデル種を用いた淡い色合いのロゼワインがあります。ベリンジャー・ホワイトジンファンデルなんかは、大手スーパーでも販売しているので見たことが有るかも?シャンパーニュでは4000kgのブドウから最大で2550kgしか果汁を絞る事が出来ません。色付く程しっかりと絞る事は難しいので、シャンパーニュロゼではこの手法を用いる事は少ない様です。
●混醸法
黒ブドウと白ブドウを一緒に醸造する手法です。ドイツのロートリングはこの方法を用いています。ポイントとなるのは白ワインと赤ワインを混ぜるという事では無いという点です(欧州のワイン法では基本的にNG)。混醸自体は珍しい方法ではなく、フランス・ローヌ地方でもシラーとヴィオニエを混醸する事もあります。
●アッサンブラージュ法
俗にいうブレンド法。単純明快で白ワインに赤ワインを混ぜる方法で作るロゼワインです。最も簡単な方法でありながら、ワイン法上ではシャンパーニュにのみ認められている手法です。普通にシャンパーニュ・ブランを作り、コトー・シャンプノワ的な赤ワインを混ぜて作るという原始的な手法です。色合いは自由かつ容易に調整出来るのは魅力ですね。
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