十勝のブドウの可能性が広がる微発砲ワイン「A-danza Frizzante 2018」

 

あいざわ農園「A-danza Frizzante 2018」
 
十勝平野のど真ん中。
帯広市以平町でブドウを作り続けるあいざわ農園のワインです。
 
ワイン用ブドウにとっての北海道の気候は、空知地方や仁木&余市の様にピノ・ノワールに適したイメージがあるかもしれませんが、十勝平野まで行くと全く異なります。夏場の気温は35度に達し、課と思えば冬場には氷点下30度にも冷える寒暖差の厳しい土地です。通常であればブドウなんて作れる環境ではありませんが、自然界に自生するヤマブドウに着眼し、極耐寒性品種を自ら開発し育ててワインにするという独自の路線を突き進んだ歴史が有ります。
 
ある意味「十勝ワイン」の代名詞でもある極耐寒品種を栽培しているのが「あいざわ農園」です。
 
2004年に原野だった現在の場所を開墾し現在に至るまで、化学肥料や農薬を使わず自然任せのブドウ造りをしており、出来る限り十勝の自然のままを活かしたブドウを作りたい、という思いが有るそうです。近年は北海道では珍しい台風上陸の被害もあり十勝平野にも大きな傷跡を残しましたが、先日9月24日、遂に念願の醸造設備も完成し醸造免許が交付されました。
 

 

これまでは10Rで醸造していました。生産本数も多く無いのでレア感がありますね。
ブルースの息がかかったワインという事で何かと注目されていましたが、自社醸造になって味を比較される事になるのは間違いないので今後は益々注目です。
 
2016~2017のワインは清舞のみで作られ、天候不順やガスが上手く出なかったなど、色々とご苦労があったそうで生産本数も200本に満たなかったそうですが、この2018は山幸を含んだセパージュとなり生産本数も513本に増えました。
 
 
 

 

 

 

清舞、山幸由来でもある、この美しい色。

今回のA-danza Frizzante 2018は清舞と山幸がそれぞれ60%40%のセパージュです。
ヤマブドウ系なのでシャープな酸味が特徴かと思いますが、スパークリングなので酸味の刺々しさは穏やかに感じられます。
 
グラスを口元に近づけると発泡と共に現れる、少し青っぽさの残るリンゴやブルーベリーの様なフレーバーを感じます。10Rなので野生酵母を利用していると思うのですがガスの出方が良いですね。微発泡という割にはしっかりとした泡を感じます。最初は冷やして飲んだのですが、少し温度が上がってくるとイーストっぽさも出てくるのですが酸が目立ち始めるかな、と思います。
 
食事に合わせても良いのでしょうが、このワインは単体で飲んでも十分に美味しいですね。酸が気になるのであれば、ちょっとクリーミーなチーズなんかと合わせても良いかもしれません。
 
 
 
 
スパークリングワインと単に言っても・・・

 

Frizzante(フリッツァンテ)は微発泡を意味します。
気圧的には2~1.5気圧程度が一般的かと思われます。
 
スパークリングワインは3気圧以上とされていますが、シャンパーニュ方式と呼ばれる瓶内二次発酵で作られるワインは5気圧以上になる事もありますが、タンク内で二次発酵を行うシャルマ方式では3気圧を超える程度となります。慣れてくると、スパークリングワインはガスの度合いでシャンパーニュ方式かシャルマ方式かが分かる様になります(?)。

世界的なワイン消費動向を見ると、ステイルワインはやや下がり気味なのに対し、スパークリングワインというのは伸びている傾向にあります。シャンパーニュの消費量を見ると日本は前年比で5.5%増となり、世界でもトップ3に入る勢いで輸入しているのだとか。(ソムリエ協会例会セミナーより)酒類全般の消費が落ち込んでいる中でも好調なスパークリングワインというのは、これからのワイン市場で注目されていくアイテムでしょう。
 
 
 
 
 

 

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