製造年月が19年5月なので、ちょうど1年目です。ラベルが少し崩れてしまった...
ちなみに、自家熟成をする時には生酒はおススメしません。
もちろん生酒を意図的に常温保管熟成させる変態(誉め言葉)もいらっしゃいますし、自分もよくやってますが・・・基本的に日本酒は美味しいタイミングで出荷されているのがほとんどです。
日本酒はワインと違って品質が変化しやすい事もあり、作り手が意図しない味わいになってしまう事が多いので出来る限りは店頭で購入したタイミングで飲むのが一番ですが、あまりに日本酒への愛が深すぎて自分で様々な飲み方を研究してしまう変態(誉め言葉)も世の中には沢山居るのです。
ちなみに今回の薩州正宗は「生貯蔵酒」なので、瓶詰め前に火入れが1度されており保存性は生酒よりも安心。火入れが1回という事はむしろ熟成向きかもしれません。今回は基本的には冷暗所に保管してしっかり熟成させ、半年ほど前から冷蔵庫のさほど冷えない場所へ半年ほど入れておきました。
1年前に同じ酒を呑んだ時よりも、明らかに淡い黄色を帯びています。
そして甘く鼻をくすぐるカシューナッツの様な熟成香。熟成が上手くいったぜ!
熟成前に飲んだ時はフレッシュ感の中に、焼酎蔵特有?ともいえるクエン酸系の酸味がありましたが1年の熟成を経ると酸のトゲが無くなり
円やかさが抜群になりました。元々の味わいは、どちらかといえばシンプルな印象だったので素直に熟成酒になったかなという感じ。全体的にはボリューム感があって気取らずに美味しく飲めます。これはすごいポテンシャルを秘めているんじゃないかな?熟成前よりも旨味がグンと伸びたと思う。しっかりと飲むスタイルや味の濃い食事と合わせても飲める印象です。
正直言って、今まで飲んできた熟成酒の中でも五指に入る旨さ。タイミング的にもこれ以上でもこれ以下でもない程よい熟成度合いだったのも良かったかな。
※こういった自家熟成は(自分勝手なルールですが)必ずその作り手の事を知り、熟成させる前のお酒も味わい、楽しみ、美味しく頂く事が大前提です。作り手にとっては失礼な事かもしれません。必ずリスペクトする事を忘れていません。
さて、今回「生貯蔵酒」というフレーズが出てきましたが、それぞれの違いを確認してみましょう。
●そのまま出荷すれば「生酒」
搾りたての味わいを出荷します。もちろん要冷蔵で、季節も限られてきます。
米の旨味、フルーティーさを味わえる魅力があり、「本生」「生生」といった呼び方もします。もちろん、濾過は行うのが基本ですが、中には濾過もせずに搾りたてそのままを瓶詰めして売る生酒も。保存はなるべく冷蔵庫で、というのが基本。
輸送技術が発達した現代だからこそ生の美味しいお酒も家庭で味わえるのです・・・。
●火入れせずに貯蔵したものを火入瓶詰めしてから出荷したものを「生貯蔵酒」
「生」状態で「貯蔵」した日本酒だから生貯蔵酒。
文字から連想できるので、わかりやすいかも。出荷したら劣化するんだ、ならば出荷までしっかり貯蔵熟成してしまおう、という考え方で生状態で貯蔵している間に熟成が進み、味わいも深くちょっとした熟成古酒の生貯蔵酒も美味しいのが生貯蔵酒の魅力。
出荷前に瓶詰めした状態のものを温水プール的なものや、温水シャワーを利用して温めて殺菌するパストライザーと呼ばれる設備を使用している所が多いみたいです。もちろん、基本は冷蔵保存。
●貯蔵前に火入れをしておき、瓶詰め出荷時には火入れをしないものを「生詰酒」
夏場に貯蔵熟成したものを秋の始めに飲む「ひやおろし」は、この生詰酒です。もちろん冷蔵保存推奨です。
ひやおろしは秋あがりと呼ぶ事もありますね。ひと夏を蔵で過ごして秋の始め頃に飲むお酒が一番美味いという人も居ますが、これが生貯蔵酒の逆で火入れしたお酒を保存しておいて、ガマンの限界!とばかりに火入れする事もなく秋になったら飲む!火入れなんてしてる時間が勿体ない!今すぐ飲みたいんじゃワレぇ!という感じでしょうか(たぶん違う)
●火入れ2回で「普通の日本酒」になってしまう
なってしまう、というと劣化したイメージになってしまいますが(笑)そんな事は決してありません。
しっかり火入れをする事で流通後、店頭陳列後、消費者の手元に届くまでに最高に美味しく熟成される事を計算して行っているのです。
こうなると、常温保存も可能なお酒が多いですね。
以上、火入れの違いによる「生酒」「生貯蔵酒」「生詰酒」の違いを図面を合わせて改めて解説してみました。
GW、終わっちゃいました・・・
札幌の桜も既に葉桜へ・・・
人気のない場所を通りながら、豊平川の東橋近くに1本だけある桜の樹へ行ってみました。ここ、穴場ですよ。セイコーマートでワイン買って、過行く春を感じてきました。
もう少し、もう少しの辛抱だから・・・
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