日本酒を作る + 次世代の醸造家を育てる為の酒蔵が十勝に誕生
 

物が届いたのは一ヶ月位前なのですが、いろいろあってようやくブログで紹介できました。

 

北海道では日本酒業界が俄かに盛り上がっており、その話題の先を行っている上川大雪酒造の川端杜氏が客員教授に就任した帯広畜産大学内に十勝地方としては約40年ぶり(1980年に廃業した芽室町・十勝酒蔵以来?)となる酒蔵が復活しました。

 

その名は「上川大雪酒造 碧雲蔵(へきうんぐら)」

 

 
クラウドファンディング(Makuake)でも話題となり、目標金額1,000,000円に対して30,000,000円近くの支援が集まった事も話題となりました。かくいう自分も様々なコースで支援させて頂き、先日返礼品の一部が届いたので、さっそく味わう事に。

 

 

 

内容は「純米酒」、「本醸造酒」、「特別純米酒」、「純米吟醸酒」、「純米大吟醸酒」、「大吟醸酒」からなる計6種類。他にも最初に発送される初仕込みセットやらピンバッジやらと、我が家の日本酒事情が潤沢になりました。すでに保管場所に困ってる状態なのに・・・(笑)

 

 

「一」~「六」まであるので、最初は「一」(純米酒)から開けてみました。
純米酒ですから、今後の基本筋となる酒になると思います。
 
外観としては薄っすらと黄色味を帯びていました。決して濃い色ではありませんが、思っていたよりは色があるお酒かなと。まぁ、色合いに関しても近年の日本酒業界では透明=良質と思われていた過去を見直す方向に進んでいるので、この程度であれば有りがちな程度とは思われます。上川町の「緑丘蔵」の純米に似た方向性かもしれません。
 
香りは爽やかで極端なカプロン系の香りやアルコール臭などは一切無く、優しいお米の香り。新品の炊飯器で炊いたご飯の様な、香しいお米の印象の中に少しだけ機械的な(おそらく設備が新しいから、と推察)印象を持ちます。
 
味わいはお酒の旨味がガツンときて、スッと引く感じです。純米酒なのでアルコール添加酒の様なアタックの強さは少なく飲み口が良くてスルスルと流し込めます。川端杜氏の言う「飲まさる(ついつい飲んでしまう)酒」の言葉通りの出来になっていると思います。
 
全体的に日本酒としてのパワーは控え目でありながらも足場がしっかりした出来の良さを感じるお酒でした。立派な石垣を建てて、これから城を築いていこうというイメージが思わず目に浮かんでくる様な、物足りなさを感じつつも、これから先の美しい天守閣を想像してしまえる、そんなお酒です。
 

 

「二」以降に進むと思いきや・・・

先日「緑丘蔵」へ訪問した際に現地で購入した「神川 純米大吟醸」を並べて飲みました。

 

この「神川」シリーズは地域限定販売のお酒であり、酒蔵のショップでも販売しておらず、実際に「上川町に来て買わなきゃ飲めない」というコンセプトがあります。コレって"地酒"本来の姿であり、地元への還元としては最良の形だと思っています。地元の米も使ってるし。更に価格も純米吟醸で2000円未満で買えた筈です。このレベルのお酒が普通に買えるのは凄い。凄すぎる。

 

神川は口当たりの良さが抜群。数ある日本酒の中でも、この口当たりの良さは指折り数える程しか無いと思います。実際に日本酒を普段飲まない会社の後輩君も、この酒は凄く飲みやすいと絶賛。呑兵衛以外にも評価される事は重要ですね。後味もスッキリしていて、水の様に(いや、お酒だけど)グイグイ飲んでしまうお酒です。

 

 

 

 

上川大雪酒造としては、今後は函館(発表済)、そして道東の方にも展開していこうという計画をしているようです。酒の実力で人気とブランドを確かな物にしつつ、より北海道の日本酒業界の発展に尽くす事も大切ですが、日本酒の造り手がいなくては何も意味が合りません。だからこそ、帯広畜産大学の構内に酒蔵を作って次世代の育成につなげるという試みはとても大切であり、むしろ今まで無かったのが以外でした。漫画「もやしもん」の世界ですね。

 

 

 

 

 

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