島根県の立正大淞南高校サッカー部で部員86名、教職員2名、合わせて88名に新型コロナウイルスへの感染が確認された国内最大規模のクラスターの発生は、
それまで感染者数が合計で29人にとどまっていた島根県内に激しい動揺を与えるとともに、
寮などで共同生活を送っている全国の学校の運動部の関係者にとってもショッキングなニュースでありました。
箱根駅伝に出場するような大学の陸上部員も多くが寮で共同生活を送っていますので、
もしも大会前にクラスター発生となればチームは出場辞退、もちろんシード権も失うことになるでしょうし、
それどころか今回のような規模のクラスターともなれば大会の開催自体も危うくなるかもしれません。
今回の件を受けて、1か所の寮で全部員が生活しているようなチームは、
同じ大学内で寮を持つ他の部活動と協力するなどして、いくつかの寮にそれぞれの部員を分散させて、
仮に1つの寮でクラスターが発生してもチームの全滅を防げるような対策を取るところが出てくるかもしれません。
部員の一部は先月から大阪など西日本各地へ遠征に出かけていたそうでありますが、
対戦相手からは今のところ陽性者が出ていないところを見ますと、
感染拡大の原因は寮生活、特に食事中ではなかろうかと推測されるのであります。
運動部の寮では一斉に部員が集まる食事の時間が貴重なコミュニケーションの場でありますし、
特にサッカーのような団体競技では話し合いがヒートアップしてきて、マスクを外していることも忘れて、
長い時間、大勢の人間が密になってツバを飛ばし合いながら白熱した議論を展開することも出てくるでしょう。
また、今回は最初に1人の部員に発熱の症状が出て、次の日に19人に症状が出て、
その時点では学校は病院に行かせずに様子を見たことが感染爆発につながったと批判されています。
まあ学校としても19人となった時点でビビッてしまって、今後は対外試合ができなくなることを恐れて、
隠ぺいではないですが、見てみぬふり、コロナでないと信じたい気持ちが通院の遅れにつながったのだと思われます。
そう考えると、おそらく今後は同様の事例が全国のスポーツ強豪校で頻発するのではないか、
コロナ隠し、クラスター隠しが出てくるのではないか、
と言いますかスポーツ界に限らず一般企業でも、そうした行為がすでに行われているのではないか、
それがまた感染を広げているのではないか、懸念は尽きないのであります。