今日の練習内容のアップは明日に回すことにして、
今日は明後日の金曜日に開催される長距離種目の陸上日本選手権の見どころをさらさらと述べておきたいと思います。
新型コロナの影響で大会が満足に開催されないことを考慮して、
11月末までに出された記録は東京五輪の参加標準記録の対象とならないことが4月に世界陸連から発表されたわけですが、
そうなると競技の特性上、数多く試合に出場することができない長距離種目の選手が標準記録突破の機会が少なくなるため、
その機会を少しでも増やそうと、3000m障害・5千m・1万m、この3種目に関しては凍結が解消される12月での日本選手権開催となったわけです。
この大会で標準記録を突破して優勝するか、すでに突破済の選手が優勝すると自動的に東京五輪代表に内定となります。
今回出場する選手の中では、
【女子5千m】
田中希実(豊田自動織機TC)
廣中瑠梨佳(日本郵政グループ)
【女子1万m】
新谷仁美(積水化学)
以上の3選手がすでに標準記録を突破しているわけですが、3選手ともタイプ的には勝負に徹してうんぬんという感じではなく、
おそらく日本記録にアタックするようなペースで最初から攻め込んでいくと思われます。
10日前のクイーンズ駅伝に出場した福士加代子選手や松田瑞生選手などが今回、欠場の憂き目にあっているように、
廣中・新谷両選手もその駅伝の疲労が心配されるところではありますし、
田中選手も試合に出まくっている影響か、最近は夏ほどの勢いを感じません。
あまりハイペースで攻めすぎると疲労も重なって、失速の危険性もはらんでいると言えるでしょう。
さらに凍結期間中に男子3000m障害でその記録を上回った順大1年の三浦龍司選手が練習中にアクシデントがあって欠場となり、
5千mと1万mに関しては参加標準記録そのものがここ4年間では日本人選手が誰も届いていないハイレベルなもの
(5千m/13分13秒50、1万m/27分28秒00)
となっていますので、代表内定が出る可能性は低いと予想されます。
しかし、例年になく今シーズンは学生ランナーが数多く参加標準をクリアしており、
特に5千mの場合は中大1年の吉居大和選手、皇学館大4年の川瀬翔矢選手など学生が持ちタイム上位に名を連ねており、
1970年5千mの宮下敏夫さん(順大)以来の男子長距離種目学生優勝の期待も高まります。
さらに5千mに関してはその他にも東農大二高の石田洸介選手、立教大駅伝監督の上野裕一郎選手など多士済々な顔ぶれで、
その結果もまた色どり豊かなものになると予想されるのであります。