エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

ワタリガラスの伝説

2020-03-28 08:53:22 | 旅行・地域

ある日、地球ドラマチック(NHK )「ルーマニアの冬の森」を観て、“カラス”の不思議な能力を感じました。 番組では、200匹ほどの“ヒツジ”を飼う一人の牧夫と 22匹の牧羊犬が、一匹の“オオカミ”からヒツジを守る ドキュメントでした。 そこに、一羽の“カラス”が登場します。 なぜ、カラスか? 「オオカミがヒツジを捕った後、残肉(おこぼ)をカラスが狙っているのだろう」 しかし、違いました。 カラスがオオカミを誘導(コントロール)していたのです。 カラスは、上空から牧羊犬の警戒心をそらし、オオカミに狩猟のチャンスを与えていたのです。 「ルーマニアのカラスは 頭がいい」 そこで、ある逸話を思い出しました。 “ワタリガラスの伝説”です!

ワタリガラスは、シベリアやアラスカに生息するカラスです。 厳冬期は、餌を求めて南下する渡り鳥で、日本では北海道の東部で目撃されています。(生息地は千島列島か?) 日本中で見られるハシブトガラスより、ひと回り大きく(体長約70㎝)「カポン・カポン」又は「アポン・アポン」と鳴く様です。 一見 ただのカラスですが、世界中で“ワタリガラス”の逸話が、数多く残っています。 太古の昔から、「森を造った功労者」とか「人間に知恵を授けた」とか、ワタリガラスの伝説は色々あります。 如何してなのか? 野鳥の中で、一番 知能が高いからです! 研究によると、脳は小さいものの“チンパンジー”と同じくらいの知恵があるそうです。 人間で言うと、4歳児程度の学習能力ですから、野生ではトップレベルの頭脳と言えます。 それゆえに、ワタリガラスの伝説が生まれた?  自然の摂理に反する人間に対し「ワタリガラスは何かを教えてくれる」と考えると、何故か貴重な存在に思えます。 たかが “カラス” されど “ワタリガラス” と!

日本(道東以外)で見られない筈の“ワタリガラス”は、なぜか「古事記」や「日本書紀」に 八咫烏(ヤタガラス)の名で登場しています。 「神武 天皇」が東征の途上、天から遣わされた鳥の神(八咫烏)の道案内により、熊野・吉野の山中を無事に行軍できたと言う記録が 残っているのです。 なぜ存在しない筈のカラスが、克明に記されているのか? おそらく、ロシアや北欧から伝えられた神話が、着色され中国経由で日本に入った? 一方、縄文時代ころアイヌ人から伝わったと言う説は、少々矛盾があります。 アイヌが “国(蝦夷)を守る神”と崇拝していた鳥は、シマフクロウ(モシリ・シカマ・カムイ)だからです。 渡り鳥のカラスを、神の如く敬うとは思えません!

ご存知と思いますが、日本サッカー協会のシンボルマークに、八咫烏が描かれています。 イラストでは、3本足のカラスです。 八咫烏=ワタリガラスは、神秘的で謎の多い野鳥です。 いや、白亜紀(始祖鳥)から命を繋いで来た総ての鳥類は、存在そのものが神秘です! 私は、空を飛ぶ“スズメ”・“カラス”~飛ぶのを止めた“ペンギン”・“ダチョウ”・・・ 野生があって野心がない野鳥が好きです。  

◎ 「コルウス」ラテン語で“カラス”(伊達市カルチャーセンター展示)


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2 コメント

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カラス好きです (たたら)
2020-03-28 15:47:09
こんにちは(^・^)

関東圏のカラスはわりと攻撃的ですが、関西圏のカラスは人が近づくと逃げます。
くちばしの形で見分けがつきます。
お利口さんなので、個人的にカラスは好きですが、人には好きだと言えない鳥ですね。
関西カラスはよく見ると結構可愛いのにな。
はじめまして (みさ々)
2020-03-29 17:04:07
こんにちは、初めてカキコミいたします。
ホントにカラスは頭がいいですね。

BSNHK グレートヒマラヤトレイル「遥かなる天空の道」で
キバシガラス
【学名】Pyrrhocorax graculus
【英名】Alpine Chough

がトレイルの道案内していました。
もっとも、行く先々で会えたので、人間側の目線ですが、、、

カラスは学習能力がありますね。

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