10日ほど日本に行ってきました。

北海道十勝の農業は6月の低温で作物に少し元気がありませんでしたが、ほぼ順調な様でした。(写真と本文は関連がありません)

行きつけの喫茶店「黒船」

国道38号線、渋滞とは無縁です

畑の風景

そろそろ秋蒔き小麦の収穫です

士幌町の道の駅

帯広駅南口

カフェで朝食

24度

JR帯広駅
東京、札幌、帯広。今回は予定以上にたくさんの方にお会いしました。
元農家のオジサンが感じた、私なりの思いを忘れないうちに記してみます。

直売所(東京)

大井町駅(東京)

自動販売機の品揃え、半年ぶりの日本感動

人手不足。

どこでも深刻な問題だと感じました。

人はたくさんいるのに、東京の飲食店は外国の方ばかりが印象的でした。

日本のおもてなしは何処に行くのでしょうか。儲からないから安い外国人を使うことには客の立場では抵抗があります。まあ仕方ないや、でいいのか。

業種にもよりますが、働き方を企業自らが考え直す必要があると感じました。

私は田舎で40年前から農業と冷食と野菜の選果作業をしていました。田舎ですから高学歴社員も若い社員もいません。来てくれた数少ない若者や中高年の方はたとえ季節雇用でも大切な社員です。

「あいつは稼がない」「あいつは職場を乱す」等々の忠告を受けながら、それでも働いてもらいました。確かに噂通りのトラブルが起きたことはありますが、配置やシフトなどを考え本人と話して働き続けてもらった経験があります。

募集して適切な人材がいなければ、今いる社員に最大限の働きをしてもらうしかありませんでした。農家ですが5年10年と働いてくれる人が出てきて、その話を聞いて応募してくれる人もいました。子供が具合悪いと遅れる人、両親の面倒を見る若者。それでもいろいろ相談して頑張ってもらいました。

糠平温泉郷

アスパラ、キノコ、豚肉、豆、ジャガイモ、この後で山菜天ぷら、煮物。オール十勝(北海道)です

昭和の前半生まれにはホッとする空間です。

派遣会社に依頼したときには必ず多種多様な人が来ます。他でよくトラブルになると言われた人も、その原因がわかってくると対応できるようになり、当初以上に頑張ってくれました。もちろん何人かは大人の事情でお断りすることもありましたがよほどのことが起きない限り働いてもらいました。人を使うということは私の能力を試されているのだと思うことにしてきました。

絶対に差別しないこと、人として信頼することを心掛けました。農場を営む上で、働きに来てくれる人がいなければ成り立たないからです。

「どこの馬の骨かわからない」と言われたこともありますが、旅行者やネットを見てきてくれる若者にもたくさん働いてもらいました。1週間で仕事を覚えてもらい、新人に作業内容をつないでもらいました。若者がいることで作業現場は明るくなります。職場が明るくなることで作業の効率は上がります。どんな些細なことでも気が付いたことは知らせてもらい、確認します。この繰り返しが職場を盛り立てていきます。

札幌駅北口

道産品が集結しています

路面電車の路線が増えていました

ラーメン横丁、観光客御用達です

社長は現場を動かす潤滑剤であり経営方針を組み立てるのが仕事なのだと思います。

企業全てに言えるとは思いませんが、「人は力」だと思っています。

いろんな形があるのでしょうが、いかなる環境でも人を育てられなければ社長としての責務は果たせないと思います。もちろん利益と継続性は同時進行でなければなりませんが。

スタバで人待ち、カンボジアより小さめのアイスコーヒー

帯広駅

経営者の在り方。

今回十数人の方にお会いしました。

経営者の資質などというほどのことではありませんが、60代以上の方に共通する思いを感じました。現場はすでに任せられる人がいる。というか、現場を任せる人材を育てた方々だったのかもしれません。

経営者は常に先を見なければなりません。そのためには、失敗を恐れず次世代の担い手に仕事を任せ育てなければならないのですが、なかなか実行出来ない社長を長年見てきました。

「ろくな社員がいない」ということをよく聞きましたが、そのろくでもない社員は「あなたが採用したのですよ」と言いたい場面が何度もありました。有能な社員を育てられなかったからか、60代現役の社長が現場で頑張っているのは残念な思いです。

カンボジアで、そして日本でお会いする社長の多くが、話題の内容と会社の事業がかけ離れていることがたまにあります。社長は現在の会社の動向はもちろん、次の時代や今の仕事の未来を見据えることも大切な仕事なのだと思います。私は40年、畑から野菜を通じて日本を見てきました。お会いする相手が個人事業主であれ、上場企業の役員であっても、尊敬する方はたくさんいらっしゃいました。一方で、会社の規模にかかわらず長くお付き合いしたくない(失礼)と感じる方もいたことは事実です。勝手な印象ではありますが、10年20年たった今、その結果はおのずと出ています。

搾りたての牛乳が部屋に配達されていました

一日のバスが4便だけ・・・

温泉もかつての賑わいはありません

経営者の在り方ひとつで会社は大きく変わります。今、人手不足とは言われますが、その多くは人材不足なのではないかと思います。どんなに人を集めても、その人を生かすには社長と言われる方々の人を育てる能力に集約されるのではないでしょうか。

カンボジアで若者と接して感じるのは、若者の熱い心意気です。
ワールドワイドなビジネスには程遠くても、多くの若者が未来を見据えて働いているのがカンボジアです。国が、会社がどんな状況であっても、代表者である立場の人が方針、戦略を考えると同時にあとに続く若者をどう育てるかが変革点になると思います。

若者の思考回路は、私たちの20代にもそうであったようにこれからもどんどん変わって行きます。多分人類の歴史と同じくらい前から。その若者の思考に対処する能力が今の時代最も問われているのではないでしょうか。

明治から150年、それでも日本の歴史のほんの一瞬です。明治維新と言われるのは多分十数年の間の出来事です。21世紀を迎え、今は経済におけるほんの一瞬の転換期のなのかもしれません。そのことに気が付くのはさらに数十年たったころなのでしょう。

日本が世界と肩を並べるには、世界の経済の動向に流されることなく、日本流を貫き対応していくことだと思います。西洋かぶれに終わらなかった明治維新を今一度見直すのもいいのではないでしょうか。

盗まれたので新たなデジカメを入手
じゃあ、お前は明日から何をするのかって?
それが分かれば苦労はしませんが、日々接するカンボジア人若者と一緒に考え、彼らの能力を引き出すためのテーマを追い続ける事でしょうか。

未来に希望が持てる環境作りが年長者の仕事でもあると思います。

千歳からタイ経由でカンボジアに戻ります

タイ、見慣れた風景にホッとします
カンボジアに来る前、54歳の私は地域の若造でした。
日本農業の現状はどうなのでしょう。農村にも都市にも空き地が増えないことを切望します。

 

 

 

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